ソフビそのものについて、僕の浅い知識と独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。
ソフビの良さは、参入障壁の低さで、コレクターが作家としてデビューすることが、かなり容易です。ぶっちゃけお金さえ払えばいい。賞を取らなきゃデビューできないとか、特殊な技能を身に着けなければできないということもない(全部自分でやりたいとなると別ですが)。
そこで、以前、その制作費にいくらくらいかかるのか、なんとなくで計算したのがこちら。
そして、その答えの一例としての記事がこちら。
そして、今回の記事の元ネタになってくれた動画が、スタジオ24さんのYou Tubeチャンネルです。
動画のネタバレになっちゃうので、金額をブログでは言いませんけど、ぜひ見てもらって、この金額、どう思いました?
僕は正直……え、すげー安い!! って思いました。
いや、もちろん簡単に出せる値段ではないんですけど、何年かお金を貯めれば、難しい値段ではないです。これが、プラモだったりアクションフィギュアだったら、数千万円から億必要になってくるはず。
おいおい、てめー前の記事で五十万くらいだろ、って当たった、とかドヤってただろ、ってツッコミくるかもしれませんけど、スタジオ24さんの見積もりって、かなり条件が至れりつくせりなんですよ。
まず、原型料が含まれます。ソフビ製造のノウハウをしっかり収めた作家さんが、あなたの考えた絵などから、「ここをこうしないと立たないですね」とか「この形は抜けないですね」とか、ちゃんと修正してくれるのです。
次に金型の量です。自分の試算では、金型一個で収めるつもりでしたが、金型が2から3個使うつもりの見積もりのようです。
彩色。しっかりと金属製の塗装マスクを作っての塗装となります。
数も1ロット@100個で生産なので、そのぶん見積もりが高くなります。
この金額を支払ったら、製品が届き、あとはパッケージングと配送だけ、という手間なし感もすごい。
やっぱり安いよね?
……って思うんですけど、僕が引っかかったのは、100個という数です。
この数は、おそらく仮に出された数だと思うんですけど、この数はちょっと多いなーって思いました。
おそらく、スタジオ24さんほどの製造体制では、一気に100個作るのは普通だし、販売できてしまう数なので、この数自体に他意はないと思っています。
しかし、新人作家で、価格が一万円を超えるような作品を100個売るのは想像以上にキツイんじゃないでしょうか。コミケとかで、3000冊刷ったのに、身内を抜くと5冊しか売れなかった……みたいな、背筋が凍るような体験(僕はコミケ自体参加したことないんですけど)を連想してしまって。オリジナル作品なんで、完全に自分の実力が問われるわけです。もちろん、原型・製造:スタジオ24ってクレジットされると思うので、イヤらしい話ですが、そこは強みです。
たぶん、数も相談してね、って感じになると思うんですけど、マスクまで作って、工場に20個だけ作って、というのは、結構難しいと自分は思うんです。
よく、インディーズソフビは、わざと個数を絞って、プレミア性を演出しているっていう批判があります。そういうパターンもあるとおもうんですが、ほとんどの場合、需要と製造と価格のバランスから、その数が妥当なんだと僕は思っています。
どういうことかと言うと、たとえば、工場発注して大量に作ると、欲しい人に行き渡ってしまって、次に欲しいという人がでない。20個の数では、工場が引き受けてくれない。それで作家さん本人が塗る訳なんですが、一度にそんなに塗れない。こういう理由もあり、ソフビは何期も重ねて少数ロットで展開する事情もあると思います。
スタジオ24さんの見積もりの感想をまとめますと、すごく安いと思ったけど、かなり勇気が必要だなって思いました。
たとえば、本職がイラストレーターで、すでにたくさんファンがいて、自分のオリジナルキャラをソフビ化したい、とかそういう感じだったら、ソフビ制作時間に本職の時間も取られないし、うまくいきそう。
でも、気軽に相談してください、とおっしゃっていたので、さらに参入障壁が下がったことは、素敵なことだと思いました。すごく意義のある、面白い動画でした。なにより、仕事が好きで好きでたまらない、って感じが良いですよね。
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