パニックから発売予定の携帯ゲーム機プレイデートについて、知名度はまったくないけど、多分どのメディアよりも更新回数の多い当ブログから、最近のニュースをお届けします。
現在、絶賛予約中のプレイデートですが、公式やメディアから追加情報が出てきたのでそちらをフォローアップ。
ブログ「実録Playdate: 誕生から開発まで」が翻訳され、公開
🟨ブログ「実録Playdate: 誕生から開発まで」を公開しました。本プロジェクト誕生のキッカケから開発の過程を、9時間以上に及ぶ関係者へのインタビューを元に編集!2011年ごろから始まった、狂気の沙汰とも言える日々をご紹介します。お読み、知っていただけたら幸いです。💁https://t.co/io99ibbidr pic.twitter.com/d0qa4gjNgW
— PlaydateJP (@PlaydateJP) 2021年8月31日
ポッドキャスト(英語)の内容を英語でブログ記事化したものを、さらに日本語に翻訳したものです。
全16章からなる、超長文のドキュメントです。
その中から気になるトピックを抜き出して紹介します。
プレイデートはもともと15周年記念の時計として開発がスタート
記事によると、プレイデートはゲーム機ではなく、ごく限られた人向けの記念品となる時計だったそうです。それが、紆余曲折を経て、ゲーム&ウォッチ的な簡易的なゲーム機へ、そこから現在のクランクの付いたプレイデートへと発展していきます。
大きな契機となったのは、シャープ製の高精細なモノクロディスプレイを見つけたことで、プレイデートを製造するマレーシアのS&Oという会社も、シャープとオンキョーの合同会社だそうです。
クランク以外にもいろんなアイディアがあった
初期のアイディアには、背面に円形のカラーディスプレイ、背面や側面にタッチセンサー、ピンボールのようなバネ式のスイッチなどあったようです。
タッチセンサー依存症をなんとかしたい、というコンセプトなのに、初期はタッチセンサーも搭載しようというアイディアがあったのは驚きです。
徐々に洗練されていったんでしょうね。
ボディーカラーの由来
そもそも黄色と紫は、パニックが最初に発表したソフトウェアから愛用する色なんだとか。それに加えて、プレイデートの黄色は、ファミコンの周辺機器であるディスクシステムのディスクの黄色から由来するそうです。
黄色というカラーは、気取らず陽気に見えるし、今のゲーム機やガジェットを見渡しても、メインに据えられているカラーではないので、製品に強烈な個性をもたせることができると思ったんだとか。
開発は想像を絶する苦労した
そもそもソフトウェアの会社なので、ハードウェア開発は困難の連続だった模様です。さらにパンデミックのせいで、部品供給やリモートワークなど、予想できない苦労もたくさんあったようです。この苦労話は、記事の中のかなりの割合が占めており、かなり大変だったことが想像できます。
これは朗報? 初期製造は二万台以上?
2021年のプレイデートの製造台数は2万台といわれており、この出荷台数分は予約開始からわずか17分にて完売。
予約は、国際配送サービスの不具合があり、手続き完了できずに、2022年出荷分になってしまった人も多かったです。僕もその一人。
パニックはこの自体を「あってはならないこと」と重く受け止め、オプションを検討しているとのこと。
その内容は明らかにはなっていませんが、ブログ記事の中(10章」では、「初回生産する2〜3万台分のPlaydateを生産するためのパーツは確保されています」と書かれています。当初アナウンスされていた2万台の1.5倍の数が製造できる余裕があるとすれば、もしかすると2021年出荷分がもう少し増えるかもしれません。
これが不具合で決済できなかったユーザー分に回されると嬉しいですね。
参照-Panic Blog » 実録Playdate: 誕生から開発まで
1分でゲームが作れるPulpの紹介(海外)
海外メディアのGame Developer
にて、ブラウザベースでだれでもゲームが作れる簡易ゲームエンジン「Pulp」についての詳細な紹介が掲載されています。
一部、DeepLで翻訳して紹介します。
参照-Playdate Pulp: Zero to video game in 60 Seconds
