「NieR」シリーズや「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズの開発スタッフである、ヨコオタロウ氏・岡部啓一氏・藤坂公彦氏が送る新作RPGのデモ版が、Steamでも配信されたので早速遊んでみました。
このゲームは、王道の剣と魔法のファンタジー世界のすべての要素をカードで表現したRPGです。ドラゴンクエストなどの古き良きRPGのオマージュが随所にあり、古残には懐かしく、新しい人には新鮮に思えるのではないでしょうか。
スクエニのカードゲームというと、古くはワンダースワンにて発売されたワイルドカードを連想しましたが、タイトルが全然違うことからも、まったく繋がりはない感じです。
結論を先に言うと、全てがカードに表現しているのは、演出の面白さと、工数を減らして安価にゲームを作るための手段というのが半々という印象です。
本質的には、ファミコンやスーファミ時代のターン制バトルのJRPGです。個人的に、そういうスタイルのRPGは好きですし、全てがカードで表現されたアートスタイルは、かなり好きです。
反面、カードを使っているところから、スライ・ザ・スパイア的な1手が勝敗の差を決めるデッキ構築型のカードゲームと思って期待すると、拍子抜けします。
RPGツクールで作ったようなRPGのビジュアル要素をカードにして、ニーアやドラッグオンドラグーンを作ったヨコオタロウ氏による、ちょっと毒のあるシナリオが合わさった、小規模作品、というのがデモ版を遊んでみての感想ですね。
あらゆる要素がカード、という説明に偽りなく、モノローグや選択肢までもカードになっています。
TRPG風に、ゲームマスターが存在していて、彼のひとり語り(女性のセリフも、〇〇は「△△」と言った。という風にナレーションが入る)によって進みます。
主人公は3人。デモ版と本編では違うようです。本編の前日譚らしいです。
TRPG風なんだから、自由にキャラクリさせてくれると良いのにな、と思いました。そのあたりは、シナリオとの兼ね合いなんでしょうか。
マップもすべてカードで構成されています。
コマを動かして、マップを移動します。
アンリミテッド・サガ要素もなんとなく感じますね。
ワールドマップもカードです。
コマが自分で、進むたびにカードがめくられていき、世界が広がっていきます。
一歩一歩、その先がわからない感じなのは、カードというモチーフならではです。
この下に街があるんですが、この配置って、ドラクエ3をオマージュしているのではないでしょうか。
ステータス画面も全部カードです。
バトルは、画面切り替えなく、遊技盤がマップの上にドンと置かれてスタート。
カードだけど、めちゃくちゃオーソドックスなターン制バトルです。
毎ターン溜まる石を使って使える技とか、ダイスを振るなどの要素はありますが、カードゲーム的な戦略、シナジー効果、カード手札運要素はないです。
難易度的にも、かなりイージーなんで、製品版は難易度設定欲しいですね。
ちょっとザコ敵戦に作業感あります。
世界樹の迷宮くらい、ザコ敵が殺りに来てほしい。
ゲームデザイン上、表面になったカード(マップのフィールド)は、自由に飛べるので、ヤバくなったら直ぐに街へと戻れてしまいます。なので、もっと難しくても良い気がします。
街の中も、住人もカードになっています。
ヨコオタロウぽっさが出ていて、抜身の包丁持った町人、定型文を繰り返すことを皮肉った人、ガチムチの漁師(アーッ!)など。
美麗イラスト一枚なんで、普通にゲーム作るより安価にできますよね。
デモ版は一時間くらいでサクッと遊べます。
遊戯場のカードゲーム(カードで表現された世界の中でカードゲーム!)が結構面白かったです。
Voice of Cards ドラゴンの島は、PS4 / Nintendo Switch / PCにて、10月28日の配信予定(PCは29日)です。