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舐めたらあかん北アルプスデビュー戦(敗退)-燕岳、大天井岳:二日目

夏休みを利用して、北アルプスに一泊2日のソロ登山に行ってきました。

目的のピークは、第一に燕岳(つばくろたけ)標高2,763 mと、第二に大天井岳 標高2,922 mでした。

初めての山を新鮮な気持ちで登りたいなんて、舐めた考えで登ったら、行きた心地がしないほど、大変な思いをしてしまったという、なんとも馬鹿なレポートです。

一日目の記録

smoglog.hatenablog.com

 

テントの様子は、動画で撮っておいたんですが、痛恨のミスで誤って削除してしまいました。

強烈な勢いで吹き抜ける風に、幕が煽られて歪みます。支柱としているトレッキングポールが、おおきく回転するように揺れて、今にも倒壊しそう。実際、倒壊してしまったテントも見ましたし、山小屋の人が言うには、朝にテントが飛んでいってしまった人もいたそうです。

僕のテントは、モノポールテントなので、風が入り込んで舞い上がってしまったら、もう終わり。迂闊に外に出ることもできず、トイレを我慢して過ごします。

裾がバサバサと音を立てるの度、テントが飛んでいかないか、びっくりして、眠ることができません。

引き綱の予備がないので、切れてしまったらおしまい。

 

最初は普通にペグを打っていたんですが、風の強さに負けて抜けてしまうことが多発しました。

周りを見ると、岩に引き綱を巻き付けて対処されていますが、この場合も前から横からと暴れるように吹き付ける風のせいで、引き綱が岩と擦れて切れてしまうようで、夜の間、悲鳴が聞こえて、テントから出てきて周囲を照らして引き綱をつけ直すライトの明かりが絶えなかったです。

 

自分も何度もペグが抜けて、その度に、ベグが抜けないようにペグの前の土に石を埋め込んだり、ペグの頭に岩を載せたり。V字ペグや、MSNのドリル型のペグ、フリーライトのネイルペグなどは、その方法で安定したんですが、厄介なのは、かぎ爪型の普通のペグです。このペグは回転してしまって、その度にすっぽ抜けてしまいます。

一箇所抜けると、テントの剛性が不安定になります。

 

深夜にかけて、雨もつよくなって行き、固定箇所が緩んだり、抜けたりする度に、外に出て、直すことになりました。

上着はレインウェアを着ますが、下は短パンなので、防水性はありません。

外に出るたび、短パンは水を吸います。速乾素材なのですが、そんなすぐには乾きません。

気温自体は、20度を下回る程度でしょうが、濡れた身体では、体温が下がっていく一方。仕方なく、寝袋に包まりますが、濡れた短パンのせいで、どんどんダウンがしぼんでいくのがわかります。

結局、手先がかじかみ、ガタガタ震えるような状況になってしまいました。

夜明けまで、まだ6時間以上あります。

このときは、本当に無事帰れるのか不安になりました。

 

お湯を沸かして暖をとることも考えましたが、水分をとって尿意が増すことも避けたかったし、アルコールストーブで湯沸かし中にテントが吹っ飛んだら? と考えると、行動に移れません。

そんなとき、山小屋で購入したプレミア価格のアーモンドチョコを口にして、どれほど救われたか。カロリーを得て、体温が上昇し、甘さが心を満たしてくれます。

チョコ最高!!!

 

最終的に、かぎ爪ペグは、この風では対処不能と考えました。

かといって、他の人がやっているように、岩に引き綱を括る方法も、風のせいですぐに切れてしまいます。そもそも引き綱の予備もありません。

なにか方法はないか??

こんなときこそウルトラライトの思考力が試されます。

 

僕がとった方法は、テント場の2センチ程度の太さで、20センチより長い木の棒を拾ってきます。

これに、積めるだけ石を積むという方法でした。

引き綱に岩が直接当たらないように、上手く配置して、木がズレないように、手前に石を配置します。

これで一箇所でも飛んだら、もうテントの支柱を下げて、上に重しをのせて、トイレに避難しようと考えていました。

 

 

賽の河原のように、とにかく高く、高く、石を積み上げました。
やがて、雨が止み、空にほとんど満月が煌々と上がっていました。それでも風は止まず、むしろ強くなっていきました。

慣れというものは怖いもので、この状況でしたが、少し眠れて、次に覚醒したときは、5時で、太陽が登っていました。

風も止んでいて、この瞬間を逃すものか! と手早く撤収作業を行います。

 

何箇所か、引き綱の皮膜が破けてコア材が露出していました。

 

岩が当たったところは、ダメージを受けています。

高価な幕が傷つき、心にダメージ……は実はそんなになく、よく耐えてくれた……! と相棒感が増しました。次の使用が無理なレベルの損傷はないので、補修とパーツ交換を行い使用し続けたいと思っています。

 

20分で撤収作業を終え、朝食代わりにチョコを頬張り、テント場を後にします。

途中、大天井岳の頂上への案内がありましたが、とにかく無事に下山したい、という気持ちがうわまり、断念しました。

 

テント場を後にしてまもなく、強烈な風が吹き抜けるようになります。

我ながら、良いタイミングで撤収作業をしたものです。

 

雲の切れ目から黄金色の柔らかな光が差します。幻想的な風景です。

 

少し気持ちに余裕が生まれ、写真を撮る余裕が出てきました。

 

このあたりから、天気が崩れて、雨が強くなってきました。

身体が冷えて、お腹も痛くなってきました。食欲も失せてしまいました。

短パンで素肌の部分はすぐに乾くので良いのですが、短パンが濡れたままなのが、非常によくなく、ここから熱が逃げてしまいます。

レインラップやレインスカートって意味があるんですね。次回から導入したいです。

防水のズボンって、脱着が面倒なので、採用したくないんです。

 

燕山荘に戻ってきました。

トイレをお借りして、一休みしていると、昨日すこしご一緒させていただいたソロの登山者の方と偶然再開。

お互いの無事を確認することができ、ほっこりします。

ここからは、標高もぐんぐん下がっていきますし、すこしだけゆとりが持てます。

一度足を滑らせて、転けましたが、ザックが汚れたくらい。

 

なんとか下山することができました。

お昼にもなっていなかったため、食事やお風呂、観光、お土産の購入とおもいましたが、それよりもホームシックな気持ちになってしまって、すぐに高速に乗って帰路としました。

途中、屏風山SAで四川麻婆豆腐ラーメンセットを食べました。揚餃子で無茶苦茶口の中を火傷してしまいました。味もわかったもんじゃねぇ……。

 

家に帰って、「正直、命の危険を感じた。反省しかない」 と家族に伝えると、大半は無事で良かった、と言ってくれましたが、親父だけはいつものように文句ばかり言ってくるので、いつものようにキレて、「土産じゃ!」 と山小屋で買った500円のカップヌードルを投げつけておきました。

 

動画

案外楽しそう、余裕そうに見えます。

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