スライ・ザ・スパイアが爆発的ヒットし、フォロワーが大量にでるも、やはり元祖であるスライ・ザ・スパイアのバランスが良いよね、っていうことになっているデッキ構築型ローグライトカードゲーム。その中で、評判の良いヴォールト・オブ・ザ・ヴォイドをプレイしてみました。タイトルの韻の踏み方からして、スライ・ザ・スパイアの影響が色濃いですね。
現在アーリーアクセス中で、完成版を急ぐつもりもない、とありますので、これからもどんどんアップデートされていくようです。
プレイ時間は7時間程度の段階でのファーストインプレッションとなります。
デッキ構築型ローグライトカードゲームとは、スゴロクのマップのようなタイル型のフィールドを進み、CPU敵対戦を繰り返して、カードを入手してデッキ強化を繰り返していくというデジタルカードゲームで、ゲームオーバーすると最初からやり直しというシステムを採用しています。
自分自身、このジャンルが大好きで、いくつかプレイしています。
その中で一番良かったのは、間違いなくスライ・ザ・スパイアです。インスクリプションも良かったですが、あれは……。
スライ・ザ・スパイアに感じた問題点は2つ。一つは、個人的にアートワークやBGMの品質がイマイチに感じたことです。これは大ヒットを記録したことで、次回作なりで、きっとアップグレードしてくれそう。
もう一つはランダム性が高すぎること。強いカードが手に入っても、そのあとそのカードとシナジー効果の高いカードが手に入る保証はありませんし、後半はデッキがどんどん膨らんでいき、デッキ圧縮するのが大変になってしまいます。一回のプレイが2時間くらい必要なのに、今回は捨てるしかない、って無駄になるプレイが多くなってしまいます。
Vault of the Voidは、この2つの問題点を解決しています。
アートワークやBGMはリッチです。あまりにもスライ・ザ・スパイアに影響されていて、新鮮味が薄れていると感じることはありますが……。マジック・ザ・ギャザリングやハースストーンの影響も感じます。全体的に海外のトレーニングカードゲームっぽいバタ臭さを感じます。
そして、デッキはいつでも編集可能で、20枚で固定しなくてはいけません。
運要素が少なくなり、よりタイトなバトルを要求されます。
カードの強化、カスタマイズ要素もあり、自分なりの最強デッキを作る楽しみが強化されています。
例えば、このカードがターン最初に手に入れば強いのにな、って思ったら、そういう効果をつけることができます。
確かに、Vault of the Voidは、スライ・ザ・スパイアより優れている面がありますが、初めて触れるデッキ構築型ローグライトカードゲームとしては、それはそれで問題点があるように感じました。
それは、盛り盛りすぎな点です。
まず、未だアーリーアクセス中なのに、それでも膨大な量のシステムとコンテンツを有しています。
プレイアブルキャラは、現在四人いて、さらに2つのデッキタイプが存在します。
3人目くらいから複雑怪奇なプレイスタイルで、頭の悪い僕には、完全に空中戦で自分がどうして今勝てたのか、理解が追いつけません。
カード効果、プレイヤー能力、アーティファクト、バフ、デバフ、敵能力などのシナジー効果が多岐に渡っていて、これを把握しつつ、タイトにバトルをやっていくには、完全に僕のキャパオーバーです。
デッキ構築型ローグライトカードゲームを遊んだ人前提の作りのように感じました。
個人的な要望としては、リアルカードゲームとしても作れそうなシンプルなルールのモードを作って、このゲーム独特のルールを学んでステップアップできるような感じにしたら良いような気がします。チュートリアルでもちょっと盛りすぎな気がしました。
現状、ゲームをプレイしたら、いきなり底の見えない虚空(ヴォイド)がぽっかり開いているような感じです。
好き者にしたら、喜んで飛び込みたいような感じですが、初心者や中級者からすると、ちょっとハードルが高いように感じました。
個人的に、スライ・ザ・スパイアを遊んで気に入った人向けのゲームで、いきなりこのゲームはおすすめできないですね。デッキ構築型ローグライトカードゲームを遊び尽くしたガチ中のガチ勢のためのゲーム、という感じです。
この手のジャンルが好きなら、もうすでにプレイ中でしょうし、デッキ構築型ローグライトカードゲームで一番出来の良いやつから始めたい、という人は、やはりまずはスライ・ザ・スパイアを遊んでみて、というのは変わらないかもしれません。