5月の連休に全行程80kmもの距離を歩くことのできる高島トレイル(その一部なので、ロングトレイル的にはセクションハイクって言うのかな)に行って来ました。
詳しくは、NPO法人高島トレイルクラブのサイトを御覧ください。
◯グダグダすぎる出発
出発した日は雨の予報でした。なので、雨が降っているのなら、次の日に出発しようと朝起きた時は思っていました。2度寝のあと、寝ぼけながら、iPhoneのカレンダーを見ていて気がついたのでした。
この日を逃したら、キャンプできない、と。
慌てて飛び起きました。
天気は、曇ってはいますが、雨は降っていません。
初めてのキャンプ、しかも一人で! ・・・なのに、こんな風に慌ただしくしていたら、きっと忘れ物したり、怪我したりしてしまう、と思いましたが、ブログに連休はソロキャンプと書いてしまったし、今更行けませんでした、では格好が付かないぞ、と変な使命感で、準備しました。最初に書いておくと、トレイルのルートなどは行き当たりばったりに変更したりしましたが、幸いなことに怪我なく、忘れ物もなく、無事帰ってくることができました。
家を出たのは朝の9時頃、途中でパン屋さんに寄って焼きたてのバケットを購入したり、行動食のナッツとドライフルーツを買ったり、ヘッ電の電池を買ったり、ワークマンで安くて結構軽いレインパンツを買ったりして、高島トレイルの起点、愛発越(あらちごえ)に向かいました。
◯どうやって、トレイルに入ればいいのかわからない・・・
途中、朝食をとったり、グーグルマップで行き先を調べたり(前日にやっとけ!)してトレイルの起点となる国境スキー場に12時ごろに到着しました。
・・・が、国境スキー場は、雪がないので、当然営業されておらず、ゲートは閉まっていて駐車するスペースもありません。前日に、このあたりのことを知れべておけば良かったのに、後悔後を絶たず、でした。
僕の計画(というか完全な妄想)では、
【1日目】
愛発越(発) ー 乗鞍岳 ー 黒河峠の辺りでキャンプ(高島トレイルにはテントサイトが無く、トレイルを横断している林道脇にテントを張れと言うことでしたので、適当な林道にぶち当たったらそこでキャンプするという、超適当なプランでした)
【2日目】
黒河峠 ー 赤坂山 ー マキノ高原 ー(湖国バス)ー 愛発越(終)
・・・という計画でしたが、トレイルの入り口を見つけられず、その場で右往左往することに。
iPhoneでネット検索して調べると、マキノの道の駅にトレイルガイドなるものがあるという情報があり、一路マキノへ向かいました。
◯しかし、そこにはトレイルガイドは無かった・・・
道の駅の店員さんがおっしゃるには、マキノ高原になら、トレイルガイドと地図があるそうです。
この時点で午後1時を回っておりました。マキノ高原でガイドブックを手に入れ、登山口がわかり、今から国境に取って返すのは、めんどくさくなってしまいました。
そこで計画を変更して、マキノ高原から出発して、国境方面へ行けるところまで行き、林道にて一泊して、二日目はそのまま引き返して帰ってくることとしました。何だか不細工なプランです。
でも、今回の目的は、長い距離を歩くよりも、一人で侘しくキャンプすることなのです。
◯マキノ高原到着
天気は相変わらずの曇天。もしも登山中に降ってきたら、途中で帰ることも視野にいれます。
売店で地図を求めます。1:25000の地図が売り切れていました。仕方なく、1:50000の地図を買います。こんな細かい地図が何の役にたつのやら、と思いましたが、後々、役にたちました。地図は偉大です。
ココでも登山口がわからず、うろうろしたりして時間ロスしました。無計画な自分が嫌になっちゃう。売店の人に何度も質問して、何とか見つけて、午後2時ごろ、やっと出発です。
◯今回の装備
メインザックはラフバーシ・フッケパック、ヒップベルトポケット付き。サブバックとしてCCP・ライクラサコッシュを持っていきました。パックウェイトは7キロあたりだと思います(次はきちんと計測しよう・・・)。水場は無いとのことでしたので、水は2リットル(+炭酸水500ml)担ぎました。
シューズはビブラムファイブフィンガーズ・トレックスポーツです。ほぼ毎日1時間ほど犬の散歩にルナサンダルを履いて足裏を鍛えていたつもりですが、本格的な登山に使用するのは初めてです。
話変わって、上の写真では、サイドに挿している傘の柄の方が出ていますが、これは逆にするべきでした。ループが枝に引っかかって飛び出したり、バランスをくずしたりしました。こういう、実践しないとわからない発見がありました。
◯〜赤坂山
赤坂山までは、正確には高島トレイルではありませんでした。マキノ高原の山々をぐるりと遊歩できるコースが縦横に走っています。道標は分かれ道に刺さってあるので、迷う心配は無いかと思います。
きちんと整備され、ゴミも無く、綺麗な登山道です。
すぐに山深くなっていきます。空模様はご覧のとおりですが、涼しくて気持ちいいです。
向こうに見えるのが赤坂山です(多分)。
この左側に立派な東屋があり、休憩できます。
帰り道で迷わないように、分岐点で写真を撮ってましたが、あまり意味はありませんでした。理由は2日目で分かります。
水場は無いと書かれていましたが、沢は近くを流れていて、セイシェルとか高性能な浄水器があれば飲水の確保は難しくなさそうです。
見た目は超綺麗。
沢の水が流れ込んで、水没した登山道。濡れないように、岩を足場に登っていきます。防水ソックスで軍足タイプのヤツってあるのかな?
