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ゴジラxコング 新たなる帝国(吹替版)の感想(ネタバレ)

前作ゴジラvsコングの続編となるゴジラxコング 新たなる帝国を見てきました。

前作以上に良かったです! 

最初のトランスフォーマーくらいの単純明快なストーリー、大迫力のCG。レジェンダリー映画は変に高尚ぶらずに、エンタメ一辺倒がいいです。

以下ネタバレあり。

 


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前作での不満点は、ゴジラvsコングとされながら、コングが最初からモナークによって秘匿されてゴジラから守られていた、「負け確」の状態だった点です。かのキングオブモンスターと互角に張り合うには、物足りながった。斧もゴジラ由来ですし。

期待したのは、知恵の部分でしたが、バカの一つ覚えのように同じ手話を使うので、芸達者な犬か猫のようなイメージで、巨大生物への畏怖の感情がなかなか抱けませんでした。

 

今作では、最初からその智謀は冴え渡り、狡猾に獲物を罠で仕留めます。それと同時に、より人間の機微を理解して、コメディタッチな表現もあり、親しみを覚えました。

劇中では相変わらず、恐怖の最強怪獣はゴジラに軍配があがりますが、物語の主人公はコングでした。

 

一匹でも完全無欠、人間が迷惑そうにしていてもお気に入りの場所で好きなように振る舞う傍若無人なゴジラに対して、種の最後の一人であるコングは、孤独の中にあり、同じ種族が地下世界にいるのではないか、と考えています。

同時に、この物語の人間サイドの主人公である聾唖の少女ジアもまた、養母となったモナークの研究者レベッカの元で、髑髏島の部族最後の生き残りであり特殊な能力を持つが故の、現代社会との軋轢に苦しんでいます。

 

この二人を軸に、物語は動きます。とても明瞭でわかりやすいです。

その合間合間に怪獣同士のどつき合いが密に挟まるので、退屈する暇がありません。

特にコングが地下世界の未踏地へ向かうシーンは良かったです。小猿とのやりとりやスカーキングの根城でのやりとりは、人間がいないため、完全に肉体言語でのやりとりでストーリーテリングされていて、斬新に感じました。

映画では言及されていませんでしたが、子猿はおそらく、スカーキングの息子か娘なんだと思うんですよね。毛の色的に。スカーキングの王座の後ろに女性らしき人囲っていましたし。その後放任されて、スカーキングに蹴られて溶岩に落とされたのは世話役で養父か養母のような人だったのでは。この関係は養母レベッカと少女ジアとも重ねることができると思うんですよね。

子猿はこの映画の第三の主人公だと思います。

 

理由はその役割です。

子猿はコングを呼び込み、コングはゴジラを呼び込み、ジアはモスラを呼び込む。3人は同じ悲しみ(孤独)と宿命を背負っているのかもしれません。

ジアがモスラを読んで、コングとゴジラの戦いを止めたシーンは、思わず涙が出ていまいました。世間で認められなかった人が偉業を成すシーンってグッと来る。

 

最後、シーモを操っていたクリスタルを子猿が破壊するのは、自分の父の世代の支配方法を否定する意味もあったように思います。子猿が帰還した時、コングは子猿の手をとって掲げて、まるでチャンピオンのようにしてましたよね。あれは次世代の王の帰還という意味だったのでは。

 

コングのパワードアームはカッコよかったですが、ちょっと強すぎでは? とは思いました。人間のテクノロジー、あそこまで強かったら怪獣なんとかできそう……でも前作のメカゴジラもあるからなぁ……。無邪気に喜ぶコングは可愛かったが……。

 

映画の一番の欠点はスカーキングの小物感です。アイテムを使ってシーモを操作してるし。過去にゴジラを追い詰めたという設定はあったけど、そこまで苦戦するかなぁ……。今回、ゴジラは最初からレベル上げしてたんで、過去の苦戦の記憶から、レベルカンストさせてから挑んだのかもしれませんね(笑)。

 

 

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