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舐めたらあかん北アルプスデビュー戦(敗退)-燕岳、大天井岳:一日目

夏休みを利用して、北アルプスに一泊2日のソロ登山に行ってきました。

目的のピークは、第一に燕岳(つばくろたけ)標高2,763 mと、第二に大天井岳 標高2,922 mでした。

登山テン泊は、地元滋賀の山で何度か経験があり、県外は初。

色々調べた中で、北アルプスデビューにおすすめのコースということで、燕岳をチョイスしました。

今回、いろいろと失敗があります。完全に僕が登山を舐めていました。結構命にかかわるような失敗です。自宅に帰って反省しきりです。登山して、なんだかんだで良い経験だった、で終わることが多いんですが、今回は本当に無事に帰れてよかったという感じです。経験豊富な諸兄方からすると、呆れ半分怒り半分な内容になってますが、もしこれからテン泊デビューされる方がいれば、参考にしてください。あまり楽しい内容ではないかもしれませんが、きちんと準備しておけば、登山は楽しいものです。

まず、根本的な失敗として、きちんと情報を集めていなかったことです。

現在ではネットで少し調べれば、いろんな情報を集めることができます。自分は、せっかく初めて登る山なので、情報は必要最低限、新鮮な気持ちで登りたい……だなんて思ってしまったんですね。ゲームみたいに、ネタバレなしの初見プレイしたい、なんてね。

初めて登る山で最高なのは、以前登ったことのある人と一緒に登ることだと思います。ソロで登る場合は、できる限り情報を集めるべきでした。

まず、参考にしたサイトでは、初心者おすすめコースでは、燕岳登山口→合戦小屋→燕山荘→燕岳→燕山荘→合戦小屋→燕岳登山口という、燕山荘にて泊まるコース。

自分は、数日前に燕山荘のサイトを確認し、テント場が予約制であることを知る……そして、20幕ほどしか場所がなく、予約が埋まってました。その場合は、大天荘(予約不要)にて泊まってくださいと案内されていました。このとき、自分は勝手に大天荘という山小屋が燕山荘の近くに併設されているんだな、と地図も確認せずに思い込んでしまったんですね……。この時点で、ありえない、って思う人多いと思います……。

 

次に装備。

ファーストエイドキットを新調し、ここ最近集めたギアを投入。

かなり日程はゆるく組んだので、テント場で気ままにゲームを遊ぼうとニンテンドースイッチを持っていくくらい、かなり余裕な感じでした。

自分が泊まる大天荘の場所、気候などを事前に調べていたら、もっと警戒していたことでしょう。

ただし、身の丈に合わず金にものを言わせて買い集めたギア達は、ちゃんと機能してくれて、どれ一つかけても、登山をより大変なものにしていたと思います。ここは妥協しなくて良かったです。

 

ザックはラフバーシをチョイス。

ULザックとしてはかなり古い製品でディスコン品ですが、今でも全然使えます。逆に人と被ることはないので、自己承認欲求の高い自分にはもってこいの相棒です。

水分や食料を含めた重量は、10キロ程度ですかね。

サブバックには着替えが入っていて、これは駐車場に置いていきます。

その他の装備は、行動中に適宜紹介します。

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地元滋賀を午後6時に出発。かなり時間に余裕があるので、下道7~8時間程度の道のりをゆっくり行くことにしました。

道中、関で花火が上がっていたり、下道で行くことで得したこともありましたが、結局のところ大半が峠道で、特に見るものがなかったので、サクッと高速で行っても良かったかもしれません。

 

岐阜でお気に入りの家系ラーメンを食べました。

いつも映画を友人と見に行くときに食べるんですが、なんだか一人は味気なかったです。最近、やけに味が濃いんです。

 

午前二時くらいに安曇野市に到着。あづみのって読みます。つばくろたけと同じく、初見じゃ読めねぇ……。

近くのコンビニで、食料と水を購入。

水はコーヒーやスポーツドリンク含めて4キロ程度背負うことにしました。それに加えて浄水器も持ってました。これは、今回は使いませんでしたが、もっている安心感はありました。

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登山口のある中房温泉前の市営駐車場へ向かいます。

第3駐車場に車を停めることができ、少し仮眠しました。

朝5時に自然と目が覚めて、行動開始。

朝食を買い忘れていたので、いきなり行動食を口にします(アホ……)。

このとき、車の中に骨伝導イヤホンを忘れます。電池が入っているので、車の中の熱で爆発しないか、山の中でずっと不安でした。

幸い、標高が高く気温がそこまで高くならなかったこと、二日目が悪天候であったことで大丈夫でしたが、確認をちゃんとしておけよ、って反省です。

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登山口にて登山計画を出して、いざ出発。

登山口は、人でごった返していました。

すでにここは標高1400メートルほどあります。

 

道は非常にキレイに整備されており、さらに地面は水はけのよい感じで、すごく登りやすかったです。

途中、インスタ360GOを落としてしまうハプニングがありましたが、幸い気がつくのが早くて、回収することができました。登山者の方が「もう少し下のところに落ちていたよ!」 と教えてくださったりして、有り難かったです。強力な磁石に過信しすぎていて、アップダウンの衝撃で落ちたことが気が付かなかったのでした。以後、つけっぱなしにせず、使用したら面倒でもすぐに仕舞うようにしました。

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一日目はすごく良い天気で、虫も出てなくて、すごく良かったです。

体力的にも全然大丈夫。

 

