街と山とを分け隔てなく着られるシャツ。そんなシャツを作るため、何度も何度も試作を重ね、やりたいこと全部を込めてデザインしたら、「はたして生産できるのか」。そんなトンデモナイシャツが完成してしまった。
縫製パターンが複雑すぎて、生産工場に縫製代はシャツの代金ではなく、ジャケットの代金で見積もりとなったそうです。
当然、その縫製費は価格に上乗せされ、「生産したとして誰が購入してくださるだろうか」 となります。
妥協して、現実的な価格に落とし込めるよう仕様をグレードダウンするかどうかの瀬戸際で、個人メーカーなのだから、自分の好きなようにやってみよう、と販売開始されました。
発売前から注目していたシャツだったんですが、自分はやっぱり価格で面食らって、購入を断念してしまいました。まさしく仕様をベーシックにした別のシャツも開発中だったので、そっちにするかなー、なんて思ってました。先日、何気なくショップを覗いたら、セールやってるじゃないですか。25%オフなんて、普通ありえない値引きですよ。即ポチですよ。
記事を書いてる段階で、まだセールやってるので、気になる人はぜひ。カラー、サイズによっては売り切れています。
参照-Big Pocket Long Sleeve Shirt | RIDGE MOUNTAIN GEAR
リッジマウンテンギアさんのビッグポケットロングスリーブシャツです。
カラーはグレイチェック。目の細かいチェック柄です。山道具にはちょっとめずらしい柄ですね。
生地はSOLOTEXというポリエステル素材で、、4Wayストレッチ(縦、横方向にストレッチ)、カシミアのようなソフトさ、形状回復、植物由来の環境に優しい原料などの特徴があります。
若干、熱に弱いみたいなので、高温アイロンは避けるようにとのこと。
届いて、びっくりしたのは、何を当たり前のことを……って感じですが、本当にシャツ。
パリッとした薄地の生地で、サイトにあるようにカシミアのように……とは思わなかったですね(カシミアを知らないのかもしれないが……)。価格からすると頼りない生地感だったので、お店で手にとってたらギョッとしてたかもしれない(笑)。
非常に軽い着心地です。
しじら織り(シアサッカー)で、凹凸のある生地感。汗ばんでも肌にペタつかないし、寒い時はシボに空気か溜まって温かい。山シャツとして良い生地だと思います。
接ぎ部分は全て折り伏せ縫いで施されています。縫製時にとても手間はかかりますが丈夫に仕上がるそうです。
商品名にあるように、胸に2つの大きなポケットがついています。
右胸にはブランドタグ。
スナップボタンのついたフラップがついています。
肩の部分で布が縫製されておらず、ラグラン袖のように繋がっています。
それでいて、シャツとしてのカチッと感があります。
そのため、ザックを背負った時、ショルダーハーネスが擦れず、耐久性と快適さを両立できるようです。
脇下部分は、別布でマチが作られていて、肩回しがスムーズ。
腕をどう振っても、突っ張り感がないです。
自分が持ってるシャツの中で一番着心地が良いです。値段も一番高い……かな。古着で購入だけどブランドシャツとかはもっとしてたんじゃ?
袖部分は、お高いジャケットのように捻りが加わるような縫製になっています。
人間が脱力して腕を下ろすと、自然とこのように捻りが加えられた状態になるそうです。
エルゴノミクスデザインという訳ですね。
襟の形もキレイです。スタンドカラーのシャツが気になってたんですが、機能としては襟がある方がよい。
風や日差しをガードするのに立てることができます。
ボタンは全て樹脂製のスナップボタンです。
パッカリング仕様ですが、本体が軽く、小さくなるため、くしゃくしゃにする必要があまりないような気がしないでもないです。折りシワが出ない素材でもないため、使用前ではなく、使用後にカバンの容量確保に使う機能という感じでしょうか。
早く雪解けして、山での実践投入がしたいです。