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ソフビ雑記15:どんぶり勘定したソフビ制作費の答え合わせ(一例)

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ソフビそのものについて、僕の浅い知識と独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。

ソフビ雑記13回にて、ソフビ作家としてデビューするにはどれくらい予算が必要なのか? という妄想を展開、いままでの噂なんかを頼りにどんぶり勘定してみました。

smoglog.hatenablog.com その結果、ミドルサイズのソフビの制作に必要な予算は根拠もなく50万円~くらいかなぁと考えたんです。

先日更新されたメディコムトイが運営するソフビ情報サイト「sofvi.tokyo」さんにて、気になる記事があります。

参照‐お待たせしました「WF2020冬」恒例のsofvi.tokyo的レポート「PART2」! ここからは怒涛の一般ブース編に突入! ぜひレポートでお好みソフビを見つけてね! | sofvi.tokyo

こちらの記事にて、KMNDSGさんブースの写真が掲載されています。

ここにバッチリ、ソフビ制作にかかる費用の一例が掲載された図解が展示されているんですね。

ブース名は、KMNDSGさんですが、合同出展なのか、こちらの図解は有限会社 尾科製作所さんのもののようです。

公式サイト‐塗装治具・電鋳マスク|尾科製作所

Twitter‐(有)尾科製作所 (@oshinafumihiko) | Twitter

もともとは塗装マスクを専門にされていた会社ですが、2018年5月よりソフビの金型も手がけられるようになったそうです。

sofvi.tokyoさんの写真は掲載できませんが、内容を一部抜き出して答えあわせをしていきましょう。

件の図解の内容は、あくまで一社の一例であり、大きさや形状によって費用は変化すると考えられます。また、例に出されたのは、1パーツ構成の指人形となります。

1.原型製作:1点60,000円~

これは、原型と蝋型置換えまでを含む制作費です。想像していたより安い! と思いました(後に誤解と理解した)。原型持ち込みの場合、原型型取りのためのシリコン型制作が一点20,000円~、蝋型置換えが一点15,000円~、湯口・カンチャク制作sが一点15,000円~という見積もり。

4パーツ構成のミドルサイズを原型持ち込みで制作する場合は、それぞれの工程が4回で、20万円となります。最初は、そんなもんか……と思ったんですけど、パーツを増やすと厳しいですねぇ……

 

2.電鋳型制作:1点5,000円~

蝋型のまわりに金属を何層も纏わせて強度を出し、最後は中の蝋を熱して溶かして型にします。これは案外リーズナブルですね。尾科製作所さんはもともと電鋳塗装マスクを専門にされていた会社なので、蓄積されたノウハウがあるのかもしれません。

4パーツ構成のミドルサイズの場合、単純に4倍で2万円。

 

3.フライパン制作:1点70,000円~

電鋳型を溶接して、型の保護とソフビ制作しやすいようにフライパンの形にします。基本的な大きさは235ミリ×190ミリらしいです。おおー、素晴らしい情報! つまり、この大きさに収められれば、パーツを多くしても金型が増えないということ。

ここのコストがかなり大きいですね。

ここでは、4パーツ構成のミドルサイズをフライパンひとつにまとめられたと仮定します(ミドルサイズは厳しいかもしれない)。

ちなみに、僕の予想ではここまで三十万円から四十万円が必要と思っていました。この一例でいくと、29万円。おお、なかかないい線いってますね!

 

4.成形:一回500円~、材料費:10000円~(50個ぶん)、バリ取り:1点100円~

バリ取りは自分でやり、指人形五十個にすると、成形は2万五千円となります。

4パーツ構成の場合は成形はどうなるんでしょう。抜く手間が4回になるけど、焼くのは一回だし、ちょっとは安くしてもらえるのかな?

材料費は、1パーツよりも必要になります。単純計算、五十個つくるのに4倍必要です。ここは5万円としておきましょう。

僕の計算では、5万円~10万円でした。ここでもなかなかの金銭感覚でした! 自画自賛。

ソフビの材料ってもともと石油なので、値段はころころ変わるだろうし、石油はいつかは枯渇するものですから、今後どんどん値上がりするでしょう……、いつまでソフビが気軽に楽しめるんだろう。

 

5.彩色マスク制作:1点2万円~

これも未知の値段だったので、どのくらいの値段が必要なのか知れてうれしいです。ちなみにRESTOREさんのネオジャパンは塗装マスクを20枚以上使用しているそうです……マスクだけで40万円以上……。

smoglog.hatenablog.com僕の見積もりでは予想つかなくて、数万円としていました。

自分が作るなら、減価償却できるまでマスクは使用しないかなぁ。

 

6.彩色:1工程200円~

エアブラシで一色吹くと二百円。これは塵積ってやつですね。ソフビ塗料は隠蔽力が低くて、下地が透ける場合があります。色の濃い成型色の場合で、目玉を白くしたい場合は、下地に銀を吹いて、白を吹いて、黒目を塗るなど工程を増やす必要があります。色は同じでもエアブラシと筆で別工程になります。

また、マジョーラカラーなど特殊で高価な塗料、塗るのが難しい特殊な形状などで見積もり価格は上昇すると思われます。

自分で作る場合は、自分で塗るとします。

 

合算・まとめ

図説の合計金額は235,000円となりました。成形物の完成品のみ、袋やヘッダーなどはなしです。不良なしの売り物にできるものが50点できました。これを幾らで販売しましょうか。

単純に235,000円を50で割ると……驚くなかれ! 一個4700円!!!

塗装とバリ取りの値段を自分でやるとすると、170,000円……それでも一個3400円です。

指人形の値段として、このまま売るのは無理ですね。

無名の新人の作品として、現実的な落とし所は1000円~というところでしょうか。50個完売したとして、売上が五万円。制作費残り12万円。次から材料費(値段が据え置きという前提で)が一万円かかるので、減価償却して利益が出るのは、なんと第6期より! 数にして250個を完売してからです。……なんて厳しい世界なんだ。作家さんに頭が上がらないです。

 

ちなみに4パーツミドルサイズの製品をバリ取り塗装なしで制作した場合は、約35万円でした。金型が2個になると44万円くらい。パッケージングなど雑費をあわせれば、自分のどんぶり勘定はいい線いってたのではないでしょうか。

 

現実は厳しいですが、自分の思い描いていたものをこの世に生み出すことは、魅力的です。儲けにならなくていいから、せめてトントンになればいいから、お金貯めていつかは自分のオリジナルソフビ作ってみたいですね。今後、ソフビ制作費がどうなっていくのか、たぶん値上がりしていくと思うので、決断は早いほうがよいと思うんですけど……先立つモノが……ね。

 

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