ソフビメーカーやフィギュアメーカーで原型師として辣腕を振るう稲坂浩臣造形工房(STUDIO24 )さんから、オリジナルソフビシリーズ「COMPLEX LAND」が始動!
第一弾は、脅威の22パーツ構成からなる双頭のクリーチャー、And1です。
第一期の紫成型の組み立て済み無彩色に続き、今回は少しでも手に取りやすい価格帯にすべく、 無彩色組み立てソフビキットで販売されました。
紫無彩色の時も受注販売でしたが、今回も同じく受注販売。本当に欲しい人が必ず買える。インディーズソフビシーンでは、そんな当たり前が結構大変みたいなんです。実に男気溢れています。それだけ作品に自信がある、ということでしょうね。
ここまでパーツ数の多いソフビを組み立てたのは初めてで、なかなか骨が折れましたし、加工ミスも少なくありません(じっくり見るとね)。組み立て済みとキットで価格差が結構ありますが、それだけの作業手間はありますね。正直、僕はその賃金ではやりたくない(笑)。
全高19センチ。
組み立て編
こちらを参考に製作しました。
加工時間は初見で3時間程度でした。
全22パーツ。
バリ取りと接着加工が必要となります。
参考記事にはドライヤーボックスという、ドライヤーを刺してソフビを一気に暖める箱があれば良いとありますが、個人的には慣れた人や効率よく複数個作る人以外は不要かと思いました。理由は、温めすぎるとカッターの刃がざっくり入りすぎて、切ってはいけないところまで切ってしまう可能性があるから。
少々時間がかかっても、一つ一つじっくり温め冷まして慎重に作業を進めた方が良いと思いました。
ソフビキットを作って良かった点は、このソフビ、見えないところも工夫が施されていることがわかったことです。ソフビって基本見えないところは空洞なものと思っていたんですが、頭部などカンチャク以外の部分にも余剰の部分があります。
おそらく内側から表面を支えてボリュームを出したり、変形を防いだりする効果があるのかと思いました。これのせいで可動は制限されるので、造形そのもののコダワリとオモチャとしての楽しみはトレードオフされている感は否めないのですが、このソフビの性格はここで伺い知れます。
舌の部分を入れる穴は普通のカッターでは刃が入りにくいのですが、
裏側から切ると簡単です。
この口と鶏冠の鎧? 部分は特に難しいので慎重に。
素人にはここまでパーツ分けする理由がわからないのですが、塗装工程などとの兼ね合いがあるのでしょうか?
ソフビで双頭キャラって一大勢力のある人気のモチーフですが、僕は初ゲットです。
組み上がってくると、素晴らしいボリューム感に感動。
こんな感じで完成!
では詳しく見ていきましょう!!
完成編
ちょっと陰影を際立たせるために、今回は暗めの画像になっています。
キャラクターについてですが、稲坂浩臣造形工房(STUDIO24 )さんがオリジナルで展開する漫画「COMPLEX」に登場するクリーチャー「RETTO」の一体です。「RETTO=レットー=劣等(感)」かな?
RETTOとは、コンプレックスに支配された人間の突然変異体。しかし、このアンド1はそのコンプレックスが不明で、その謎が物語の鍵を握る……という設定。
装甲の張り付いている第一の頭部。
バトーさんチックな目。
腕が3本生えています。
全部で5本と頭の数からすると一本余りますね。この意味は……?
第二の頭。
狡猾そうな感じです。
成長過程らしいです。こちらが本体?
顎の部分の造形がファラオのマスクのようにも見えます。
実は背中に第3の頭部。
余った一本の手はコイツのものか?
ガイコツなので既に死んでいる?
大迫力の右腕の造形。
左腕は控えめな感じ。第二の頭部の腕なのかな?
猫背なので、縦にも横にも奥行きにもボリュームがあります。
可動箇所は腕と脚のみ。
基本、他は変化が付くほど動きません。ガシガシ動かしてフォルムが崩れることも、ある意味愛おしい、昔ながらのソフビという感じではなく、フィギュアという側面が強い感じです。
レアリティではなく、純粋な作品の価値で勝負する心意気を感じました。
既に塗装版も販売されましたが、さぞかし値段が……と覚悟しましたが、ビジネスとして支障をきたす無茶な価格設定だとしたら問題ですが、びっくりするくらいお求めやすい価格でした。今後の展開にも期待大!
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