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12年前のカメラ(SIGMA初代DP1)と2年前のスマホ(Pixel3)を比較してみた(追記あり)

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先日、カメラ欲しいわ~、という記事を書いたんですけど、いろいろ悩んで、まずは面倒くさくなってスマホに切り替えたカメラを再運用してみようと考えました。

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SIGMA初代DP1は、2008年の3月に発売したSIGMA初のコンパクトデジタルカメラで、当時のレンズ交換式一眼カメラを凌駕する解像度を持つと言われながら、動作速度、オートフォーカスの精度、バッテリー持ちなど、基本性能の部分でクセの強いHENTAI御用達の伝説の製品です。

自分は、中古を3万円くらいで購入しました。7年くらいバリバリ使ったので、コスパはかなり良かったですね。

久々にカメラを取り出して、ボディを掃除すると、やはりこのカメラはカッコイイ。無骨でシンプル。

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レンズカバーは、別会社の自動カバー付きのレンズキャップを切り貼りして自作しました。後に社外製で出たんですけど。

 

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外付けビューファインダーも社外製。一応、画角は28ミリなので、使えます。元値は二万円くらいするんですけど、特別セットで買うと半額以下になる妙なセット売りがあり、そちらでゲット。かっこよくカメラを構えたかったんですけど、物撮りにシフトしてしまったので、活躍機会に恵まれず……。

 

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うーん、カッコイイ。

ビューファインダーは、真鍮製なので、塗装が剥げた感じの使い込んでる感がカッコイイ。DP1本体も、ライカみたく剥げてくれたらカッコイイのにな。マグネシウムボディなので、軽いし、お金もかかってそうですけど。

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4つ持っているバッテリーのうち、半分が膨らんでいて、使用不可能になっていました。一つは、カメラに納まりません。

前回記事で勘違いしてしまっていたんですが、純正バッテリーはまだ購入可能でした。10年以上前の製品に、素晴らしいサポートですね。

SIGMA リチウムイオンバッテリー BP-31

SIGMA リチウムイオンバッテリー BP-31

  • 発売日: 2008/03/03
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

室内撮影

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シャッタースピード13 秒。 f/11 16.6 mm サイズ:2640 x 1760

さてさて、早速一枚、室内で撮影してみました。

古いレンズなので、F値は4とかなり暗いレンズです。オート設定だと、絞りは開放の11、蛍光灯の明かりだと、驚異のシャッタースピードが13秒。カメラの設定壊れているのかと思いました。

 

基本的に僕は取って出しJPGです。ほとんどいじりません。SIGMAのカメラなんて玄人好みのアイテム使っていて、邪道も邪道かもしれませんが……。面倒は嫌い。手間暇かけずに撮って出しで最高が僕の正解なのです。

SIGMAのカメラは、一部の例外を除いて、フォべオンセンサーという特殊なセンサーを使用しています。一方、この世のカメラに使われているセンサーのほとんどがベイヤー式という赤、青、緑の単色センサーをタイル状に並べ、隣り合う画素同士で色を予想して描画しています。この方式の欠点は、あくまで隣り合う色は推論でしかないため、間違った色を出力してしまうこと(擬色)です。しかし、たくさんのメーカーが使っていて、開発研究もジャブジャブ費用が使えるので、今ではかなり精度も上がって問題ないみたいです。

対して、フォべオンセンサーは、赤、青、緑の単色センサーを3枚重ねにしています。デジタルカメラの中で、このセンサーだけが、対象物の本物の色を感知しているのです。また、全てピクセルで階調できるセンサーなので、解像度はピカイチです。透明や金属のテクスチャ表現の美しさはこのセンサーならではで、中毒性があります。……って書くと、良さげに聞こえますが、実際はそうでは無いんですよね。

まず、三層構造のせいか、暗所性能が低く、色がおかしくなります。緑がどうも強く出過ぎる感じです。僕は、この緑被りのレトロな雰囲気が好きなんです。理論上はすごいんですけど、技術がまだまだ追いついていない感じのセンサーです。そういうところも夢があって、なんか孤高な感じがしてカッコイイって思っちゃうんですよ。

 

さて、ほぼ同じ場面をPixel3で撮りました。対象物の本物の色を感知しているフィルムカメラライクなフォべオンセンサーに対して、こちらは機械学習で綺麗な映像をレンダリングしてしまうデジタルの極地的なカメラです。

 

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シャッタースピード1/25 秒。 f/1.8 4.44 mm サイズ:4032 x 3024

あれ?? めっちゃ綺麗じゃん!!!

 

テクノロジーの進化とは残酷です。記憶の中ではピカイチの解像度を誇っていたDP1が負けました。

確かに画素数が全く違いますが、センサーサイズを考えると……。

 

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Pixel3 / DP1

ズームしたところ。DP1が得意としていると思っていたメタリック表現、立体感もPixelのほうが良いかもしれない……。色の正確度ももちろんPixelです。いまのところ、変な色の出方を味として評価するしかなさそう。いや、DP1の独特な絵は、僕は好きですよ……。

 

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Pixel3 / DP1

ホコリは、DP1のほうがちゃんと描画できていますね。このあたり、機械学習でなめらか綺麗にしてしまうPixelが苦手にしている表現と見た。しかし、一般的にはホコリを勝手に綺麗に目立たなくしてくれる方が嬉しいよな。

 

それでもしばらく、DP1で俺は行く!!

今回、月日の残酷さを感じました。カメラって購入するには、当たり前ながらお金が必要。対して、スマホカメラは、必要経費というか、スマホを買えば勝手に付いてくる。しかも数年でアップデートされてどんどん綺麗になっていく。あえてカメラを購入するって、ハードル高いですね。よっぽどスマホ・カメラでは実現できない! という描画を見せてくれないと。

若干意固地になってしまってるような気もしますが、しばらくDP1を使ってみようと思います。Pixel3のカメラは確かに綺麗です。しかし、僕の思い出の中のDP1や、実際ブログの過去記事の写真を見て、「ハッ」と息を飲む驚きはありません。スタンダードな写りすぎるというか。心に残る写真

なのは、DP1。デカイセンサーサイズを生かしたボケ味などを駆使すれば戦いようがあるかもしれません。久々に触ってワクワクしていることもあります。

なので、俺はDP1で行く!!

 

追記:俺はPixel3で行く!!

さっそくSIGMA初代DP1でソフビ撮影を始めたんですけど……やっぱり無理だわ(笑)。Pixel3での撮影が楽で、しかも写りも悪くない。

まず、フォーカスが全然寄れません。一応、外付けレンズはめたんですけど、それでもギリギリ。接写の場合は、トリミングの必要がある。そんなの面倒臭い!!

あと三脚必須。

ああ、モノグサな僕には、もうフォべオンは無理です。駄目人間です。

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smoglog.hatenablog.com

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シグマ デジタルカメラ DP1

シグマ デジタルカメラ DP1

  • 発売日: 2008/03/03
  • メディア: エレクトロニクス