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ゼノブレイド2を4日間で50時間プレイした感想:史上最高のJRPG……の原石、ただしUXはゴミクソレベル

今週のお題「今年買ってよかったもの」

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ついついぶっ通しでやり続けてしまい、仕事でやっと分断されたので、このタイミングでレビューをば。おそらくまだ中盤くらいです。

一応、ストーリーのネタバレは無し(公式サイトに載っている情報以上のことはなし)にしますが、いつもどおりネタバレの線引は人それぞれですので、自己判断で読んでください。

 

ボロクソ書いたけど最新作が楽しみだ! という記事

smoglog.hatenablog.com

ゼノブレイドDEの感想

smoglog.hatenablog.com

 

本文

購入前はちょっと不安だったんですよね。

モノリスソフトのゲームは、会社結成前のゼノギアス(クリア)、独立後のナムコから販売されたゼノサーガの1と2(クリア、なぜか3をやっていない……)、任天堂から発売されたバテン・カイトスをやって、これは最初の数時間で投げてしまいましたね。

ゼノブレイドとゼノブレイドクロスはやっていません。ゼノブレイドはいつの間にか発売されていて、買うタイミングを失っていました。ゼノブレイドクロスは面白そうに感じたのですが、WiiU持ってないし。

ナンバリングタイトルとは言え、続きモノではないことは知っていたので、2から始めることに関しては安心していたのですが、過去作とくらべてももっと若い世代をターゲットにしているような気がしました。

キャラクターデザインが懸念材料で、特にヒロインの容姿と性格の不一致が納得し難く。

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この格好で、清純派キャラなんですよ。

 

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あとは、戦闘システムが非常に複雑そうに見えました。戦闘モーションもちょっともっさりしていて、かっこよくなかったし。

それでも購入に踏み切ったのは、switchでRPGがやりたかったから、の一言に尽きます。もっと他に選択肢があったら購入は見送っていたと思います。

 

賛否両論別れると思います。4日間で50時間遊んでしまった自分でも、「これは駄目な人は駄目だろうな」って思います。単に趣味嗜好の問題ではなく、完成度がまだまだに感じました。

 
例えば、モーションキャプチャーを採用していないシーンでの、ぎこちない動き。カメラワーク。4日間で3回もエラーによって強制終了してしまいましたが、オートセーブではないのが不便です。戦闘はシステムも音関係もカオスです。

 

これからツラツラと文句を書きます。でも、50時間もぶっ通しでやったんだから、けっしてつまらなくないんです。たぶん、面白い。

 

一番の欠点はUXが酷いということですね。

これに全ては集約されると思います。

UXというのは、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の略で、例えば簡単に操作できるとか、デザインがめっちゃカッコイイとか、親切丁寧であるとか、見た目と内容に食い違いがないというのも大事。

 

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ゼノブレイド2は、ちょっと低年齢層向けっぽいキャラクターデザイン・ストーリーな反面、システムまわりはかなり複雑でどちらかといえば、ゲームに慣れた大人向けに思います。この部分でUX的にはかなり悪手です。ターゲットが絞りきれておらず、どちらの層からも批判を受ける可能性があります(どの年齢層からも好まれるという感じではない)。

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メニューまわりの酷さは特筆にあたります。担当者は新人か、無能か、無能の新人と思われます。スタッフロールで発見したら、「こいつか!!」と睨みつけると思います。

追記:スタッフロールを確認したところ、UI担当は3人。3人いれば文殊の知恵と言いますが、無能が集まっても意味がなかったようです。ゲーム遊ばないのかなぁ。こうやったら便利になるとか思わないのかしら。例えば、アップデートでガチャ演出のスキップができるようになりましたが、スキップするかしないかの選択が入り、そのワンステップがストレス。なぜスキップしたいかというと、汎用ブレイドの演出が見たくないから。なのに、レアブレイドが出ても、その演出もバッサリスキップ。ガチャシステム採用するなら、ソシャゲの仕様くらいきっちり調べろよ……

 

ボタンの割り振りがまずおかしいです。

「+」ボタンがメニューを開く、Xボタンがファストトラベルのショートカットなのですが、階層的にメニューの下にファストトラベルがある構造なので、このボタンの割り振りは逆が正しいと思います。また、「−」ボタンがアイテムのソート(整頓)ボタンなので、間違えて「+」を押すとメニューを閉じてしまいます。

 

システムが複雑な上、メニューまわりの構造も賢くない人が担当したので、より煩雑です。50時間遊んでも余裕で、あの項目はどこだったか……? と探します。

フィールド上には、ブレイドのフィールドスキルを使用しないとたどり着けない場所や開けない宝箱があります。その度に、一度どんなスキルが必要なのか試す→パーティーのブレイドを付け直すという作業に迫られるます。ブレイドのフィールドスキルを確認するには、詳細ウィンドウを5回くらいめくらないと確認できません。記憶を頼りに付けると記憶違いで必要レベルが足らない、もう一度メニューを開く……しかしメニューの構造がうんこなので、間違ったメニューを開いてしまう……と非常にイライラさせてくれます。

