シリーズ集大成のシナリオにしては未消化すぎる。
DLC後、すぐにゼルダが発売したので、途中放置していたゼノブレイド3のDLCを再開しました。放置状態からするっと復帰して、エンディングまで行けたので、ゲームプレイそのものは面白く、とても完成度が高いと感じました。
本編では、ゼノブレイドシリーズらしからぬUIの完成度の高さを感じましたが、ゼノブレイドUIチームのお家芸なのか、DLCでは劣化していて、ちょっと笑ってしまいました。本編と同じく、アクセサリー付け替えの煩雑さ、スキル解放済みか未開放か分かりにくさはそのまま、マップの階層が分かれた時の使いにくさは、思わずコントローラを投げてしまいたくなります。
それでもDLC単体でコンパクトにまとまったボリーム、キズナビリティというシステムによって連動するバトル・収集・探索はよくまとまっていますし、サブイベントがよくできています。キャラクター達もビジュアルだけは最高です。
以下、ゼノブレイドシリーズ全体を含む、ゴリゴリのネタバレになります。
それにしてもシナリオっ、お前だけは許せねぇッ!!!
まあ、好みの問題なのかしれませんが、自分で話を補完しようにも、まったくもって話の筋が通ってないと個人的には感じました。
詳しくは、本編のクリア感想に書きましたが、主人公の行いが正しいとは思えず、シナリオライターが「主人公の悲しい別れ」 を描きたいありきで、雑な結末のたたみかたに感じました。
納得言ってない点を要約するとこんな感じ。
前提1:クラウス博士の実験により、ゼノブレイド1の世界とゼノブレイド2の世界に別れたが、自然の力により元の一つの世界に戻ろうとしている。
前提2:この復元により、対消滅現象がおこり、世界が終わろうとしている。
前提3:世界を終わらせたくない人々の意思が、メビウスという存在をつくり、人間が死んだら再び蘇るループを作って、世界を永遠に存続させようと画策している。
前提4:その死と蘇りの停滞したループから抜け出し、メビウスの支配から開放されたいと考える人々(主人公や、女王達、シティーの人間)がいる。
結果:メビウスを倒す。ループから抜け出すことができる。
前提条件から導き出すあるべき結果:対消滅現象によって世界が滅びる。なぜなら、2つの世界が元に戻るのは、自然の流れだから。
本作の結果:なぜか、世界が2つに分かれる。謎パワー。なんでそうなったのか、わからない。これができるなら、メビウス(すくなくともZ)と戦わずに説得できたのでは(笑)。
本作の結果2:シティーの人間が全消滅する。主人公は完全見殺し。シティーの人間もなぜか、すんなり納得して消滅を受け入れる。本編で描かれるが、生後まもない赤子もいる。主人公勢、出産に立ち会って、感動してたのに、赤ちゃん見殺し。サイコパスかよ。別れた世界で、シティーの人間も復活するのかもしれないが、別世界カップルもいるし、それはご都合主義すぎる。ってか説明しろよ。誰か教えてください。
現状の僕の理解をドラゴンボールに例えると、悟空が悟飯に「世界(せけえ)を守るために、オラ過去改変してチチと結婚しないことにしたから」と言います。悟飯は「お父さんが決めたなら、ボク納得するよ」 と言います。いや、ドラゴンボール使えや(解決方法なんかあるだろ)!! 悟空とチチが悲しそうな別れをします。こうして世界は救われた……。
本作の大きな違和感、モヤモヤはここにあります。
他にもNとMという存在がいながら、ノアとミオというキャラクターが誕生した背景など、DLCで解き明かしてほしいことが多かった。
疑問の一部は解消されました。ノポンのリクと女王メリアの関係性、シティーの始祖の二人が80歳まで生きれた理由(しかし、命を分け与えるなんて能力がなんで備わってるのか、ご都合主義すぎん……? シュルクとレックスが吸収されなきゃならん理由も弱い)。
メンヘラ行動する(しかも操られている)状態のナエルを急に操作させられるパートがあり、「今、どういう動機で戦ってるのか、本当に意味がわからない……。俺はいったい何をやらされているんだ……」 と本気で萎える。ナエルだけに。つ、つまんねー。
爺さん殺したNとあっさり共闘して、それも悪くないと言うマシューの心理状況が理解できん。妻とずっと一緒にいるために、自分の子を殺したNだぜ??? 全体的に倫理観崩壊してる。脚本書いたやつヤバくない? 自分のお気に入り・自己投影したキャラ以外のことも、ちゃんと責任持って愛してやれよ……。
終の剣をナックルで叩くと、全員合体するのもよくわからん。ノリだけで脚本書くな、少しは説明してよ!!
なんで、マシューのナックルのなかに、コアクリスタルあるの???? 色からしてヒカリの子孫がシティーの人間だったってことか??? ちゃんと考えて設定したんだよな?
悲壮感があまりないのは救いですが、スター・ウォーズと一緒で、前作の主人公達がハッピーエンドの後で不幸になっているってのは、心苦しい。全然ファンサービスになってない。
ゴリラレックス、マジ強い。紙装甲だけど……。
マシューとシュルクの開幕発動可能なユニオンコンボが一番使えた。ブレイク、ダウン、ライジング、バーストの流れが気持ちいい。
ヴィジュアルだけは最高なエイが、人間たちに委ねた選択よりも、アルファ=アルヴィースが選択した、古い世界を捨てて、次の世界へ向かうというもののほうが人道的に正しいと自分は感じました。
いや、むしろ本編の主人公の名前はノアなのだから、名前のとおり方舟作って、悪しき古い人間を一掃し、新たな世界を創造するのが、本来の道筋なのでは、とすら思いました。
マシューが後の世代に託した、世界を元の2つに戻すというものは、結果的に自分の子孫(シティーの人間)が全員消えるってことなんだぜ??? 子殺しのNとやってること一緒じゃん。しかもエンディングで、なぜか2つに別れた世界が一つになってるし。マジで意味不明。何が言いたいん??? 皆さんの想像におまかせするにしても、下手すぎだろ……。
こういうシナリオ路線だったら、ちょっと次回作は様子見かな(ゼノブレイドXのリマスターがあれば、未プレイなのでそれは期待)。
サントラの冊子で、次回作があれば、かなり変えてくるというコメントがあるらしいので、期待しておりますが……。
勝手な推測ですけど、モノリスソフトは任天堂の子会社なので、いち早く次世代スイッチの開発機が配備されると思うんですよ。ゼノブレイド3って、発売日の予定が早まりましたよね。それで、このシナリオの完成度。
もしかすると、次世代スイッチ用タイトルの開発が始まって、3の開発途中で気持ちが切れてしまったかのように感じられました。
そもそも昨今のJRPGで、シナリオがバッチリ好みだ、って作品に出会う機会があまりなく、何十億円もかけたタイトルに、こんなシナリオ? ともったいなく感じます。しっかりと実力のあるライターを雇って欲しいです。
あまりにもイライラするので、カギロイのベストショット載せておきます。
おっと間違えた。
ゼノブレイドシリーズの感想