今週のお題「ほろ苦い思い出」
テーブルトークRPG・ゲームブック風(語り口がそれだ!)のテキストアドベンチャーゲームのシチズン・スリーパーを約15時間でクリアしました。実績開放は25/27。
ネタバレ無しの感想はこちら。
ゲームシステムを理解するための捨てプレイが84サイクル、コツを掴んでからの二回目のプレイは93サイクルでほとんどのエンディングが回収でき、スキルも2つくらい開放できなかったんですが、ほぼほぼフルスペック状態でした。
今回はネタバレありです。
このゲームはSFとゲームが好きな大人のために作られたゲームという感じです。
ゲームが誕生して、ゲームを楽しんだ人の世代はどんどん増えています。ゲーム人口は厚い層をなしていますが、日本のゲームの傾向としては、長らくゲームは大人になったら卒業するものとして、若者向けのゲームが作られている傾向がします。それをゲームを卒業できなかった人が遊んでいるのです。そのため、昨今のダークな雰囲気やハードボイルド、大人向けと謳っている日本のゲームに、どこか幼稚に感じるところが否めません。
海外作品の良いところは、ちゃんと世代が違う人向けとして割り切って作られている作品が多くあることです。このゲームの良い点は、大人向けと言って安直な性・暴力表現なく、遠い荒廃した未来の世界を体験させてくれます。
主人公のスリーパーは、人の人格をコピーされ、人口的に製造された機械の身体を持つ、人権があるのかグレーゾーンな出自です。資源が限られ、崩壊しかかった宇宙ステーション「瞳」においては、あまりにも寄辺なき存在です。
だた、彼? 彼女? はそんな人種・勢力の坩堝たる「瞳」で、自分だけの力や運だけで、しっかりと立場を確立していきます。
男でも女でもなく、人でもないスリーパーである主人公は、その出自ゆえに、あらゆる勢力の中で中立的存在です。舞台となる「瞳」の車輪型宇宙ステーションの構造の生き写しのように、スリーパー自身がステーション住民のハブへとなっていき、あらゆる勢力を自身が繋ぎ、問題を解決していきます。
最後の難民三部作は圧巻でした。これまでの伏線を回収するかのように、過去エピソードに登場したキャラクター達が、思わぬ形で再登場して、「瞳」の崩壊へと立ち向かい、あるいは意見をぶつかり合います。日本のよくあるゲームのように、なんやかんやあっても最終的に主人公の想いに共感して仲良しこよしで終わらず、お互いが平行線のまま、別の道へと進んでいく。ストーリー、テキストの出来は唸ってしまいます。
ゲームメカニクスについて、気になったのはフォントについてです。
途中からSteamDeckで遊んでいたんですが、最適化は黄色の警告がついていて、注意内容はフォントが小さいということが指摘されていました。潰れて読めないということはありませんでしたが、ディスプレイ上で可読性の低い明朝体が使われていたのが、ちょっと疑問でした。
SFの雰囲気からももっと太い、ゴシック体のほうがマッチしているように感じます。
英語に言語を変えると、若干装飾がありますが、太字のフォントがつかわれています。
日本語よりも先に翻訳された中国語フォントでは明朝体です。こちらが準拠されて、日本語フォントが選ばれたと思います。テストプレイもされているようで、アルファベットフォントに比べてフォントサイズが大きくなっているので、このフォントが可読性低いということもわかっていそう。
開発会社はイギリスらしいので、漢字フォントかっけーみたいな感覚で選ばれたのでしょうか。フォントも無料ではないので、いい感じのフォントを使うにはお金がかかったのかもしれませんが、フォントもゲームの雰囲気を伝える一つだと思いますので、ここは残念に思ったポイントです。