 

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単純にメニュー画面がカッコ悪いです。

ファンシーで別のゲームみたい。

 

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戦闘システムは、敵の近くに立つとオートで攻撃、ゲージがたまり必殺技を発動して、さらに上の段階の超必殺技を発動、それに味方の超必殺技を重ねることで、ポイントを溜め、別のゲージを3つためることで発動できるスーパーコンボに使用する……という、自分でもこれで合ってるのか? とまだ疑っていますが、複雑怪奇なシステムになっています。

コツコツと下準備を整えて、一気に解放、ここからは全部俺のターンだ! と言う感じの楽しさです。

理解できれば面白くなるのですが、ここでもチュートリアルという部分でUXが酷い。

このシステムが好き嫌い以前に理解が追いつかないのです。

 

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マップがマップの用をなしていません。

画面上に表示されるミニマップは、上空からみた地形で、高低差のある実際の地形とは乖離していますし、場所を示すアイコンが何も表示されないので、存在意味がないです。

たとえば、地名が何も書いていない日本の地図を広げて、東京の位置は示せても、都庁の位置を指せる人間は、地方の人間では少ないと思います。状況はさらに悪く、アルストは誰も見知らぬ異世界です。この地図はなんの役にも立ちません。

このマップをデザインをした人は、このゲームを知り尽くしてはいるかもしれないけれど、初めて触れる人間の気持ちをまったく考慮できていないんです。

 

しょうがないので、メニュー内のファストトラベル用の地図を使用していますが、マップ用途としても、ファストトラベル用としても、大変使いづらいです。

なぜかツリー構造で、目的のマップを開くまで3回はボタンを押す必要があります。一枚の地図にしてくれれば解決するのにね……。

 

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セリフのダイアログがウェイトなしで、結構な長文も一気に表示され、誤って読み飛ばしてしまうことが多々あります。たいしたこと話してないと思う(失礼)んですが、イベントシーン見て「ああ、そういう話だったのね」と思う事があります。

 

 

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カメラの欠点は、完全マニュアル操作で、追従モードがありません。片手プレイは無理です。(追記:カメラの追従モードあるみたいです。ロックオンでも追従するとご指摘いただきました)

ミニマップがゴミなので、通常はカメラをパンした状態にしておくと思いますが、狭くて天井の低いところに入ると、見当違いのところに標準をあわせるので、非常に見難くく不親切に感じます。こういう場合はズームすると一人称視点になります。至極単純に詰めが甘い。

 

以上が、個人的にこれは直さないと製品の完成度に響く、と思った部分です。

以下は、一応褒めている部分です。

 

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グラフィックは期待しない方がいいです。

褒めてるように思えないかもしれません。

 

 

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最初は、予算足りてないとおもったんですが、プレイしていて、これは狙ってやっているなと思いました。

このゲーム、オープンワールドゲーム(……ではありませんが広いマップです)にありがちなロード時間が、ほとんどないと言って良いレベルです。この手のゲームでファストトラベルする時、「移動したは良いものの、前の地点に忘れ物した」というのがとてもストレスですよね。このゲームではぜんぜんストレス感じません。

50時間ぶっ続けられた一番の理由がここかもしれません。

 

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オブジェクトがなんもない立方体の部屋とか、三角形の断面の木の幹とか、ありますけど、地形データを軽くするためなんだと思います。移動して描画が終わる前に操作可能にするぐらい、読み込みはすごく考えられていますね。

 

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アルスという巨大生物の上に人が住むという設定ですが、最初からあんまり期待していませんでした。遠景で巨大な生物が動いているのは見えるのですが、キャラクターが実際移動している部分は、普通に硬い地面でダイナミックに変化することは(今のところは)ないですね。今後の展開に期待かな。もっと想像力を働かせて、独特の生活様式が発展しそうなのになぁ。

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戦闘は、敵のHPが高く、強い必殺技を発動したいのに、そのためには攻撃をしなければならない、なのに動くと攻撃が発動しない、しかしアイテムやお金、回復手段が地面に散らばるので移動せざる得ない、というジレンマが発生します。

ブレイドが複数セットできるようになると、ブレイドチェンジすると通常必殺技のゲージが溜まった状態になるので、ちょっとはストレス緩和します。

 

普通の雑魚キャラでも5桁のダメージでもHPゲージが1割くらい減る程度の場合があるくらい、敵は硬いです。一回の戦闘が長いのですが、基本的に隠れてやり過ごしていけばいいです。ブレイドの成長には、長い間戦った方が都合がいいので、戦うときはできるだけ長引かした方が良いと思います。

