画像は公式サイトから引用
真・女神転生Vに中盤から派生する新規シナリオ等を追加した実質完全版商法の 真・女神転生V Vengeanceの発売日が2024年6月21日から14日に前倒しになった。
この背景には、21日にエルデンリングのDLCがローンチされることがあるからだろう。
発売日が被ると、売上に響いてしまうという判断と思われる。
アトラスは、前々から完全版商法の常習犯である。
完全版商法とは、前作をベースに追加要素を加えてフルプライスで販売することを揶揄したものであり、リマスターでもリメイクでも新ハード移植でもないから、DLC対応すれば良いので、あまり歓迎される傾向にはないと思う。
だが以前、ペルソナ6の予想記事を書いて(自分のブログの中では)大炎上したことがある。おそらく、その理由は、ダイバーシティ要素を増やして欲しいというのが一番だったと思うが、その中に完全版商法をやめて欲しいと書いた。コメントでは、ファンの中でも完全版商法を好しとする人がいることに驚いた。
ファンは完全版商法によって、メーカーが潤い、自分たちに次作がよりよいモノとして還元されると本当に思って良いのだろうか?
僕は真・女神転生Vを買った。
完全版商法は、おそらくアトラスのソロバンをたたいてる頭の良い人がGOを出してるんだと思う。メガテンのスタッフは、メガテン4で完全版商法されそうなところを無理して4Fという続編として開発し発売した英断をしている。これがあったので、僕はVを買ったのだ。
真・女神転生Vの感想としては、真・女神転生を初めて遊ぶ人に最適なタイトルとして評価した。一方で、シナリオにおいて(選択肢が機能してない、細田守的なうっすいいじめ描写)はかなり不満があったので、今回の新規シナリオについては、普通に興味がある。
DLCだったら、6千円でも買ったんだけどな、というのが個人的な想いである。
アトラスのゲームは、総プレイ時間が100時間近くなる大ボリュームなので、1万円のフルプライスでもかなりコスパが良い。しかし、別タイトルとなって、能力引き継ぎできずにもう1回プレイするとなると、アラフォーの老い先短い僕にとっては、その時間とお金を新しいゲームを遊ぶ時間に使いたいと思ってしまう。
エルデンリングのDLCにとってもそうだが、今の時代、面白いゲームが多すぎる。
なので、どうせ完全版がでるなら、それを待つというスルーされてしまうことにならないか。
現に、アトラス×ヴァニラウェア新作のユニコーンオーバーロードは、PC版が出てないし、僕はスルーした。十三機兵防衛圏で失敗したが……。
こうなってくると、アトラスの新作は、同時期に遊びたいゲームが競合する場合は、スルーして、信仰心篤い熱心なファンだけが購入することになる。新規ファンが離れていき、ますますマニア向け(これはもしかすると歓迎されるかもしれないが、ソウルハッカーズの古残ファンからのバッシングはこれが起因しているのではないか)、予算規模が縮小してショボくなっていってしまう。
さらに懸念したいのは、アンチの増加である。
ゲームは面白ければ売れるものだと思っていた。
だが、最近のスクエニはどうだ。
メディア、ユーザー(友人二人も遊んでいて、めちゃくちゃ楽しそう)が高評価している、FF7リバースは、販売数は歴代ナンバリングタイトルワーストである。
世間ではPS5独占のせい、という見方が多勢であるが、本当にそうか? それだけなのだろうか?
FF16よりも売れていない、という事実から、事態はもっと深刻なのではないだろうか?
たしかにPS5独占は一つの理由だろう。
もうひとつは、リメイク・リバース・完結編からなる分作商法により、前作リメイクより履修する時間がないから、とりあえず放置してるという理由も考えられる。
さらに、完全版商法と重なる部分があるが、完結編が出たときに、前三部作のリマスター・バンドル版が出るだろうから、そのタイミングで、と考えているユーザーもいるかもしれない。
そして、もっとも恐れているのが、スクエニにもう興味を失ってしまった・嫌いすぎて痛い目あえばいいのに、と思っている人が増えすぎたのではないか? ということである。
それは、近年スクエニの目に余る拝金主義、クオリティ低下、サービスの早期終了、安易なパクリゲーム等により、ヘイトを集めすぎてしまったことだ。
ゲームよりも、そんな「やらかし」のほうが、ネタとして歓迎されている風潮すら感じる。
スクエニの話になってしまったが、これが明日のアトラスになるとも限らないのではないか。
僕が警戒しているのはこの点である。
もちろん、アトラスはゲームの品質が安定しているし、ソニー陣営だけに注力しているわけではないので、スクエニと同じとはならないだろうが、ファンを食い物にするような完全版商法のまま、いつまでやれるんだろうか、とは思う。
メタファーは期待しているが、同時期に同じくらい面白そうなゲームがあれば、買わないだろうと思うくらいには、アトラスが嫌いになりつつ今日このごろだ。