ファーストインプレッションで、非常に好印象だったゼノブレイド2をクリアしました。
今回は本編含むゴリゴリの極みのネタバレ感想になります。
それは困る! って方は下の記事を読んでください。
良かった点
ストーリー……ちょっぴり大人なストーリー
「自分古い人間なんで……最近の”なろう”小説なんかわかりません」って作ってる本人は言ってたけど、かなりそれっぽいハーレムモノだった本編。
それよりは黄金の国イーラは、ちょっぴり大人なストーリーでした。
本編をプレイ済みの方ならご存知のとおり、この話は一人のブレイドが、パートナーであるドライバーを食い殺し、彼女の記憶と共に世界を憎悪する男へと変貌を遂げる暗い過去を描いたものです。
しかも、その道中は戦いの最中ですから、さぞかしギスギスしたものなのかな? と思ってましたが、結構みんな逞しくて、明日の平和に向かって頑張るぞぃ! 的な雰囲気が良かったです。でも悲劇的ラストに向かってグッと来るものがありました。
ユーゴの突然の死は、不謹慎極まりないですが、すごく良かった。ブレイド達も別れの挨拶も何もなく、記憶も失って突然コアに戻ってしまう。多分、カグツチもあのシーンは日記には書けてないわけで、本編のカグツチはこの空白をどう考えただろう? ブレイドという設定を象徴する、すごく悲しいシーンでした。本編のネフェルとダブりますが、あえてかぶした演出ですね、これは。
ホムラの誕生も意外性がありました。ヒカリは自分の力の強さを封じるために、ホムラという人格を生み出したと思っていました。確かにそれだけならホムラという安全装置があれば、別に眠る必要無かったわけです。ホムラを通しての視界であっても、彼女は見たくなかった。嫌な記憶を封じるために別人格を生み出したという真相。ホムラファンには非難されそう。本編で結構平気そうだったのは違和感ありましたが、開発者がそこまで考えてなかった?
ファーストインプレッションでも書きましたが、「ヒトノワ」というのが良いですよね。死んでしまう運命にあるラウラですが、人々が紡ぐ歴史の中に彼女は生き続ける。そんな証を残すために、使命感をもってサブクエストをクリアしたくなります。
バトルシステムがシンプルに
本編の複雑怪奇なるバトルシステムには、30時間経ってやっと理解できました。今回は適当にコンボを繋げていくだけで、フュージョンコンボができ、属性玉もすぐ付きます。この点で、初プレイの人はこっちが良いかもと思いました。その分、戦闘がピーキーなんで、回復系のアシストコアが揃わないうちは、ブレイドスイッチがかなり大変でした。
DLCとして十分なボリューム
自分のクリアタイムは約22時間でした。
一部サブクエストを必要分以上進めたので、普通に遊んで20時間くらいのボリューム感でしょうか? 本編のボリュームから考えて、正直想像したほどではないのですが、一般的なDLCとしては十分ですし、残りのサブクエストや2周めなども考えると、その2、3倍は楽しめそうな予感がします。
悪かった点
ストーリー……肝心な部分が抜けている
本編の時系列から、あとあのエピソードが残ってる、って数えていたんですが、かなりの数を残してラストバトルに突入してしましました。
「ああ、あとはムービーシーンで見せるのか」と思ったのですが、それも無しか、すごくアッサリとした感じ。これは非常に残念でした。
一つは勘違いだったんですが、テンペランティアでヒカリとメツが激突したのは、ラウラ一行と出会う前だったんですね。てっきりラストバトルはこの場面だと勘違いしていました。イーラのバトルは前哨戦で、ここで終わるとは思って無かったんです。
カスミの死のシーンは? サタヒコが法王庁に捕らえられ、ブレイドイーターに改造されるシーンは?
シンがほったらかしにするとは思えないので、戦闘のドサクサではぐれたという感じでしょうか。カスミとサタヒコは、シンとラウラと離れ離れになり、ラウラが死にカスミがコア化。一人になってしまったサタヒコが法王庁に捕らえられるという流れが一番綺麗でしょうか。
ミノチは別れの挨拶も無しってのは、かなり寂しい。そういえばマンイーターは同調者を選ばないようですね。つまりニアがレックスとしか同調しないのは……ニヤニヤ。
イーラ民がゲンブへ引っ越す部分や、セイリュウはどうしてリベラルタスへ向かったのか(本編でホムラと面識あったので、アデルと一緒に向かったのでしょう)、サーペントのコアをサンクストチェインにするシーンなど……ルクスリア王国の後半の部分はどうしてあんなにボロボロなの?
最大の空白部分はラウラの死の部分です。ここを端折る意味がわかんねー!!!
ラウラって相当な魔性の女じゃないですか?
