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オリジナルソフビ誕生への道・6[全800回]

やるやる詐欺も5年目に突入です。

沢山ソフトウェアさんのグッバイトゥユーの新エピソードが出るのが先か!?

参照-沢山ソフトウェア

 

去年は、一応原型完成までもって行きましたが、当初のコンセプトがコンセプト倒れだったことが発覚し、没にしました。やるからには、出来たものが自分が満足できるものにしたいのです。投資額も大きいし、爆死するのも本望や! と言えるものを造りたい。

今回は、没にした原型のコンセプトと、どんなものを作ったのかを紹介します。

供養というやつです。

 

最初に思ったのは、最近のソフビが結構高くなってしまったな、ということです。

これは作家さんの値付けを非難したいわけではなく、原料や製造の原価が高くなってしまいました。それでも瀬戸際で、ソフビとして、玩具として購入しやすい価格で提供してくださる作家さんに感謝しかないのです。

そんな素晴らしい作家さんがいるのに、ド素人の自分が、それと同じプライスで提供してよいのだろうか? それで売れるのだろうか? と思いました。

しかし、自分はケチなので、出血サービスやタダ働きはしたくありません。

なんとか工夫して安くソフビを作れないだろうか? と思いました。

 

ソフビの値段がおおきく占める部分は、金型の数と言われています。

smoglog.hatenablog.com

それで、金型の数を少なくするにはどうすれば良いだろうか? と思いました。

簡単な方法はパーツ数を少なくすることですが、できるなら、スタンダードサイズ程度のソフビにしたいと思いました。金型1枚で、大きなソフビが作れたら、画期的ではないでしょうか!

この問題を解くヒントはヴィンテージのソフビで、右手左手両方が右手だったとか、そういうエピソードを聞いたことです。当時の組み立て工程のとき、誤って左手パーツに右手パーツを取り付けてしまったんですね。

でも外見では、その左手が右手とは素人目にはわからず、解体してカンチャクの部分の刻印を見てようやく分かるくらいなんです。

つまり、うまくシンメトリーなソフビをデザインすれば、パーツ数は半分にできます。

金型二枚必要だったのを一枚にできるというわけです。

それいいアイデアやん! って思った人、まだ早まらないでくださいね。

こうして、僕は二回抜いて一個のソフビを作る作戦で、ソフビを考えました。

 

さて、このコンセプトを叶えるのに都合の良いモチーフを考えます。

なるべくパーツ数を少なくしたかった(パーツ数増加も複製で工賃がそのぶんかかります)。2パーツ×2の4パーツで作りたいと思いました。

そうなってくると、頭部+胴体+足で1パーツ(Aパーツ)、手で1パーツ(Bパーツ)という構成になるかな?

頭はあしゅら男爵みたく、中央で分割されている形が都合よさそう……という感じで、怪獣のプロポーションを考えました。

このプロポーションに都合がよく、怪獣として人気のあるキャラをモチーフにしました。

 

 

公害怪獣たちのキメラにしました。

Aパーツは、中央部分で繋がるため、表面と裏面に目があり、この目の部分はドールアイにして、後ろの部分に穴を開けて、Bパーツをつければ裏の目が隠れるので、シンメトリーが崩せます。

メガテンのアルシエルのように、口が地面(亜空間)から飛び出しているようなイメージで、足部分のアーチを考えました。

 


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カンチャクが真っ直ぐの場合、ヌキで足が曲がった場合、立ちが悪くなりそうなので、斜めにして、開脚できるようにしようとしました。

 

造形は、石膏粘土を使いました。芯材はアルミホイルです。

100円均一などの手芸コーナーで買ったビーズを埋め込みました。

 

左面の目の部分。

 

ドロドロは自分の造形力ではリアルにできそうになかったので、チューブのパテを実際垂らして造形しました。

 

右面の歯の部分。

 

アーチ部分が口とわかりにくいと感じ、追加で下顎を造形。

サフを拭き、磨きます。気になる部分にパテを盛って修正。

これが正しいやり方なのかは知りません。

 

サフを乾燥してる時、手持ちぶたさになるので、練習で指人形を作ってました。

 

指人形はこんな感じ。

バンザイ以外のポーズにしたいと思いました。

 

そして、公害怪獣キメラの完成予想図がこんな感じです。

ドールアイは画鋲です。

腕は、有名な公害怪獣からサンプリング。

 

さて、このコンセプトがなぜ、コンセプト倒れなのか、最後に説明します。

ソフビを抜く時、金型ごとに成形工賃が必要ということを、作家さんから聞いたんですね。

例として、金型一枚につき成形1回が1000円とします(あくまでこの価格は例です。抜くのが難しい形の場合などで値段が変動するそうです)。

金型の中に何パーツあろうが1000円です。1パーツの指人形だろうが、4パーツのミドルサイズだろうが……。

つまり、2回抜いて一個のソフビにするという自分のアイディアは、成形料が2倍必要なんですね。素直に金型一枚4パーツで作れば、一個1000円でできるのに、一個2000円かかるということです。これが1期30個つくるとなると……倍、次二期も倍……。

そんなわけで、この公害怪獣キメラは没としました。

 

このコンセプトアイディア自体は、まだ可能性があると感じています。

今回は2パーツという小さなソフビで作ろうとしたため、最初から金型一枚に納められるのに、わざわざそれを2回抜くから損なんです。

つまり、金型2枚3枚で作らなければならない大型ソフビを、1枚に2枚に納めることができれば、金型分は安くできます。

 

最初は、小さいパーツ数のソフビを作りたいので、いつの日かこのコンセプトを使って、大型ソフビを構想したいです。

 

俺たちの戦いはこれからだ……! 

……たぶん。

 

 

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