やーと連勤終わり。昨日よりさらに寝坊。ブログ更新に許された時間はわずか。
今日は、長らく中断していた三体III 死神永生の上巻をやっと読み終えたという報告です。
三体III 死神永生のネタバレはありませんが、既刊のネタバレはあり。
途中で読めなくなった人は参考にしてください。
7割近くはすっと読めたんですが、三体批判によくある、この作家は女性蔑視者なのでは? の疑問に対して、それ自体が物語のテーマであり、伏線なのではないか、いやいや、純粋に作家がそういう考えなんだ、どうのこうので、考え込んでしまい、先を読めなくなってしまいました。
三体の宇宙の中では、聖書の失楽園の物語のように、女性(イブ)がやらかして、楽園を追われ、男たちはその尻拭いのために苦難の末に、世界を救うように設定されています。女たちは、困難な状況を作るか、状況が偶発的に変化するまで諦観しています。
三体III 死神永生は、それとは異なる流れになるように思われましたが……うーん。上巻では、以前より伏線がはられ、読者すらも巻き込んで、共犯状態にしたようにも感じられ、最初はすごいな! と思ったんですが、読み進めていくと、この作者じたいが、男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、という固定概念が強いだけでは? と思ってしまいました。
完全にページが進まなくなり、数週間。
視聴しているポッドキャストでは、そろそろ読み終えました、という報告が出てきて、もう次のエピソード聞けないなぁ、とストックが増えてきました。
ところが、あるポッドキャストで、女性の話者が「私は2巻の主人公が好き」と発言していて、衝撃を受けました。
二巻の主人公といえば、四人の人類の代表者(全員男性です)として、人類の経済的リソースすべてを他者の承認なく、対三体人の計画の一部として使用できる権利を得た人物です。彼はこの強権を使用し、自分の妄想の中の理想の若く聡明で美しい女性を、全世界の中から見つけ出し、結婚するという超気持ちの悪いことをします。
あら、そんな男も好きよ、と言ってくれる女性いるのか! と思って、フィクションの物語の中でさえ、男女平等正しく記述されるべきだ、と凝り固まっていたのがアホらしくなりました。それで物語が楽しめなくなるのは本末転倒だな、と。
そんな訳で上巻を読み終えましたが、その部分を無視して読むと、噛み砕けなかった文章がスルスルと入ってきて、非常に面白かったです。
このあたりのモヤモヤは下巻を読み終えてから、改めて咀嚼して、文字にしたいと思います。