九日ナインソールは、道教をベースにしたSFファンタジーに、古代中国神話を融合させた2Dプラットフォーム型アクションアドベンチャーゲームです。洋のサイバーパンクに古代中国神話及び道教の要素を融合させ、東洋文化色溢れる独自の『タオパンク』の世界を作りあげています。
ゲームジャンルは、探索型の2Dアクションゲームで、開発者自身が告白していますが、SEKIROをお手本として、緊張感とスピード感ある攻防が楽しめます。
自分はSEKIROを未プレイですが、難易度は本家よりも優しいとのこと。いや……ゲキムズです。難易度設定により、いつでもストーリーモードに変えることができ、ストーリーに定評のある開発社なので、物語だけを楽しみたい人への救済もあります。
しかし、あえてノーマルモードをオススメしたいです(ストーリーモード試していませんが)。
激闘の末に強敵に打ち勝った時の脳汁ドバドバ状態は、格別で病みつきになってしまいます。一体の敵を倒すのに一時間、初見では絶対倒すの無理となります。何度も何度もゲームオーバーして、敵の攻撃パターンを読んで、いつしか無心になって集中して、敵の攻撃をパリィして掻い潜って、必殺技をねじ込む。いったい今のコントローラー操作は、自分が本当にやったことなのか? 美しい刹那の攻防に身が打ち震えます。
自分は、あまりパリィアクションゲームが得意ではなく、ゼルダの伝説ティアキンの盾ジャストガードの試練は中級突破も無理でしたが、九日ナインソールは結構タイミングにゆとりがありますし、攻撃の瞬間に光る予兆があるのでわかりやすく、なんとか付いていけています。
現在7時間程度のプレイ時間で、おそらく九人いる復讐対象の一人目しか倒せていないので、ボリュームは期待できそうです。どんどん厳しい難易度になっていっているので、どこまで付いていけるのか不安ですが……(笑)。
古代中国神話をモチーフにしているというストーリーは、ストーリーテリングもかなり独特で難解ですが、とても謎めいていて面白いです。
以下のあらすじは、自分独自の解釈が含まれます。
序盤ストーリーのネタバレあり。
主人公の羿は、新崑崙という宇宙文明の支配階級側に属していたようですが、9人の仲間達に裏切られて殺害されてしまいます。
古木樹という、この超文明を支える根幹テクノロジーによって、一命を取り留める主人公。おそらく数百年単位の時間が流れたっぽい?
この世界において、地球人らしき猿人は、羿ら太陽人にとって故郷より攫われ、家畜同然となっていているようです。羿は猿人たちのコミューンに身を寄せていました。
猿人の村では、猿人の生体を工場へ提供する役目(提供者は死ぬ)があり、これを無知な猿人達は、神への生贄として捉えていました。
羿が身を寄せていた猿人の少年が、今回生贄になることになりました。
ヒーローは遅れてやってくる!
(二人くらい見捨てたけど……)。
このように、アニメシーンと漫画風のカットシーンが挿入され、イベントを盛り上げてくれます。
アートワークのクオリティは、超一流とは言えませんが、同人ゲーム感があって、これはこれでいい味しています。
そういった経緯で、自分を裏切った太陽人の九人……九日達への復讐の旅が、今、始まるのです。
ストーリーテリングで面白いのは、羿は全部の記憶を保っていて、自分の過去、世界の謎、果たすべき目的をちゃんと知っていますが、プレイヤーは何も知りません。
なので、物語は全部わかっている体の碇ゲンドウが冬月コウゾウと二人、ちんぷんかんぷんな技術と過去をペラペラ話しているような感じとなります。
プレイヤーは、その会話やフラッシュバックする過去、ステージ上でインタラクトできる物体の説明書きから、お話の全体像を予想していく流れです。
個人的な感覚で、エルデンリングで例えると、死王子ゴッドウィン本人が、陰謀の夜の死から復活して、全部のデミゴッドに挨拶回りする話って感じ(僕は陰謀の夜は、複数の首謀者がいた説を唱えています)。
バトルは、通常攻撃(3回コンボする)の他に、強力な呪符攻撃があります。
敵の攻撃にも2種類あり、パリィ可能な通常攻撃、躱すことしかできない強攻撃があります。
主人公のパリィは、通常攻撃を弾くことで、気がたまり、強力な呪符攻撃が可能です。
パリィアクションは、連続で繰り出すことができ、シュバジュバとカンフーのトラッピングのように腕を振り回すモーションがいちいちカッコいいです。連続攻撃してくる敵に、シュバシュバとパリィして、相手の脇をかいくぐり、呪符攻撃が決まった瞬間、めちゃくちゃ気持ちいい。
敵を倒すと、経験値と金を落とします。
経験値を貯めると、レベルが上がり、スキル強化できます。
スキルは、イベントで入手する場合もあります。
レベルを上げてもHP他ステータスは上昇しません(たぶん)。
お金のほうで、上げれる能力値(回復薬の回数など)もあるため、難しかったら、お金を集めて強化する感じでしょうか。
ソウルライクなので、経験値とお金は、ゲームオーバーした地点に残り、回収出来ずに再びゲームオーバーになると、失う仕様となっています。
この独特なタオパンク世界の舞台に心惹かれる方、シビアな戦いを楽しみたい方にオススメなタイトルかと思います。
エルデンリングのDLCにて、SEKIROライクな体感ゲージ要素が加わるという噂なので、その肩慣らしにも良いかもしれません。
今月のリリースまでに、クリアできるかはかなり不安ですが……(笑)。