ワンフェス戦利品続きます。
今回はケトケトさんのソフビ指人形「怪物シリーズ第4弾」。登場キャラクターはガイコツ兵士、ガーゴイル、せむし男です。
怪物シリーズについては過去記事を参照してください。
今回から、棺箱の作成を手伝ってくれる御学友の皆さんが、無事大学を卒業・就職されたそうで、ちょっと残念ですが通常のヘッダー仕様のパッケージとなりました。ですが、シリーズ最初から集めてきて、月日の流れを感じる面白いエピソードでもあります(笑)。
◯ガイコツ兵士
中世ファンタジーの定番のアンデットモンスターであるスケルトン、あるいはワイト。中世の甲冑のようで、パワードスーツのようにも見える鎧を着ています。シリーズ1のツタンカーメンにもSF的な要素がありましたので、ケトケトさんらしい造形かと思いました。
防御力は高そうですが、手にした剣が今にも砕けてしまいそうなくらい、ヒビだらけなギャップが面白いですね。盾の棘でシールドアタックした方が殺傷力高そうです。特徴的な兜の鶏冠や肩の棘、ジェットパックから伸びるコードの造形など、モビルスーツを彷彿とします。
胸には梵字、背中のジェットパック? には陰陽道の道のアイコン。腰のプレートアーマーには「死」と書いてあります。なんだか外国人が着ている漢字Tシャツみたいで微笑ましいですね。
◯ガーゴイル
ガーゴイルとは、雨樋の機能をもつ西洋の彫刻です。その姿は千差万別で、悪魔のような姿をしたものから、動物を模ったものなどあるようです。
昔読んでいた建築雑誌では、彫刻だけではなく屋根からつきでた排水口のこともガーゴイルと書いてましたが、ウィキ先生によると彫刻されていないものはガーゴイルとは言わないと書いていますけど、どっちが正しいのであろうか……。
テーブルトークRPGなどでは、悪の魔術師が使い魔として召喚して、館の屋根や秘密の部屋の中に石像として配置させ、気配察知の判定をミスすると突如としてカムフラージュが解けて襲いかかる、というパターンが常套でした。
ケトケトさんのガーゴイルは、ガイコツ兵士と比較するとアレンジの少ないオーソドックスなカタチをしているように感じました。
彫像として、今回の素体色はとても合っています。封入されたラメが石の中に含まれる石英質に感じられます。
両腕は手枷で封じられています。
おそらく弱点は額の紫水晶で、ここに魔力が詰まっていて、破壊されると石に戻るに違いない。
少しドラゴンのようにも見えます。
石像なので、細かいヒビが造形されています。
ガーゴイルというと、僕はデーモンとの関連性を考えます。デーモンというと悪魔と翻訳しますが、キリスト教の前は、土着の宗教の神や祖先の英霊(悪意あるものもいる)でした。恐ろしい悪魔の姿を模ったガーゴイルが、父なる神の威光を知らしめんとする荘厳な建築に付随する姿は、矛盾しているようでそうではない、綿々と受け継がれる人の営みみたいなものを僕は感じます。
◯せむし男
発表時に、直感でスケルトンとガーゴイルはわかりましたが、この方はわかりませんでした。
ドクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」に登場する、一途な愛を貫くものの醜い容姿から報われなかった男です。現実で言えばエレファントマンのような感じですから、今までの怪物とは趣が異なり意外なチョイスで驚きました。
顔はこんな感じ。片方の目はふさがり、犬歯が目立ちます。
今は「せむし」は差別的な用語(物語に登場するジプシーのヒロインも、現代はロマ族と言う方がいいそうです)ですが、昔は猫背を背中の中に寄生した虫が影響したと考えたそうです。
外套はかなりボロボロで、粗末な暮らしをしているのか迫害を受けたのか、想像をめぐらします。
爆弾と書かれたワッペンも意味深です。彼は優しい人間なんですけど、激情に駆られた時、どうなってしまうのか。ちなみに、このワッペンはケトケトさんが実際人から貰ったモノからインスピレーションされたそうな。
◯まとめ
今回の3体のキャラクターですが、脈絡ないようで、ノートルダム教会に潜むせむし男、その教会のガーゴイル、その墓地に埋葬された兵士のガイコツ……と繋がりを連想しました。
次も楽しみです。
あと、そろそろ大きな作品にも期待したいところです!
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