※ある程度ぼかしているつもりですが、ネタバレ有りです
Wiiにて約10年前に発売したゼノブレイドのリマスター版であるゼノブレイドディフィニティブ エディション本編を約73時間でクリアしました。
30時間プレイした時点では、もはやゼノブレイドシリーズの伝統、UIデザインのポンコツさに、非常に大きな落胆を覚えました。30数時間プレイしてやっとUIの操作にも慣れ、アイコンやシステム要素もなんとなく理解できるようになり、ようやく楽しくプレイできました。
サブクエストについては、体感6割くらいクリアしていると思ってます。コロニー6再興はレベル4とレベル5が混在しています。本編だけでもまだまだ数十時間は遊べそうな大ボリュームです。リマスターということもあってなのか、ソフトの価格も安くて、UI以外の全体的なクオリティは高いので、非常にオススメなタイトルです。
以下、ネタバレもあるのでご注意ください。
本編クリア後として、追加しておきたい感想は、大きく2つ。
一つは、ネタバレに対するオリジナル版ユーザーの配慮です。
これはゲームそのものに対する評価ではないのですが、オリジナル版のファンやユーザーの方々に感謝したいです。
これはたまたま自分が目にしなかっただけなのか、それともWii版でユーザー評価が高かったとはいえ、知る人ぞ知るゲームだったということなのか、僕には判断つかなかったんですけど、10年前のゲームなのに、全然ネタバレを目にしませんでした。
発売前には、気分を盛り上げるために、オリジナル版プレイ済みのファンの紹介動画なども見ましたが、ちゃんとネタバレに配慮されていました。
特にパーティーメンバーについては、事前情報をまったく収集していなかったため、キャラが増えるたびに驚きの連続でした。
もっとも熱く語りたいのがヒロインのフィオルンについてで、おそらく復活してパーティーメンバーになるに違いない、と思っていたものの、あの流れ、あの姿かたちで現れるとは思っていませんでした。
特にビジュアルに関して、絶対みんな大好きだと思うので、ツイッターのタイムラインにファンイラストがあふれかえっていてもおかしく有りません。ネタバレなしで、あの御姿を拝見できて、本当に良かったです。
もう1点は、JRPG10年の進化を体感できたこと。
オリジナル版をJRPGの最高傑作としている方も多いと思いますが、オリジナル版を未プレイの僕には、ゼノブレイド2で進化している部分が数多く感じました。
思い出補正無しでゼノブレイドDEを評価すると、今ではもうノスタルジーと感じる部分がありました。
これは別にゼノブレイドに対してケチをつけている訳ではないです。当時のトレンドなどを考えれば、最先端のゲームであったことは間違いないでしょう。
膨大な量のサブクエストを擁するゼノブレイドDEですが、面白いサブクエストと、かさ増しのサブクエストがあります。AAAタイトルは長大作品であるべきという価値観は、今現在でも正しいのでしょうか? 特にゼノブレイドDEでは、ストーリー進行はダンジョンに次ぐダンジョン、バトルに次ぐバトルという構成でしたので、過食気味になってサブクエストで口直ししようにも、サブクエストもダンジョン探索とバトルでアイテム収集なので、ちょっと退屈に感じました。
ゼノブレイドの世界は、非常に雄大で、ストーリー展開によって大きく移り変わる風景、昼と夜とで劇的に変化することなど、次の舞台はどんなところなのだろう、とワクワクしました。
一方で、皇都など一部のマップでは、無闇矢鱈にただ広い空間があり、ファストトラベル地点が少ないこともあって、無意味にイベントシーンを起こすために行ったり来たりすることを強要されることがありました。フィールドは、リマスターによってテクスチャが高解像度になったものの、ワイヤーフレーム自体はWiiのころのローポリなので、まるでキャラクターが小人になって巨人の国に迷い込んだよう(世界設定的に、その感覚は正しいけど……)。おそらく10年前は、これだけ広い空間を表現することが、まだ目新しく、それだけで十分評価されることだったのでしょう。
ジャンプで飛び越えられるのか、いまいち判断しずらい微妙な高さの手すりに、「お前ら手を使え!!!」と何度憤ったことか。現在では、アサシンクリードシリーズやゼルダの伝説ブレスオブザワイルドなど悪路をモリモリ踏破できるゲームや、デス・ストランディングのようにただ歩く行為をゲームプレイへと進化させたゲームがありますので、10年前のゲームという印象は、最後まで拭えませんでした。10年という歴史の積み重ね、これからの10年を思い馳せて、より良く進化する未来のゲームを確信しました。
その他、細かい点については、安定するパーティーメンバーと使いにくいパーティーメンバーの組み合わせが差がある点が気になりました。僕のプレイした感じでは、回復役のカルナがいるかいないかで難易度が全然違う印象でした。その先はやりこみ要素なのかもしれませんが、ボス戦ではシュルク・ライン・カルナばかり使っていて、ちょっと他のキャラが勿体なかったです。
