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ソフビ雑記38:モチーフの盗用や被りはタブー?

ソフビそのものについて、僕の浅い知識と独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。

前回記事で予告したとおり、今回はソフビのモチーフ選びにおいて、盗用や被りについて語りたいと思います。

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モチーフというのは、パチソフビなら元となった作品やキャラクター、オリジナルなら動植物・物体などのことです。

まず、モチーフの盗用とモチーフ被りを定義しましょう。前回記事にした海賊版(クローン品)とは別と定義します。

 

モチーフの盗用とは。元の人気にあやかって、儲けようとする場合がひとつ。元があまりにも人気かつ、入手困難の場合。無版権ソフビもここに含まれるかな。

また、自分の方が絶対、今あるものよりも良いものができると確信して作成する場合も同様に盗用と言っても良いかもしれません。ピカソはブラックからキュビズムを盗用し、自分のモノにしました。並の芸術家は真似る、真の芸術家は盗むってやつです。

 

モチーフ被りは、元があまりにも好きすぎて、自分も同じような作品が作りたかったという場合です。こちらもあまりにも人気かつ、入手困難の場合が多いような気がします。絶版品など。

また、意図しなかったモチーフ被りもあります。たまたま同時期に構想し、完成した。パンデミック時のアマビエなどは、そういうパターンが多かったのでは。

盗用なのか、被りなのかは、表面上は判別しにくいです。個々の判断、作家本人のみぞ知る……でしょうか。

 

原型に着手して、制作作業を公表して、ソフビ化の前に同じモチーフで先にソフビになってしまう。この場合、意図した盗用なのか、たまたま被ったのか判別できません。

しかし、その作家さんなりメーカーさんの過去作などを参照にすれば、なんとなく怪しい雰囲気が漂ってくるものです。個人的には、そういうパターンが続くと、かっこ悪いと感じて、購入意欲が失せますね。あえて、風刺的な視点で被せていく、という意図があれば違いますが……。

 

ところで、いちコレクターの勝手な意見としては、オリジナル作品ならまだしも、パチソフビにおいて、モチーフを盗用された、というのは道理が通るものなのでしょうか? これが昔は疑問でした。自分がこのパチソフビの元祖だ、と主張したところで、原作者がデザインが盗用されたと主張すれば、盗人猛々しいとはこのことってことになってしまいます。さらに、インディーズソフビの世界は、作家との繋がりが強いですから、モチーフが被ったことよりも、その作家の作品であるかどうかのほうが重要、無視してもよいのでは? と考えていました。

 

これは非常にグレーで、個人的見解極まりないのですが、モチーフ選びというのは、作家さんのセンスが、ものを言う部分なのだと思います。人気のある・ユーザーが求めるモチーフだから、という単純なチョイスではなく、時に大胆に、思わずコレクターや他の作家が「ああ、やられた!」 と唸ってしまうような、盲点を突かれたような痺れるようなモチーフ選びができる作家さんというのは、やはり存在感が増すものです。

そのモチーフ選択に、自信があるからこそ、盗用されたり被されたりするのに困惑や怒りを覚えるのでしょう。購入者が、オリジナルと盗用・被りのどちらを最初にゲットできるかわかりません。逆に盗用・被りの方を先に入手して、オリジナルが後から作られたと思ったら、オリジナルの製作者としては辛いです。パチソフビは、偽物であるということを最初からわかっていて、そのグレーな感じを楽しむものですから、その点が違います。

 

他の作家さんが選んだモチーフを避けよう、とは僕は思っていません。

好きなモチーフだから、作家関係なくコレクションしているというのも、素晴らしいです。それぞれの良さ・悪さを評価するのは、作り手ではなく、作品の所持者だからです。

同じモチーフを選ぶなら、作家さん独自の要素を盛り込むべき……というか勝手になってしまうものと思っています。作家さんそれぞれの違いを楽しむのもコレクションの醍醐味です。そのうえで、ああ、これは上辺だけ真似たものだ、真にリスペクトして自分ならではの表現を志している、とか感じるものだと思っています。

盗用された、真似されたとお怒りになってる作家さんも、それを所持しているコレクターまで恨んではいないと思います……と思いたいです。

 

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