独特のアートワークで購入を決めたニンテンドースイッチ用ダウンロードソフト「ジェットメロ:ヒーロー・オブ・ザ・ユニバース」です。
同じ理由で購入を決めたGRISは、その日にレビューして、こっちはひと月以上放置されていたことからも、このタイトルのゲームとしての評価が推測できると思います。
(もう続けたくないので、クリアしたと思っています)正直つまんないゲームでした……が、惜しい部分がたくさんあって、購入を後悔することはありません。
箱庭的宇宙を、成層圏を突き破るくらい巨大なロボットが、闊歩するスタイルに惹かれました。ジェットメロという主人公は、記憶喪失になっています。星々を巡るうち、自分に立ち向かう怪獣が現れます。そこで自分を宇宙を守るヒーローと定義しますが……。
残念ながら、ゲームが始まって30分も経たないうちにオチが読めてしまうんですよね……。
ジェットメロは、おそろしく頑丈ですが、非常に不器用で意図せず地上のビルを破壊してしまうことがあります。
「あ、ごめん!」では、すまない話だろいう……。
無邪気なんですけど、とてもシリアスに考えると、数万人規模の人間が犠牲になっているはず……。
アートスタイルは本当に素晴らしいです。
うおー、かっこいい #NintendoSwitch pic.twitter.com/L321inwi40
— スモッグ (@smoglog) 2018年11月7日
落ち着いたテンポのBGMをバックに、宇宙遊泳のシーンは気持ちいいですし、地上でジェットメロがポカをしてビルをなぎ倒した時は、シュールに写ります。
#NintendoSwitch pic.twitter.com/iTPHeKp9Lx
— スモッグ (@smoglog) 2018年11月7日
フォトモードが搭載されています。
ゲームとして問題なのは、レベルデザインについてです。GRISは良いレベルデザインをしてましたが、ジェットメロは良くありません……というか、その理論すら無いように思えてなりません。
ジェットメロのストーリーの進め方はこうです。
ワープゾーンに入る→星系を旅して惑星に降り立つ→怪物を発見して倒す→攻撃のショックで記憶を思い出す→新しい星系へ。
このシークエンスを繰り返します。
正直、ギミックも難易度も(僕には)変化したとは思えないので、すぐに飽きてしまいます。
星系の見た目や興味深いストーリーが展開すればよいのですが……。
惑星のデザインは似たり寄ったりで、色も同じ色が使われていたりするともう見分けが付きません。
ストーリーは、最初の予想どおりでした……。
コレクション要素があり、地中にジェットメロのパーツが埋まっています。
パーツを変えても代わり映えしませんし、ゲームとしてオマケ程度の面白い要素ではないのですが、話の伏線になっていて、演出としてこの部分は上手いなと思いました。
テーマは非常に興味深いです。
ヒーローと思っていた自分が、実はこの世界の厄災であった。
埋まっているパーツは、過去の自分(または同型)であるというのは悲劇的です。
記憶を失ったのは、過去の攻撃によるもので、実はループしているということ。
しかし、30分でネタバレしてしまうのは底が浅いと言わざるを得ないです。
逆説的に、ジェットメロという存在がいるお陰で星間戦争にならずに済んでいるという考え方もできます(古代王朝が大河の付近でできるのは、川の氾濫によって肥沃な土地になるからではなく、川が氾濫するから戦争している暇がないから、という説を僕は支持しています)。
被害を最小限に抑えながら、ヘイトを集めて、陰ながら世界の調停者となっている……それをゲームプレイに落とし込めれば、もっと意味のある作品になったのではないでしょうか? 惜しい作品でした。
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