スライ・ザ・スパイアは、インディーメーカーのMega Crit社が作ったローグライクカードゲームです。Steam/Nintendo Switch/PS4/XBOX ONE各DL販売中です。
発売すぐにとても人気で、話題沸騰していましたし、似たようなゲームのフォロワーが数多く誕生しましたが、原点である本作の完成度がピカイチと言われています。
発売すぐに飛びつかなかったのは、ビジュアルが好みじゃなかったから。フラッシュゲーム風といいますか、紙芝居風のアートスタイルなんです。ドット絵だったらすぐに飛びついていたんですけど。
リリース一年ほど経ってから遊んでみましたけど、このゲームむちゃくちゃ面白いですね!
ゲーム自体は結構単純です。舞台背景の説明はかなり少なく、シナリオというものがほとんどありません。
プレイアブルキャラクターを選択して、とあるモンスターが立ちふさがる塔を攻略するゲームです。
道筋は自分で決めることができます。敵以外にもイベントやショップ、セーフゾーンなどあり、一進一退手に汗握ります。
バトルはターン制のカードゲーム方式です。
マジック・ザ・ギャザリングやハースストーンのような行動ポイントを消費して手札を使うタイプのシステムです。
敵の行動は、ターン前に知ることができます。
このゲームはライフの回復手段が限られていますので、如何にダメージをくらわないようにすればよいか考えて行動しなければいけません。上の写真の場合、デバフ(自分の能力を下げるスキル)なので、ダメージを防ぐ防御の意味がありません。なのでこの場合は攻撃を選ぶ。
この写真の場合は、次のターンに攻撃してくるので、防御を選択する。しかし、防御は5ポイントしか防げない場合は、1ポイントダメージ食らうので、もう一枚防御するか、それとも1ポイントダメージ食らって攻撃しておくか……そういうやり取りをします。
この場合は単純ですけど、バフやデバフによって数値はかなり変動しますし、3×3の攻撃とか簡単な掛け算もあります。おもしろいことに、このゲームは結構児童にも人気みたいなんですよ。
「Aくんは100円を持っていますチョコレートは五十円です。残りは?」みたいな勉強は嫌いなのに、ゲームはそんな問題よりずっと高度なものでも喜んで遊ぶ。そこに勉強嫌いを克服させるヒントがあると思うのです。
大人だったら誰しも、学生の時もっと勉強しておけば、なんて思うのが常です。そういう経験を持っているからこそ、同じ轍を踏まないように、親は子供に勉強させたいのでしょう。でも、その気持ちは残念ながら子供に伝わりません。親は、勉強をやらなかった当時の気持ちを忘れているせいで、親と子供の間に大きな轍が生まれるのだと思います。
子供の時の勉強って、いつまで経っても報いがやってこなくて、悪い成績をとれば貶されるし、面白みが感じられず、そのせいで嫌いになってしまう負のスパイラルを抱えているように思います。
このゲームは、ローグライクゲームなので、ゲームオーバーしてしまえば最初からやり直しですから緊張感あります。成績によって新しいカードが解禁されるので、その効果を試したくて何度もプレイしてしまいます。学習にもそういう面白みを取り入れれば、きっと勉強が楽しくなると思う。
記憶というのは2種類あって、データとしての記憶と感情としての記憶があるそうで、世界には2種類の完全記憶の能力者がいるそうです。
ひとつはデータ記憶だけを残して、感情記憶を忘れられる人種。この人種は普通に生活できるんですけど、2種類の記憶を持つ人間はまともに生活できないそうです。良い記憶だけだったら良いけど、嫌な気持ちをずっと忘れることができず、ずっと後悔や怒りに苛まれるらしいです。子供の時に感じた、忘れちゃいけない感情も人間というのは忘れてしまう生き物なんですね……。
どうせ勉強してくれないなら、こういうゲームを遊んでもらった方がいいんじゃないでしょうか。子供たちがどうしてゲームに熱中してしまうのか理解できない大人たちも、こういうゲームを遊んで勉強してみてはいかがでしょうか?