戦闘で得られる経験値は微々たるものなので、レベル上げは戦闘メインにしない方が良いです。ではどこで得るかと言うと、サブクエストと傭兵団です。

 

サブクエストは、いわゆる「お使い感」はありません。

「〇〇を取ってきて/倒してきて」というお願いはありますが、達成して報告すると別の問題が発生して……ときちんと物語になっていて面白いです。

 

傭兵団は、余ったブレイドを各地に派遣するザブクエストの一種で、時間経過でクエスト達成します。控えブレイドの育成、金策、経験値稼ぎができます。手に入れた経験値は、宿屋に泊まることで使用できます。

敵が強くてゲーム進行に詰まったら、宿屋に泊まってレベル上げして進めるのが基本スタイルです。これは非常に優れたシステムに感じました。レベル上げが苦痛でしかなく、かといってヌルゲーは嫌な自分にとってはぴったりのシステムです。

 

ここにひとつ落とし穴があります。レベルを上げすぎると、敵は攻撃してきません。サブクエストで強い敵にあたり、レベルを上げ過ぎてしまい、メインクエストの方で敵が無視、キーアイテムを持っている敵も攻撃してこないため、しばらくダンジョンをうろうろという状況がありました。

 

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BGMについて。

とてもキャッチーな良曲ばかりだと思いますが、ちょっとオーソドックスでオリジナリティーは感じませんでした。

フィールドと街は、昼と夜とで同じメロディを曲調を変えているのは面白いと思いました。昼が勇ましい曲調で、一部「クライマックスシーンだっけ?」っていうくらい激しいのもあります。夜の曲が全体的にゆったりとしたリラックスできる曲なので、夜に行動することが多いです(笑)。

 

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でも、夜のフィールドは恐ろしい面もあるので、そういうアレンジもあって良かったのではと思いました(モンスターの行動は変化しないっぽいですが。ユニークモンスターの一部は、夜行性とかだったら面白かったですね)。

 

ヒロインのキャラデザは、最初は忌避感ありましたが、気にならなくなりました。

ヒカリの方に既視感があり調べてみたら、やっぱり「楽園追放」のキャラデザの人でした。「楽園」というキーワードが陳腐に感じていたのが、これで一気に解消されました。

 

キャラクターデザインが多数の人が担当していて一体感がないのは、自分はあまり気になりませんでした。イーラのメンツの顔が基本全員同じ「野村顔」なのは、ちょっと笑えましたが、スクエニ時代からの悲願だったみたいで。でも、キャラデザはゼノギアス・ゼノサーガの人が良かったな。

 

ブレイド同調がソシャゲっぽいという批判がありますが、「ガチャ要素が一番おもしろい」というのがソシャゲの悪いところなので、今作については問題ないのでは。

追記:あまり良くないかもしれません。ストーリーとの整合性が良くない。ブレイド枠が埋まると別れることにするしかないんですが、ブレイドをコアに戻すと記憶を失う設定なんです。主人公たちが偽善者に見えます。汎用ブレイドの見分けが付きにくく、これなら全員レアブレイドにした方が良かったのでは。コアクリスタルは全部固定の名前があり、然るべきタイミングで手に入るものと、サブイベントなどで手に入るものがあると言うもの。ガチャを採用したのって、単に流行りの要素だったからと言う印象です。

 

長々と5000文字オーバーのレビュー記事になってしまいました。

粗を見つけてこき下ろすような記事になりました。

最初は未完成の傑作という記事タイトルにしようと思いましたが、未完成というとちょっとネガティブすぎるな、と思って、原石としました。磨かれてはいないけど、素晴らしい価値を秘めています。

 

その点を踏まえて、「史上最高のJRPGの原石」と題しました。

ちなみに原石はコアクリスタルと読みます……なんて書いて「気持ち悪い」と感じた人は、たぶんこのゲームは合わないと思います。けっこう中二病ストーリーです。いつものゼノの名前を冠するシリーズの感じ。戦闘開始から始まる主人公とヒロインのイチャイチャをニヤニヤできるか、ドン引きしちゃうか。

ホムラ/ヒカリのコアクリスタルの形とか、ヴァンダーカムヴァンダムさんの活躍とか、3話のラストの展開とか、過去作のファンは嬉しいのではないでしょうか。

 

自分はまだまだ遊び足りないので、しばらく記事の更新が滞りがちになりそうな予感がします。

 

クリア後の感想

smoglog.hateblo.jp

 

ネタバレ無しの黄金の国イーラの感想はこちら:

smoglog.hatenablog.com

クリア後ネタバレ感想

smoglog.hatenablog.com