だって、「私を殺してシンは生きて? その後、シンがどれだけ絶望しようが知ったこっちゃないわ。私の記憶を忘れて、違うドライバーと同調するなんて許さないから」って、そんな風に言ったかわかりませんけど……、でも、そういうことですよ。
シンがそう願っていたにしろ、健全なドラマなら「バカ! 私なんて忘れて。次のドライバーを大切にね」なんて涙ながらに逝っていく感じではない?
そうならなかった部分が僕は知りたかったんです。この二人はどういう関係なんだろうって。
劇中でその片鱗は、意図的ではないかもしれませんが、ちょっと推測できました。
ラウラは27歳ってことにびっくりですが、10歳のときにシンと同調しているんです。それから17年間べったり。
ラウラとシンの宿屋の個室のシーンが2回あるんですが、どちらもカスミが不在なんです。必要ないから描画していないだけか、それとも……。自分は、ラウラにとってシンはブレイド以上の存在だったように思います。親以上の保護者であり、愛する男性でもあった。
ラウラは、この人だったら自分のワガママ全部飲みこんでくれる、という考えだったのではないでしょうか。本編でシンは、ラウラと同じ顔をしたカスミを躊躇なく殺しています。イーラ編のラストシーンで、パーティー全員で撮影した写真は燃やしてますが、ラウラの死体は冷凍保存して残します。こいらの依存度やばい。シンとラウラ、この二人は結構ドロドロした関係に違いないと自分は思いました。
ストーリーの大胆なカットは、それを読み取ろうとさせた演出だったのかも知れないけど、黄金の国イーラから始めた人は結構ナンノコッチャ? になってしまいそう。
本編では「アルスの行き止まりで覚醒シーンを繰り返す」っていうワンパターンでしたが、イーラ編でも同じでちょっと笑えました。もうちょっと考えようよ。
お金……なにに使ったらいいの?
メツによる破壊活動で世界が混乱している中、復興支援を必要としている国や、貧困に喘ぐ人々がいるはず!
……なのに、お店などで使い道がなく、どんどん貯まっていく一方です。キズナリング解放の為に、欲しくも無いアイテムを買ったくらい。
サブクエストに大金が必要になるクエストがあるのかしら?
孤児院を作る大型サブクエストなどあれば良かったのに。せっかく作った孤児院は、イーラ滅亡と共に消えてしまいます。その光景を見て、ミノチは孤児院を作ろうとするって流れ。ちゃんとイベントで伏線ありましたけどね。
レアブレイドが登場しない
自分は信じてましたよ。
ドライバーが死ねば記憶を失うブレイドという設定ですもの。
本編で仲間だったアイツが! あの子が! 立場を変えて、敵やライバルとして登場する胸熱展開を!
蓋を開けてみれば、そんなことは皆無でした。
敵はメツとデバイス、ケモノばっか。
新たにセリフを撮り直すのが大変ってのもあったかもしれませんけど、追加コンテンツで登場した2人のブレイドくらいは仕込めたんではないでしょうか?
新作としてもDLCとしても中途半端
「DLCに新マップが登場するのはすごく珍しい」とディレクターは言ったけど、「本編のマップに全く移動できないDLC」は、それ以上に珍しいのではないでしょうか。
500年前という設定が不味かったんでしょうか。確かに、他のアルスを舞台とすれば、新作といって差し支えないほどの刷新が必要だったでしょう(500年前という設定を踏まえたテキストの追加、オブジェクトの変更・新規作成など)。
でも、アヴァリティアやアーケディアがテロリストやモンスターに占拠されたとかで、ダンジョンとして再利用できたのではないでしょうか?
自分には、長い長い一本道のダンジョンを進んでいくような感覚でした。
レアブレイドと合わせて、素材を活かしきれていない。
結果として、DLCとしても新作としても中途半端な印象でした。
総評
ついつい不満の分量が多くなってしまいました。ファーストインプレッションの感触が良かったので、その期待を裏切られてしまった為です。
欠点のあるゲームですが、僕は本編とDLCを合わせて約250時間プレイしました。僕のゲーム人生の中でも一番長く遊んだゲームです。
すごく満足しています。スタッフの熱意や頑張りをすごく感じた作品でした。
たぶん次回作も購入すると思います。
追記:話の矛盾点なんですが、ヒカリとサタヒコが本編で全然絡まないのが変に感じました(サタヒコのサブイベントであるのかな?)。イーラ編で、ミルトが死ぬのではなく、サタヒコが死ぬ(仮死状態)→そのあと法王庁がサタヒコを回収→ブレイドイーターとして復活……みたいな展開がスマートじゃないかなぁと。本編で、サタヒコの事を気づかなかったのは、死んだと思ったからなら納得行くのですが。死ぬためだけに生まれたキャラクターであるミルトが忍びないという感情もあります。
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