スイカで有名な合戦小屋に到着。

だいたい全工程の2/3程度消化した(と思っていた)。

 

標高がかなり高くなってきました。

息苦しさとかは全然なかったです。

短パンでしたが、吹き抜ける風が気持ちいい。

今回、山と道のライト5ポケットショーツを使用しましたが、メチャクチャ良かったです。ポケットの配置が絶妙……。が……半ば覚悟しておりましたが、被り率がすごかったですね……。10や20じゃきかないくらい。まあ、そんなの気にしてる時点で、ミーハーなんですけど。

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10時くらいに燕山荘に到着。

ここからの景色は最高でした。山の濃い緑と薄い緑に、地肌が露出して濃茶と黄色い部分のコントラスト。

 

朝、行動食を少し食べてしまったので、食料消費を抑えるために燕山荘で食事しました。

チキンインドカレーの大盛り。1100円なり。

正直なところ、味はそこそこ。標高が高いので、米を炊くのが難しいのか、団子みたいな感じですし、ルーはスパイス足りてない。でも、シチュエーションが最高だし、温かい食事をとってほっこりしました。温かいお茶がサービスでついてくるのも嬉しい。

パンデミックの影響で、滞在時間は30分でしたが、10分くらいで平らげて、燕山荘を出ます。

 

さて……今日泊まる大天荘は……(近くにあると勘違いしている)。

うん?

地図を確認しますと……あれ? ここから3時間くらいの場所????

……と言うわけで、背中に冷たいものが流れてきて、燕山山頂へのアタックはキャンセルして、大天荘へ向かいます。

大丈夫、時間的には全然余裕。

体力的には……まだ大丈夫。

 

稜線つたいの美しい風景でしたが、心にそれを楽しむ余裕はありません。

風が無茶苦茶強い!!

日本海側は風がすごいのに、陸側に入るとまったくの無風。

日本の屋根とはよく言ったものです。

途中、神奈川から来たとおっしゃっていたソロ登山者とご一緒します。

この方から大天荘も予約でいっぱいだという話を聞いた、という話を口にします。

そんな馬鹿な?! 大天荘って予約不要って書いてあったけど?!!!

おそらく、この話は山小屋の話だったみたいでした。

でも、気が動転してしまって、どうしよう、どうしよう、って焦りました。

最悪、ビビィがあるので、軒先とかに泊めてもらうか、引き換えして適当なところでビバークするか……。

その方から、最悪死んじゃうんだから、強気で廊下でもいいから泊めてくれ、って言おう! とアドバイスをもらい、ちょっと心にゆとりができました。

 

この区間の後半は、全工程の中でも一番険しかったです。

稜線歩きなので、アップダウンそんなにないだろうと思っていたんですが。

鎖場もありました。ここは流石に撮れ高気にして動画取ってる場合じゃねぇな。

 

ここを登った偉大な登山家の方かな??

雲に突入して、霧雨がまとわりつき、指先がかじかんでいきます。

体温が下がってきた感覚があったので、スタティックのアドリフト・フーディーを着ました。

このギアも素晴らしかった!! 着るのと着ないのでは段違い。 風が強くて防風性能ないかな、と思ってたんですが、ちゃんと温かい!

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午後2時にテント場へ到着。

予約いっぱいと聞いてましたが、すんなりと場所を確保できました。

このとき、風がそれほど酷くなくて、すんなりとテント設営できました。

山岳テントをちゃんとした場所で設営できた。

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結構、行動食を消費してしまっていたので、食料が心もとない感じがしました。

山小屋で、チョコとカップヌードルを買い足しましたが、カップヌードルではなく、チョコにすべきでした。チョコは偉大です。

 

風が強くなって、そこかしこで悲鳴があがるようになりました。

自分も何度かペグが空回りしてスッポ抜け出しました。

まわりを見ると、ペグなんて使ってなくて、石に引き綱を括っています。

しまった、引き綱の予備なんて持ってきてない……。

なんとか工夫して、抜けないようにするものの、何度も抜けてしまいます。

風はどんどん強くなっていき、テントの支柱がグワングワン揺れて、幕の裾が岩にこすれてザリザリと嫌な音を立てます。

このとき、高い幕が傷つくとかは全然頭になく、頼む、持ってくれ……と祈るしかありませんでした。

改めて考えてみると、このテント場、標高2800メートル!

 

コーヒーを沸かして、気持ちを落ち着かせます。

密封した幕内での火器使用は、本来避けるべきですが、風が強くて致し方ない。

 

バサバサと風に煽られる音が怖いので、イヤホンしてゲームをしてみますが……集中できねぇ……! イヤホン越しに、バサリ!! と大きな音がして、ふと顔を上げると、2箇所ペグが抜けています。

石を積んで、ペグが抜けないように抑えます。かぎ爪型のペグは駄目ですね。使い道ないと思っていたペラペラのV字ペグが大活躍。

 

それでも腹は減る。

まずは前菜の冷奴。

身体は冷えていましたが、うまい!

 

次に、冷凍うどん(自然解凍済み)を茹でます。

 

茹で汁をスープ用に使い、担々麺の元を投入。

 

辛さが冷えた身体に染み渡る……。

二玉使ったので、ボリューム満点。

 

お腹がいっぱいになり、することなくなったので、まだ午後6時前ですが、寝ることにしました。

一晩過ごせるかしら……。

こうして、長い、長い風との戦いが始まるのでした。

 

次回に続く。

 

動画

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