ゲームは、誰でも作れるようにしたかった。経験豊富なゲーム開発者は、無料のSDKをダウンロードして、豊富なAPIを使ってLuaやC言語でゲームを作ることができますし、一般的なゲームプラットフォームと同じように作ることができます。しかし、これからゲーム開発を始めようとしている方はどうでしょうか?もしあなたがプレイデートのゲームのアイデアを持っているなら、私たちはそれを迅速かつ簡単に実現したいと考えています。
そのために開発されたのがPlaydate Pulpです。Pulpはコードを書く必要のないゲームメーカーです。Pulpはブラウザ上で動作するので、MacBook、デスクトップPC、Chromebook、タブレットなどで利用できます。
パルプは、タイルベースのゲームエンジンで、我々が想像しやすいのは、RPGツクールです。
レベルとオブジェクトを定義する各タイルは、8×8 pxです。これらのブロックから、クラシックなゼルダの世界のようなものを作ることができるのです。
僕が懸念しているのは、ディスプレイの解像度よりも遥かに低いことです。
つまり、ゲーム全体の解像度がプレイデイトの400×240pxからパルプの200×120pxへと半分になってしまうのです。これは問題でしょうか?というのも、プレイデイトのピクセルは非常に小さく細かいので、多くのゲームでは大胆なアートが採用されているからです。初めてゲームを作る人にとっては、1枚のタイルに4倍のピクセルを描かなければならないというのは、ありがたいことではなく、むしろ不幸なことかもしれません。パルプ』はあえて小さくしています。
この小さな積み木に命を吹き込むために、プレイヤーキャラクターから、NPCや家具、そして歩く地面まで、どれもアニメーションさせることができます。
やはり、パルプは簡単にゲームを作ることに特化したツールのようです。しかし、ゲームを作りたいけど、グラフィックはバリバリ描ける人にとって、この解像度はもったいない気がします。アップデートされると嬉しいな。
ちょっとした学習と創造的な思考ができる人なら、Pulpでコードを書くことができます。これは最初、ちょっとしたハックとして追加したもので、エンジンの既存の仕組みを作者に公開するためのものでした。例えば、オブジェクトやキャラクターに近づくと、彼らは何かを言うことができます。作者はオブジェクトのラベルをテキストボックスに入力するだけで、プレイヤーがオブジェクトにぶつかるとエンジンがそれをプリントアウトします。
このように、簡易的なコードを書くことで、フラグ管理なども可能のようです。
この簡易的な言語には、制限も多くあるようですが、制限を逆手にとって創造的工夫をしてほしいようです。やりようによっては、疑似3Dダンジョンクローラーも作れるようです。
いい音
PulpScriptを使うかどうかに関わらず、音楽や効果音を加えてゲームを生き生きとさせたいと思うことでしょう。幸いなことに、ショーンはチップチューン音楽の愛好家であり、Pulpでオーディオを作成するための昔ながらのツールをまとめてくれました。ビープ音やブープ音の5つのロボットチャンネルを使って、ファミコンの懐かしさをゲームのキャッチーなサウンドトラックに反映させることができます。
ここで作った曲は、今のバージョンではパルプ内でしか使えないようですが、将来的には本家SDKにインポートできる模様。……となると、パルプで作ったゲームプログラムをたたき台にして、SDKで続きを作る、という使い方も難しいのかな。
PulpとPlaydate SDKはまだプライベート・ベータ・テスト中です。今年の後半には、誰でも無料で利用できるようになる予定です。
Pulpは、ゼロからゲームを作ったことがない人でも、親しみやすいゲーム制作ツールです。また、スプライトやレベルを自分でプログラミングできる方でも、素早くプロトタイプを作成することができ、自分のアイデアが通用するかどうかを確認するのに役立ちます。また、新しいスタイルの思考を必要とする楽しいサンドボックスでもあります。一風変わったクリエイティブなワークショップでは、経験豊富なゲーム開発者がどこまでできるか挑戦することもあります。私たちは、『Pulp』が発売された直後に、人々が『Pulp』の中で作った驚くべきものを見て、喜んでくれることを期待しています。
現状プレイデートが手に入るのは2022年なので、パルプだけでも触りたいですね。
本日はここまで!
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