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POINPY(ポインピー)-プレイ環境以外にケチつけられない出来

サイバーパンク・エッジランナーズのためにNetflixを契約して、「あ!! そういえばアレがプレイできるぞ!」 とNetflix契約者の内、利用者は1%以下とも噂されるNetflixゲームストアのPOINPYをダウンロードしてみました。

Netflixアプリ内ではなく、別アプリをインスコして、Netflixアカウントで認証するスタイルなんですね……。

POINPYは、Downwellを開発したもっぴん氏による新作ゲームです。ゲームデザイン、手触りの良さ、レベルデザインの巧妙さなど、新時代の天才ゲームクリエイターの一人として彗星のごとく現れた個人製作者でした。その後任天堂に入社し、横井軍平、岩田聡、宮本茂のような同社の看板になっていくのかな……と思っていましたが、数年で個人製作者の道へと再び舵を切り、再スタート後に大注目の新作となります。

リリースプラットフォームがNetflixと知って、インディーゲームを追っかけてる多くの人間が「ズコーッ!」 となったのは想像に難くありません。

従来のNetflixユーザーからしたら、鬼才ゲームクリエイターの新作と言われても訴求力がないし、ゲーム好きからしたらアクセスしにくいプラットフォームに囲い込みやがって、となりますので、逆にヘイトが溜まりそうな感じ。映像コンテンツに興味がなかった人を呼び込むマーケティングなのは理解できますが、うーん、Netflixの広告付きで、無料プレイ可能とか、そういう方式のほうがアプローチできるのでは。

今は、注目作のサイバーパンク・エッジランナーズを観るついでに、という感じでプレイしてみると良いと思います。

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ゲーム概要ですが、タッチスクリーンに最適化したプラットフォームアクション+ピンボールゲームという感じです。

最初のチュートリアルの印象が個人的によくわかりませんでした。こういう導入部分が上手な開発者と思っていたので、最初は印象良くなかったです。

操作キャラは、アングリーバードやモンスターストライクのように画面をタッチして、引っ張って、指を離して飛ばす、というのが基本操作になるのですが、自キャラがどういう動きをするのかもわからず、操作を要求され最初の操作につまづいて、うまく飛ばせませんでした。自キャラの登場シーンで、オートで動いて「こういう動きするんだな」と理解できるデモシーンがあればよかったかも(その役割をトレイラーが担っていたかもしれません)。

ダウンウェルが下へ下へと落ちて、白黒赤の限られた要素のビジュアルだったのに対して、ポインピーは上へ向かう、カラフルなビジュアルなど、要するにダウンウェルの単純な逆張りなのでは? ダウンウェルが大成功したから、第二弾は無難にまとめたのか? などと思ってしまいました。

 

プレイ内容は、画面下のモンスターの機嫌を損ねてしまったので、操作キャラが上へと逃げながら、フルーツを集めて、モンスターのご機嫌とりにジュースを振る舞うというもの。自キャラの緑の恐竜が手に持ってるのは、ジュースのシェイカーなのかな?

モンスターストライクとはことなり、引力がありますので、ピンボールとしての挙動が異なります。壁蹴りは一回。ジャンプは複数回可能(制限あり)で、空中で連続ジャンプすると、タップ中は時間がスローになりまので、その時間にジャンプの方向を操作します。連続ジャンプ中に一度でも地面に設置してしまうと、集めたフルーツをロストします。最初のジャンプから着地するまでが一つのループとなり、緩急が生まれます。

敵は障害となりますが、踏みつけるともう一度ジャンプできます。自キャラよりも敵が上にいるときは障害ですが、ジャンプで敵が下方にいればチャンスになります。桜井政博さんの言うリスクとリターンの体現。素晴らしいアイディアです。


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敵にぶつかるか、時間制限内に要求されたフルーツが集まらなければ、ライフを一つロストします。

 

ダウンウェルがパーマデス(永久死-ゲームオーバーしたら最初から)だったのに対して、ポインピーはアップグレード・カスタム要素があり、途中でゲームオーバーしても集めたスコアで、自キャラを強化・改造できます。

ライフアップ、ジャンプ回数アップ、装備品ガチャ(課金要素なし)、装備枠増加など。

装備ガチャを回す金の種は、フルーツを集める際に要求されたレシピ以上過剰に集めることでももらえます。一回のジャンプでどれくらい大量のフルーツを集めることができるのか……一気に大量に集めることができると、落ちものパズルにおける連鎖のような気持ちよさがあります。腕の見せどころです。

 

装備ガチャで良い装備で固めると、フルーツが集めやすくなるので、どんどんプレイ回数か増えていきます。

ダウンウェルで「自分には難しすぎる!!!」 と感じていたので、ポインピーはプレイ回数を増やせば、どんどん簡単かつ派手になり、いつかはクリアできそうです。

 

このゲームの唯一の不満は、Netflixゲームというプレイ環境そのものです。非常に出来が良く、それでいて奥深いゲーム性。カジュアルで間口の広いので、多くの人が楽しめる内容になっていますが、プラットフォームの認知の低さ・アクセス性の悪さのため、現状は「埋もれた傑作」になってしまっている印象です。

開発者にきちんとした報酬を支払っているからこそ、リリースできたのだと思います(開発者のほうが、きっとユーザーよりもNetflixゲームからリリースすることはどういうことかわかっているはず)が、この状況は作品にとってベストだったのか、「ユーザーにゲームを届ける」という点ですごく疑問です。将来、Netflix独占タイトルが解けたら、広く認知されるタイトルになりそうです。

 

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