レベル差が5以上開くとそもそも敵に攻撃が命中しないというバトルは、ジャイアント・キリングしにくいので、個人的に悪い印象でした。ジェムで素早さを上げて命中率あげるにも限度がありますし……。ちょうど、機神界に入ってから、レベル上げが必要になり、サブクエストを消化してレベル上げしようと思ったんですが、なぜか経験値があまり入らないサブクエストばかりで、製作者の意図がよくわかりませんでした。ストーリーとしてはかなり盛り上がる場面でしたので、すっきりシナリオ進行できるようなレベルデザインがされていると良かったんですけど……。
リキについては、貴重な範囲回復技やアイテムを盗むこと、豊富なHPを利用した壁役、デバフ効果を重ねがけすると高火力を発揮するなど、トリッキーな性格付けで、結構僕は気に入っていました。あとバトル中の「シュルクゥ~」の声が可愛くて萌てました。おっさんだけど。マスコットキャラとしてではなく、もっとストーリーに関わる重要なイベントを増やして欲しかったです。あとアップの場合、こいつだけ顔のテクスチャとアニメーションが荒いのが、なんか不憫でした。
光の表現がゼノブレイド2より良くなっていましたね。暗所から明るいところに出るときは特に自然になっていました。
異様なボリュームを誇っていたゼノブレイド2ほどではありませんが、一部サブクエストには、ボイス付きのムービーシーンもあり、モノリスソフトのサービス精神の高さを改めて感じました。
巨人や神の骸を大地として、生命が誕生するというのは、世界各地の神話の原型として普遍的なものであり、目新しいものではありませんが、真正面から映像として見せられると驚きに満ちていました。惜しむらくはは、UIスタッフも3Dを扱えたら、もっと良かったです。グーグル・アースのように、三次元マップで、今いる場所は巨神のこの部分と示せたら、もっと驚き、楽しかっただろうに、ということは想像できます。
ダイナミックなシナリオ展開の犠牲になって、再訪できなくなるエリアが多いのが残念です。マシーナの超科学で仮想現実化して(ノポンセンニンの仙術でもいい)、アイテム回収やネームドモンスター討伐出来たら良いのに……確かゼノサーガではできたのに、今回できないのは退化した部分ではないでしょうか。
個人的に、ストーリーに関してはゼノブレイドDEの方が好きですが、ゲームとしてはゼノブレイド2の方が面白かったです。ゼノブレイド2は色々と問題点のあるゲームでしたが、プレイしていてちょっと退屈だな、という想いには無縁でしたから。
ゼノブレイド2との繋がりも感じられてよかったです。むしろゼノブレイドDEのザンザの片割れってゼノブレイド2のあのシーンのアイツな訳ですが、ゼノブレイドDEでの描かれ方って断片的すぎて??? モナドって失われた天の聖杯の3本目なんでしょうかね?。
ストーリーについての要望を述べると、シュルクとディクソンの師弟・育ての親の描画は、過去編やサブクエスト等を交えて、もっとしっかりエピソードを重ねた方が良かったと思うんです。劇中の描写だけでは、明らかに胡散臭いおっさんだったし、愛着もわかず、終盤は伏線の使い方次第で良いシーンなのに「ぽかーん」でした。ディクソンの育ての親としての情と、使徒としての使命との葛藤など感じられたら良かったのにと思いました。
メインストーリーやサブクエストのミニマップ上のルート表示について、他のレビューでは絶賛する声が多かったですが、僕にはその意見に同意する気持ちと、否定する気持ちがあります。
せっかくの広い世界なのに、まるで神に操られているように効率よく進むべき道へと決められている感覚を覚えました。自分の意思で能動的にゲームをプレイしている感覚がどんどん抜け落ち、なんだか虚しい気持ちになりました。ぼーっと何も考えずに進められて楽かもしれませんが、ゼノブレイドdeのフィールドデザインに対して、これが良い体験とは、最終的には思いませんでした。
途中からメインストーリー攻略中も、選択していない状態のサブクエスト追尾に切り替えて、ルート表示しないように工夫しました。詰まった時、サクサク進めたい時だけメインストーリー追尾を有効にしました。サブクエスト消化率の割に結構クリアに時間がかかったのは、僕が広いフィールド右往左往し、彷徨う楽しみをしっかり体験したからです。
ゼノブレイドDEには、まだ追加エピソードがあります。
まだまだ楽しめそうです。
追加ストーリー感想
Xenoblade Definitive Edition Collector's Set(ゼノブレイド ディフィニティブ エディション コレクターズ セット)-Switch
- 発売日: 2020/05/29
- メディア: Video Game