UIを改良を期待していただけに落胆は大きい……。
ゼノブレイド2を僕はとても楽しんでいて、面白かったのですが、改善を期待してUIやUXについては、失礼なくらい酷く叩きました。ゼノブレイドシリーズの複雑なシステムと、低レベルなUIデザインの品質は、ユーザーにとって大変損な組み合わせだと思うのです。これが解消されない限り、JRPGの最高傑作とは言えないと思います。
Wiiで10年前に発売したゼノブレイドのリマスター版ゼノブレイドディフィニティブエディションを今回、初見プレイしました。前評判どおりに面白いと思いましたが、やはり今作もUIについては及第点以下の品質でした。
エンドロールを見ていないので、確定できませんけど、UIデザインの感じからしてゼノブレイド2と同じスタッフが担当しているように思います。
ゼノブレイドシリーズの監督である高橋氏は、スタッフに歯に物着せぬ強い言動をする人らしいので、能力の低いUIチームに大鉈を振るってくれることを期待したのですが、どうやらモノリスソフトではUIチームの異動についてはアンタッチャブルみたいです。もしくはディレクター、あるいはモノリスソフトそのものが、UIにたいしての意識が低いのかもしれません。
刷新を期待しましたが、無理なら仕方がありません。欠点に目をつむり、ゼノブレイドシリーズには今後使いやすいUIを期待しないようにします。
市場評価をみれば、そこまで大きな問題にはなっていないようですし、Wii版ゼノブレイドに比べると、格段に遊びやすくなったと評価する声もあります。こうしてUIの改善の声を上げることで、次回作ではより良くなることを期待したいですが……。
確かに、ゼノブレイド2に比べても、ユーザーの声を聞いたのか、UIははるかに見やすく、使いやすくなっていると感じました。しかし、僕はUIが良くなったと言うからには、もっと使いやすくなることを期待しました。
癖の強いUIというのは確かにあります。車の操縦に例えてみましょう。普通の丸いハンドルが、飛行機の操縦桿だったとしたら? 最初は面食らって、使いにくいと感じるでしょうが、慣れてしまえばとりあえず使えるはずです。対して、ゼノブレイドUIチームの操縦系は、こんな感じ。まず、ハンドルがなぜか2つあります。一方のハンドルは、ギアをリバースに入れた瞬間機能し、前進中に使っていたハンドルは機能しません。慣れの問題もありますが、圧倒的に誤操作をさせる欠陥設計なのです。
今回の欠陥UIは、メニュー画面に集約されています。Xボタンでメニュー画面を開く度、うんざりイライラして、グイグイ引っ張る素晴らしいストーリー、強敵との会敵の熱を奪います。
今回のUI叩き
メニュー構造の統一性の無さ
メニュー画面って通常はレイヤー構造になっているんですけど、レイヤー分けが明瞭ではなくて、カオス。ある項目はメインメニュー上に、ある項目は別画面上に格納されていて、把握しにくい。
メインメニューではコレクションの項目にだけツリー構造が採用されています。装備変更で各キャラ、スキルツリーでスキルラインとスキルリンク、アーツセッティングでセッティングとレベルアップにそれぞれサブ項目のツリー構造にすればわかりやすいのに、と思いませんか?
基本操作にボタン使いすぎ・専用ボタン用意しすぎ
一見すると、綺麗なUI画面に見えますが、基本操作に使うボタンが多くて、ボタン操作に統一性がなく、不慣れなユーザーを惑わします。
使いやすいUIって、シンプルな操作であることが必須条件だと思います。メニュー画面の操作は、カーソル移動と決定ボタン・キャンセルボタンだけで基本操作できれば、一番わかりやすいと思いませんか? ゼノブレイドのUIチームはどうやら逆の考えで、とにかくたくさんのボタンを使わせたいみたいです。
アーツセッティングのメニューの中に、セッティングとレベルアップの項目がありますが、これはZLとZRを使います。このボタンってWiiにも3DSにもありませんでしたから、UIチームはわざわざ使用するボタンを増やしてまで、我々に誤操作させたいようです。上にも書いたとおり、この項目はメインメニューでサブ項目にしたほうがわかりやすいです。わざわざ一緒にする必要性を感じません。
アーツセッティングのメニュー画面の場合、操作に慣れるまで、ZLZRとLRのキャラ変更がバッティングしやすく、レベルアップしようとして別キャラのページへ、間違ったと思って反射的にキャンセルを押してしまい、メインメニューに戻ってしまってイライラ! というのを繰り返してしまいました。
基本操作と応用操作を分けて考えてほしい
基本操作は少ないボタンでシンプルに、それでカバーできない部分を他のボタンで補助する……というのが使いやすいUIだと思います。
カーソル移動、決定、キャンセル、キャラを変更するのにLRくらいなら、すぐに馴染むと思うんです。他のボタンは、せいぜいサブ項目を表示する程度にとどめて置いて欲しい。メニュー項目によってコロコロ使い方を変えないでほしい。
これはアップデートされると思いますが、サブクエストでよく使う時間操作のショートカットがなぜか用意されていません。ゼノブレイド2ではアップデートで追加されたと思うので、ユーザーエクスペリエンスに鈍感な開発社であることを、このあたりからも感じました。
ゼノブレイドのシステムの難しさをより複雑にしている
キャラの各種設定項目がめちゃくちゃ多い上に、メニュー画面が煩雑すぎます。
装備欄の項目の多さを見て、びっくりしました。基本装備に加えて、ジェム装備、ファッション装備……めちゃくちゃ付け替えが大変。装備を付け替えてもジェムは外れないし、装備の入手頻度が高いので、付け替えが大変でした。ファッション装備も一つ一つ変更しなきゃならないので、面倒になって男は初期装備、女は水着(げへへ……)!
とにかく煩雑に感じたので、これならスキルやジェム、アーツセッティングがバッサリ無くしても良かったなんて半ば思いました。普通にストーリーすすめるだけで面白いもの。ゲームに慣れてくると、面白みも理解できるんですけどね。ゼノブレイドというゲームに対して、このUIチームには荷が重すぎる。
とは言うものの、ゲームは面白い
だから、惜しいと言えるのですが、ゼノブレイドDEそのものは非常におもしろいです。メインメニューさえ開かなければ、ストーリー進行は非常にスムーズです。マップ画面も存在する意味のある地図ですし、バトルもゼノブレイド2に比べると分かりやすくて、位置取りやヘイト管理の深い駆け引きもあります。未来予知によるピンチ回避は手汗握る瞬間です。
ストーリーはシリアス基調で、伏線や引き、盛り上がるシーンがしっかり練り込まれていて、先へ先へとグイグイ引き込まれます。
キャラクター達は生き生きとしていて、特に男性キャラの描き方は良かったです。ムードメーカーな老け顔の親友ライン、常識人かつ熱い男ダンバン。女性キャラに関しては、ルックスはめちゃくちゃ良いんですけど、ゼノブレイド2のスタッフですから、どこか男性目線の女性って感じがしました。
ボリュームに関しては、サブクエストもそれなりに進めて現在30時間。レベルから考えておそらく中盤あたりかと感じています。大作にふさわしいボリュームです。
見た目の好みで、ゼノブレイドとゼノブレイド2を選べば良いと感じました。
クリア後の感想
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追加ストーリー