赤坂山までは、筋肉に余裕があって、トレポを使わず登っていました。
家族連れの登山者とすれ違いました。軽装でしたので、おそらく、朝早くに赤坂山を登頂されたのでしょう。
奥に琵琶湖が見えます。
結構標高が上がって来ました。肌寒さを感じてきました。木があるので、風は感じません。
こんな感じで、道はわかりやすくなっています。
木が無くなって一気に風を受けます。
この先、道がわかれていて、西側へいくと、高島トレイルの終点へ至ります。
赤坂山は東側です。
凄い風です。雨具として持ってきたゴアテックスのジャケットを羽織りました。
鉄塔の下に潜り込めたので、一枚。
頂上はもうすぐです。
というわけで、赤坂山に登頂しました。
ここでもう少しゆっくりしたかったのですが、遮るものがなにもなく、強く冷たい風の為、写真を数枚撮って、次のポイントを目指します。
標高約823mとそれほど高い山ではありませんが、5月でもかなり寒いので、それなりの装備が必要と思いました。
◯〜明王の禿
登る前から目についていたのですが、高島トレイルの尾根の一部分だけ、緑におおわれていない部分がありました。
その部分は鋭い岩が突き出ていて、恐ろしげな景観です。
その名も
みょうおうのはげ・・・。
誰が名付けたんだろう。
このあと、長靴で登山する素敵なソロの登山者とすれ違いました。ちなみに、すれ違った登山者は、さっきの家族連れとこの方のみでした。GWだし、もっと混んでるかな、と思ったのですが、天気のせいかガラガラでした。
◯〜三国山
道標が倒れていますが、三国山と黒河林道への分岐です。
僕はココで勘違いして、高島トレイルとは、12の山のピークを繋げているものなんだ、と思って、三国山の方へ向かいました。
先ほどの分岐から、結構急激な坂で、ここでトレポを使い出しました。よくよく考えると、このフィザンのトレッキングコンパクトもタープの試し張りに使うのみで、実際使うのは初めてでした。
軽量なトレポは、突きたいところにスパスパ突けて、気持ちいいですね。
で、この時まだ勘違いに気づいてなくて、午後4時まわっていたので、先を急ごうと思ったんです。
その先の道に違和感。
数メートル先は強いトレイルの跡があるのに、その先は落ち葉が荒らされた痕跡が無く綺麗なんです。
そこで、意味ないかも、と思っていた地図を取り出し確認。
三国山から先はトレイルが繋がっていませんでした。どうやら、先ほどの分岐の黒河林道が正解だったようです。
地図が無ければ、おそらく僕はしばし考えた後、不安になりながら先を進み、間違いに気づいたことでしょう。
図らずともピークハントしたのち、疲れを覚えた足に鞭打って道を引き返します。
◯〜黒河林道(キャンプ)
ココから先は、つれづれ折りの坂を下っていきます。黒河峠の峠って谷部分のことなんですね。
しばらく進むと、車も通れる幅の広い砂利道に出ました。
その脇に1段高く、しかもフラットな盛土があって、キャンプするのに易そうだ、と思いました。時間も5時を回ろうとしていました。
黒河峠はおそらくこの先なのでしょうが、ここにキャンプすることにしました。
風が強く、タープを張るのに難儀しました。
土は良く締まっていて、ペグも良く効きましたが、ツルリと回転していまい、ペグの鉤手からラインが外れてしまうのです。
なんとか、タープを張り終え、マットを敷きます。
動かなくなると、下半身が冷えてきたので、朝ワークマンで買ったレインパンツを防寒着として履きます。
座って落ち着くと、孤独感をヒタヒタと感じだしました。
なんで僕は、一人孤独に寂しく、こんなところにいるんだろう? 本末転倒な事を考えたしたりしました。
寂しさから逃れる為に、食事の準備をします。
本日の献立は、カップラーメンと朝買ったバケット、お湯で溶かすタイプのミルクティーです。
食事を済ますと、今から訪れる長い夜に立ち向かう勇気も湧いてきました。
それでも、何かを寄せ付けないように、朝食用に半分残したバケットや、食器などは匂いが漏れないように、ビニール袋で何十にも密閉しました。
ゆっくりと夜の帳が降りてきます。
普通のテントサイトのある山なら、他人でも誰かが居て、煩わしさと同時に心細さを紛らわせてくれるのかもしれません。でも、ここには誰もいません。
本当に僕一人だけです。
キャンプする前は、僕は神経が図太いから、多分、ぐっすり眠れるに違いない、と思っていました。しかし、実際は、変な胸の高なりのせいでちっとも眠気がやってきません。
夜11時をまわり、折角のキャンプなのに萎縮している自分が嫌になってきました。折角、自然をより身近に感じるようにタープを張ったというのに、エスケイプビビィの中で芋虫のように縮こまっている自分が。
僕は、寝袋から出るとヘッ電を灯し、エコー2タープの内側を照らしました。そしてカメラのシャッタースピードを一番遅く設定し、タープが写るよう石を置いて角度を付けて地面に設置、シャッターを切りました。
次にiPhoneのライトを点灯させ、タープの周りをウロウロと歩きました。
ウィル・オ・ウィスプごっこによって、満足の行く写真が撮れると、寝袋に潜りました。やっぱり眠気はなかなか来ませんでした。
でも、これは、先ほどとは違う胸の高なりのせいだと思いました。
2日目につづく。