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アステロイド・シティを完徹状態で見た感想

独特のビジュアルスタイルが目を惹いて、見たかったウェス・アンダーソン監督の映画アステロイド・シティを鑑賞してきました。


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最初に断っておくと、鑑賞時は夜勤明けで30時間ほど寝ておらず、はっきり言って鑑賞態度としては最悪でした。

 

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個人的に洋画は吹き替え派なんですが、字幕版しかなく、眠い目を擦って字幕を目で追い、俳優たちの心地よい英語のセリフが催眠効果を産み、意識を保つのがかなり大変な視聴となりました。

そんな中での感想でしたので、正直理解度としてはとても低いものになっております。

……が、それでもとても好きになれた映画でしたし、次は吹き替え版でちゃんとした覚醒状態で鑑賞したいと思っています。

世間一般に難解とされる映画であっても、自分としては一回見ただけで、なんらかのテーマを見出すことが可能なのですが、今回の映画は作りも構造も複雑ですし、ちょっと理解できませんでした。ちょっと具体的になにがもう一度見たいと思わせるのかわかりません。この映画を理解したい、って思うこと事態が動機なのか?

若干のネタバレあり。

確実に言えることは、画作りがめちゃくちゃ魅力的ということです。

映画のワンシーンのどこを切り取っても絵になります。

青い空、乾いた大地、侵食された岩山を背景に、登場人物、その手前に完璧な場所に配置された小道具……。中央に道がありシンメトリーな構図になっていたり、窓枠をおしゃれに配置して面白いレイアウトにしてみせたり。四人の登場人物に呼応するように、手前にはケーキが陳列されていたり。もしかすると何かしらを象徴しているのかもしれませんが、完徹でモヤがかった脳みそでで推測するのはちょっと難しかったです。

その点でも、字幕を追いかけるのに精一杯で、ビジュアルをポートレートモードのようにモヤッとしか観れなかったのは惜しい体験でした。

 

映画は、SF作品と思って鑑賞しましたが、舞台劇を劇中で再現するという入れ子構造のつくりをしています。ブロードウェイと銃弾、三谷幸喜のラジオの時間、最近だとカメラを止めるな! みたいな感じ。上記に上げた作品は、舞台中劇とその裏模様の入れ子構造なものの、メインは舞台裏のドタバタにあると思っていますが、アステロイド・シティはどちらも同じくらい重要に感じます。独立したテーマを持ちつつ、補完しあってるように感じました。

 

主人公のカメラマン扮する役者が、自分の役の気持ちが分からなくなり、幕間の途中で舞台袖から裏階段へ逃げ出します。そこで起こった出来事は、めちゃくちゃ痺れる展開でした。このシナリオ構造じゃなければ無理な痺れる展開でした。

 

耳を打つ俳優のリズミカルなセリフに、何度も意識が飛びそうになります。

突然、俳優たちが一斉に「目覚めたいなら眠れ!(たぶんそんなセリフ)」 と唱和します。

このとき、自分は半分寝落ちしかけで、「おおっ……!」 と鳥肌が立ちました。

もう、ナルシズムの極地みたいな感じなんですが、今の自分の状況に神がかり的にシンクロしているじゃん……! って。

この体験が、今回の映画がもっとも好きになった瞬間でした。

完全に個人的体験なので、全く参考にならない感想文でしたけど、物心がついて初めて見た映画とか、初めて女の子と見に行った映画とか、そういう人生のエピソードと一緒に添えられる映画の一つになった気がします。

グッズも欲しくなっちゃった。

 

 

 

 

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