※この記事は10月12日に公開しましたが、当時2つ記事を更新してしまったので、記事が更新できなかった23日ぶんとして更新日を振替ました。
9月28日のローンチから毎日1、2時間づつゆっくり遊んでいる原神PC版Ver1.0の感想です。
ファーストインプレッションで、めちゃくちゃ良いじゃん! って思いましたけど、14日間プレイして感想はどう変わったでしょうか。
結論:オリジナリティを求めなければ傑作……多分、今後も。
単純な結論になりましたけど、以下その説明です。
ゲームに何を求めるかでこのタイトルの評価は変わる
二、三日遊ぶと、僕の場合、だんだんと不満が吹き出してきました。
「で……このゲームの製作者は、このタイトルならではの独自性をいつ見せてくれるの?」
このゲームのクオリティは、ファーストインプレッションに書いたとおり、凄いです。魅力的なキャラクター。美しいオープンワールド。しっかりしたイベントシーン。買い切りゲームと遜色ないクエスト。リッチなローカライズ。個人情報の取り扱いの部分で躓いたけど、運営だってしっかりしていて、この2週間、日本のソシャゲにありがちな緊急メンテナンスなんて遭遇しませんでした。
これだけ凄いゲームなのに! よく出来た要素は、全部既存タイトルからの流用なんですよ。キャラクターはアニメから。フィールドはゼルダの伝説ブレスオブザワイルドから。唐突に始まるシューティングバトルはニーアから。クエスト・ミッションはウィッチャー3。マルチプレイは(試せてないけど)モンハンかな? UIだけはゼノブレイドを参考にして欲しくなかったぜ……。
ここでパクリだ、どーのこーのって不満に思う人は、このゲームには向きません。これらの要素がいい具合に混ざり合って高水準にあるのが、このタイトルの正体と言えそうです。
完全丸パクリというのは過大評価すぎる
特に、ゼルダの丸パクリだ、と怒ってる人に朗報です。似ているのは、フィールドだけですね。特にゼルダの伝説ブレスオブワイルドで評価された点は、物理法則が働いて、色々な要素が連動して、別宇宙を作り出していることだと思うんです。
原神でも、「元素反応」というシステムに、そういう雰囲気を出しているんですけど、その正体は今まであったコンピュータゲーム的な単純なギミックです。ゼルダのように、開発者が驚くような創意工夫が誕生する余地は、元素反応には少なくとも現状はありません。
ダッシュのモーションがニーアそっくりだからって、なんだって言うんでしょうか。そんなのニーアの面白さの一端にもなりません。それでも似せて来た、というところが、このゲームを開発した人たちの正体に近づくヒントとなります。
オリジナリティという点では今後も期待できない……彼らはオタクだから
この点をなぜ断言できるかというと、開発会社のmiHoYoの企業ロゴには「tech otakus save the world(技術オタクたちが世界を救う)」というスローガンがあります。
彼らはオタクであって、アーティストではない、ということです。別に蔑む意図はありませんよ。
要するに、彼らは原神をオリジナリティ溢れる、他の作品と一線を画するタイトルとしたいだなんて思っていないんだと思います。オタクとして、自分が愛してやまない作品の要素を取り入れた。ただそれだけなんだと思うのです。そういう意味で、原神は極めて同人(同好の人)的な作品と言えると思います。
あれだけ批判を浴びても、グラフィックやモーションを刷新しなかったのは、彼らがオタクだからなんでしょうね。真似だ、そっくりだ、と批判されることは、彼らにとって、自分の愛を評価してもらったことになっているのかも知れません。もちろん、悪意がないからパクって良いとは言えませんし、僕のように独自性や挑戦を評価するという人にとっては、その点が減点対象になってきます。
残り5カ国のアップデートが予定されていますが、おそらく見たこともない独創的な景色を見たいという欲求は満たされないと思っています。追加されるシステムも、開発者が今ハマってるタイトルをフィーチャーしたものになると思います。ただし、彼らの技術力は高いので、そのクオリティは満足できる高い水準を満たしてくれると思います。
成功の理由はパクリではなくクオリティの高さ
辛辣な感想を書いてしまったので、ファンの方に誤解されているかもしれませんが、このタイトルのクオリティの高さそのものは認めざるを得ません。
稼働一週間で50億円以上のセールスを叩き出したのは、人気ゲームのパクリだからではなく、クオリティの高さ故でしょう。
ガチャ確率が渋い、渋いという批判を目にしましたが、無課金で14日遊んで、最高レアリティの星5を一つもゲットしていませんが、ゲーム進行になんら支障をきたすことはありませんでした。もちろん長く遊べば、きつくなってくると思いますが、そこまで遊んだなら課金しようぜ、流石に。
買い切り型のゲームの場合は、富める者も貧しい者も一律の金額を支払うのが普通ですが、ガチャ課金ゲーは、余裕のあるものはより多く運営に還元することができます。
射幸心を煽って、ガチャそのものをゲーム化しているタイトルは、富める者も貧しい者にも等しく重課金を課そうとしていることが問題なんです。ここまで作り込まれたゲームを無課金でも普通に体験できるのは、非常に珍しいと感じました。
クオリティが高くても、自分に合うかは別問題で、僕も友人二人とマルチプレイをしたくて、勧めてみたんですけど、ガチャで星5が出たかどうかで盛り上がっただけで、その後音沙汰なし。
ソシャゲの限界ってどこまでいっても、ガチャが一番おもしろい要素というところ。ガチャを回すため、やりたくもないデイリーミッションをして、ダンジョンを周回する……僕の年齢になると、凄くもったいない時間なんですよ。そういう点では、やっぱり僕はどこまでいっても買い切りゲームを贔屓にみてしまいます。
原神の成功を見て、二匹目のドジョウを狙ってくる連中が現れてくると思いますが、ちょっとここまでの開発・運営力がある会社が国内にあるのでしょうか……。緊急メンテナンス、緊急メンテナンス、緊急メンテナンス。
そして、詫び石要求。中国のこととやかく言える民度じゃないよね。
唯一の改善要望としては、毎回デフォルト操作がキーボード+マウスになって、ログインする度にゲームパッドに設定を切り替えないといけないことです。原神がどういうゲームか納得できれば、不満はそんなものです。
今後課金していくか? ってことですが、現状はそこまで熱中できていません。儲かってるなら、別に無理して応援しなくても良いよね。