約10年前にWiiで発売したゼノブレイドのリマスター版『ゼノブレイド・ディフィニティブエディション』の本編完結後を描く、完全新規追加ストーリー『つながる未来』を13時間ほどでクリアしました。
多分、サブクエストは全部クリア出来たと思います。オリジナル版を未プレイだったので、美麗になったビジュアルと(不満は残るものの)改善されたシステム・UI、大満足のボリュームと10年経ってもやりごたえのある傑作と思いました。
本編のレビューはこちら
ネタバレなし
クリア後・ネタバレあり
追加ストーリーのシステム面中心の感想
本編ネタバレ注意
今回もネタバレ注意です。
ストーリーは本編を補完
ネタバレなし感想と重複しますが、『つながる未来』は本編1年後、本編では未踏のエリアであった巨神肩へと移ります。本編より続投のシュルク・メリアに新キャラクターのリキの子供達のネネとキノがパーティーメンバーになります。ハイエンター達の故郷奪還のために、正体不明の敵「霧乃王」と戦います。その背後には、本編では解決しきれなかった人種問題、メリアとタルコ……血のつながらない姉妹の物語があります。
メリアとタルコ姉妹の関係修復には、ネネとキノの血のつながらない姉弟が強い影響を与えます。血の『つながらない』家族を通して、『つながる未来』というタイトルは秀逸に感じました。
タルコとテトのオネショタ……ゲフンゲフン。
本編では、実の息子に王位を継がせたいと画策し、不義の娘タルコに汚れ仕事を課すというイジワルな継母としか思えなかった光姫ユミア。タルコの口から巨神教(を裏で操っていたであろう宰相ロウラン)の教唆によるものだったとは言え、その行動は全てはハイエンターの未来のためと信じたがゆえということが、今回のエピソードから知ることができます。
現実の我々の世界でも、当時は正義とされたことが、後々においては悪いことであったということがは良くあります。
今回のもうひとりのキーパーソンとして、ゲルガーがいます。彼はメリアを混血のハイエンターの象徴として、狂信者のように一方的に奉り、テレジア化した純血のハイエンターを元に戻す研究をしているテトを亡き者にしようと考えます。最後は、変革していく未来を受け入れることができなず、タルコとは対照的な最後を迎えます。ゲルガーがこうしてまで、純血のハイエンターを受け入れられなかったのは、おそらく自身が混血だったからこそ、純血のハイエンターからの差別や迫害を受け、自身の血にコンプレックスを感じたからなのでしょうね。
巨神界の住人と機神界の住人の間に残った軋轢を解消するのに、正体不明の敵をぶつけるというのは、ちょっとありきたりに感じるストーリーでしたが、重層的に種族の歴史と家族の物語を加えることで奥深いものになったと感じました。
フィールドデザインから読み取る歴史
今回の舞台となる巨神肩は、実はオリジナル版の本編に、未使用ながら没データとして残っていたそうです。
このフィールドは、始祖民族である巨人族がかつて暮らしていたエリアで、フィールドの各所には朽ち果てた住居や遺跡が残っています。
この舞台を見て、違和感を感じました。
かつて、巨人のアガレスは、最初のモナドを鍛えてつくり、その結果ザンザに支配されます。巨人肩にのこる遺構をみると、どうも巨人族というのはモナドを作れるほどの文明レベルが無いように思えるのです。これは、製作者が何も考えていないから……?
ここからは僕の妄想なんですけど、モナドのデザインって巨人界由来ではなく、やはり機神界の影響を感じるのです。
本編で語られますが、かつてマシーナたちは、巨神界の種族とも仲がよく、技術伝達も行っていました。本編でエギルはその口から語っていませんが、モナドを作る技術力を伝えたのはマシーナなのではないでしょうか? つまり、宿敵であるザンザ復活に、実はマシーナも加担していたという考察です。これはハイエンターの未来のためにと一方的に思い込み、混血を差別排除しようとした光姫ユミアのように、マシーナも良かれと思ったことが回り回って自身の窮地に追い込む結果になったのです。
マシーナたちが伝えた機械技術は、ザンザモナド誕生にもつながりましたが、一方でハイエンターたちの遺伝情報の解明……テレジア化を知ることにもなりましたし、ホムスのコロニーで無くてはならない機械技術としても伝わったのでしょう。科学技術は、使う者次第で最悪の兵器にもなりうるということ。
テキストにはなっていませんが、巨神肩のフィールドを見ていて、想いを馳せることができました。
追記:コメントにて、モナドの見た目は、機神界由来ではないことを解説していただきました。いろいろ妄想展開しちゃったけど、ぜんぜん違いましたね(笑)。
霧乃王とは??? 解明されない謎
今回も登場した広い皇都。本編以上にだだっ広いだけで勿体なかったです。ラストダンジョンっぽく仕上げてほしかった……離宮のゲートを開くためにエネルギー供給のラインを復活させるとか。
そこはちょっと残念でしたが、ラストバトルのムービーシーンは、キャラの大立ち回りがド派手で見応えありました。
空の裂け目から突如現れた正体不明の敵『霧乃王』。残念ながら、ラストは盛り上がりもなく正体不明のまま、原因不明状態で消滅します。
ここでまたしても僕の勝手な妄想なのですが、今回本編のオープニングには、ゼノブレイドクロスを彷彿とする演出がありますが、もしかしたら霧乃王とは次回作に登場する敵なのではないかと思いました。そういう意味も含めてタイトルは『つながる未来』になったのではないでしょうか。
追記:コメント欄にご指摘いただきましたが、霧乃王は、世界樹へ向かう前のモルスの地に出てくるデビルキング・グルドゥ説が有力のようです。全然ピンと来ませんでした(汗)。
3の発売楽しみですね。
Xenoblade Definitive Edition Collector's Set(ゼノブレイド ディフィニティブ エディション コレクターズ セット)-Switch
- 発売日: 2020/05/29
- メディア: Video Game