久しぶりにソフビのレビューです。
仏像とサイエンスフィクションを融合した、奇想のDr.ミロクシリーズですが、龍燈鬼改&御神岩ロケットを皮切りに、その第2部がスタートしました。
今回レビューする第2部の新しいキャラクターは、今まで仏像をフィーチャーしてきたこのシリーズ初となる、体外勢力からの侵略者! にしてシリーズ最大のボリュームとなります。
田舎で悠々自適な隠居生活をしてきたミロク・ネコバーグ博士が、狂気の兵器開発の道に踏み入れる原因となったのは、彼等インベーダー達の襲来を知ってのことなのでしょうか。
第一回東京コミコンにて未塗装版が2種類販売され、今回の赤成型色のものが塗装版としては最初となります。12月に抽選販売開始、新年明けてから当選者に発送。新年を記念したカラーリングは過去にもあり、今後定番となるカラーリングかも知れませんね。
全高約25センチ。パーツは、頭部/胴体/二ノ腕×2/前腕×2/腰/足×2/乗っ取りパーツ(後述)で計10パーツとなり、サイズ・分割数供にシリーズ最大となります。
これがセベックだ!!!
今まで仏教の仏像をモチーフにされていましたが(カラーリングでは王家カラーなどありましたが)、今回はなんとエジプト神話のセベク神がモチーフとなっています。
セベクはワニの頭を持つ神で、彼の名前は「妊娠するかしないかを決める者」を意味します。
セベクは、鰐(クロコダイル。以下「鰐」と表記)がナイル川に深く依存していた国民に非常に恐れられたことから、鰐が神格化された神である。
ナイル川で働いていたり、水面を移動したりしていたエジプト人は、鰐とナイル川の神であるセベクに祈るならばセベクが自分たちを川に住む鰐から攻撃されないよう保護するだろうと望んでいた。
神セベクは、鰐または鰐の首を持ちラーと同様の角・太陽円盤・2匹のウラエウスを組み合わせた頭飾りを付けた男の姿で表される、強大で怖がらせる神であった。セベクはまたミイラにされた鰐でも表された。
一部のエジプトの創造神話においては、世界を創造するため混沌の海から最初に現れたのがセベクであった。セベクは創造神として、太陽神ラーとしばしば関連づけられた。
長いエジプトの歴史の中では、神々の解釈は時代や土地で違うようで、最高神のラーや、セト、ホルス、ゲブと同一視するようです。仏と同じく、多神教あるあるですね。
Dr.ミロクとのサイズ比較。
ここまで大きいので、値段もさぞや……と覚悟していましたが、なんとか僕の財布でもカバーできる価格でした。有り難し。
手に持つとこんな感じ。
で、でかい!!
可動にかんしては、残念に思う方もいるかもしれません。
マッシブアタックと同じく、肩は固定です。
これは、Dr.ミロクシリーズがあくまで「カタチ」を楽しむコンセプトが強いからだと思います。「仏像戦隊サレンダーズ5」と明確な違いがあるのだと思いました。
ワニの頭部と、ファラオの装身具のような王冠? の部分。
メタリックな塗装が、ヌメるワニの鱗を上手く表現しています。
後ろには、尻尾や鱗のような表現が。
幾何学的な図形が合わさった、情報量の高い背中です。
首元には絢爛豪華な飾り。
赤は紅玉髄(カーネリアン=ラテン語で心臓)、ミイラの副葬品として埋葬されていたそうです。
空色はトルコ石(ターコイズ)、濃い青はラピスラズリですね。ラピスラズリは金よりも価値が高かったとか。
腰の部分にはスカラベ(フンコロガシ)。
転がす糞を太陽の運行にみたてて、太陽神の化身とし、糞の中から誕生する様から再生と復活の象徴とされ、神聖視されました。
二の腕には鈴でしょうか? 糞の上に立つ人にも見える。
左腕の武装。鈍器としても大変凶悪そうですが、幾つもの砲門がみえます。ゲジゲジのように気味の悪い動きをするに違いありません。
右手の裏には、ヒートロッドのような隠し鞭があります。
腰。大きくせり出した鎧のような意匠。
古代エジプトでは銀の価値の方が金より高く、金に銀メッキすることもあったそうな。
お尻の部分にはウジャトの目。
エジプト神話において、右目は太陽の象徴であるラーの目、左目は月の象徴であるウジャトの目らしいです。どちらもホルスの目で、ホルスがセトと戦った時に、奪われたのが左目のウジャトの目で、つまり月(夜の象徴)を奪われて夜の世界の支配権を失ったという事でしょうかね? ホルスは鷲の頭の神さまですが、鳥目を説明しているのかな? セベックはセトの神格を持っているということかな?
矩形を複雑に組み合わせた足の造形。メカ好き大興奮。この写真でご飯が美味しく戴けます。塗装のグラデーションも美しい。
後ろ。この作りをみると、逆接レッグという訳ではなさそう。犬の足のように爪先立ちしている感じでしょうか? ふくらはぎか踵の部分にホルスの目が両目揃っています。
さて、Dr.ミロクシリーズといえば、カンチャク経を共通にした組み換えギミック。
今回は、乗っ取りパーツという追加パーツを使って実現しております。
届いた時はこの状態で、なんと購入者自らがカンチャク穴を加工するという面白い試み。こんな素晴らしい作品を自分が加工していいのか、正直迷いました。
けど、レビューブログをやっている手前もありますし(勝手な使命感)、「もっとガシガシ遊んで良いんだよ」というミロクトイさんからのメッセージと思い(勝手な解釈)、届いたその日に加工しました。
やり方は簡単。ドライヤーでクニャクニャになるまで温めます。
そしてカッターで切ります。ソフビが固くなったら、温め直し、カッターの刃はケチらず新しくしましょう。
ノコギリの様にあまりギコギコしない方が綺麗にカットできるかもしれませんね。
まあ、隠れる部分なので、そこまで神経質にならなくて良いかもしれません。
ちなみに、切り取った「み」マークを集めるとプレゼントが当たるという企画があるそうです。
かなり勇気がいる仕様ですので、全ての人に進められるのもではありませんが、自分は加工して良かったと思っています。
どうしても、出来ないという方向けに、いくつか組み換えバリエーションを紹介します。
まずはDr.ミロクとの組み換え。想像以上に納まりが良いです。
三天王セベック。
ミロクローンピュータセベック。
これがかがくのちからだ。
乗っ取り邪鬼乗っ取りパーツセベック。
地蔵セベック。
操ってる感バッチリ。
龍燈鬼改セベック。
君だけのステージ。
ミロクマルも乗っ取り。
一応ハマりますが、少し向きを変えないと背中の炎が干渉しますが、これはこれでアリ。
そして、
最終形態、マッシブセベック。
この跳ね出し感。
如何だったでしょうか、侵略者タイプA セベックでした。
ますますシリーズが拡大。
とどまるところを知らない、この面白さ!
また侵略者タイプAの「A」の意味するものとは!
ますますこのシリーズから目が離せません……!
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