当ブログが満を持して投入する、新企画を発表します。
題して「オリジナルソフビ誕生への道」。
企画から制作、販売まで、超ボリューム嘘800回を予定しております。
コレクターとしてまだまだ若輩ながら、いつか自分のオリジナルのソフビを作り、販売したいと考えておりました。
とにかく、アイディアだけは描き溜めていました。
(うーん? 見返すと何を描いたのかよくわからん……)
まず、モチーフを選択しなくてはなりません。
正直、僕はソフビコレクターとしては半端者です。幼少期に特に特撮や怪獣が好きではありませんでしたから。ですから、そういうところからモチーフを見出しても、薄っぺらくなってしまいます。
自分ならでは、と言えるモチーフ選び。資金以外の問題はそこにあります。
他の作家さんと同じような、しかも、はるかにレベルの低いものを作るのは意味がない。自分しか作れないだろう、といえるものでなくては、例え結果まったく売れなくても、やる意味はないと思うのです。
以前、別のコレクターさんに言われたんですけど、僕は普通のコレクターとは異なる基準でソフビを集めている、と指摘されたことがあります。僕には、気に入ったキャラクターを中心に集めるという感じはなく、とにかく沢山の異なる種類を集めたいという欲求があるのです。ソフビというカテゴリーの、なにか根源的な表現や構造を理解したいという気持ちがあるのです。
自分はプロダクトデザインが好きでした。プロダクトデザインを学びたいと思い、それがどうなってしまったのかインテリアデザインが学びたいと転じ、その手の専門学校へ通い、数年は建築土木の現場監督として働いたことがあります。
そうだ! これこそが、自分ならではのモチーフではないか!
そんなわけで、自分は、自分が愛してやまない倉俣史朗(くらまた しろう、1934年 - 1991年)をモチーフ(正確にはその仕事を)とすることにしました。
倉俣史朗は空間デザイン、家具デザインの分野で60年代初めから90年代にかけて活躍した、世界的にみても傑出したデザイナーでした。
倉俣史朗のインテリア・デザインの目指したもののひとつに、反重力があります。倉俣史朗は、日常の空間に、重力から解放されたかのような浮游感覚を持ち込み、夢心地の世界を現出させようとしました。
pin.itアクリル樹脂の中に、造花のバラを浮かべた、白昼夢のような美しい椅子、ミス・ブランチ。
pin.it金属メッシュを使い、伝統的なソファの輪郭のみを抽出した椅子、ハウ・ハイ・ザ・ムーン。
pin.itたった6枚の板ガラスで構成され、透明である故に普通は敬遠されるガラスの小口に現れる色を素材特有の持ち味として表現した椅子、ガラスの椅子。
ソフビにおいて、設置感というのは非常に大事な問題です。あえて自立を放棄した作品もありますが、誰だってコレクション棚で倒れやすいソフビを飾りたいとは思わないはずです。
まるで宙に浮かんでいるかのようなソフビが作ってみたい! これが僕が選んだモチーフです。
オリジナルソフビ誕生への道、次回はデザイン編、原型編と続きます。
ええ、準備はオーケーなんですよ。本当になったら良いのに。