ソフビそのものについて、僕の浅い知識と独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。
以前、ソフビは現代の浮世絵だ、という記事を書きましたが、ソフビを、ゆるキャラになぞらえて、考えていけないかな、という試みです。
まず、ゆるきゃらのことをちゃんと説明せねばなりません。ゆるキャラとは、地方自治体などが地域のPRを目的としてデザインしたマスコットキャラクターのことです。いわゆるご当地キャラなんですが、「ゆるキャラ」という名称は漫画家、エッセイストであるみうらじゅん氏が考案しました。
その条件は、以下の三ヶ条。
- 郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
- 立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
- 愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。
当時は、「ゆるいマスコットキャラクター」の略語であり、人が真剣に考えているのに「ゆるいとは何事だ!」 とマイナスイメージを持つ人も多かったそうです。時代が移って、ひこにゃんがブームになった2006年を境として、「ゆるキャラ」という名称が積極的に使われるようになりました。
なにが起こったかというと、ひこにゃんという、ゆるくない「ゆるキャラ」が誕生したことで、一般の人もかわいいキャラクターとして受け入れられ、爆発的に全国に人気が広がったのです。2013年には熊本のくまモンが登場し、グッズ展開などもされました。ウィキペディアには、2020年10月時点で、日本ご当地キャラクター協会(彦根市)への登録は全国約230だが、実際はその何倍ものキャラクターが生まれていると記されています。
さて、記事の頭に書いた、ゆるきゃら三ヶ条ですが、個人的に僕の好きなソフビの三ヶ条でもあるな、と感じています。郷土愛かどうかはともかく、なにかメッセージ性を感じること。完璧なシンメトリーではなく、不安定で歪だけど、ユニークであること。そして、愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。……まさしく。もちろん、持っているソフビ全てがそうではありませんが。
自分の住んでいる滋賀県のご当地キャラを避難するつもりはないのですが、ひこにゃんのような、どこにもゆるさの欠片のない、ただただ完璧な愛らしさをまとったキャラクターにはない、ある種のスキ、垢抜けなさ、素人臭さ、ゆるさ……が僕の好きなタイプのソフビにはあるんですね。そこが愛おしいと感じたり、面白いと感じたりするんです。
僕が思うに、ソフビがポピュラー化するのに重要になっていくには、ひこにゃんやくまモンが居たように、ゆるくない、誰がどう見たってカッコいい・かわいいソフビが必要になってくるんでしょうけど、僕としては、そこからこぼれた、どうしてこんなぶっさいくなキャラにしたの? どうしてこんな組み合わせにしたの? っていう、そういう本来の意味でのゆるキャラみたいなソフビが好きなんだよなー、って思いました。
あ、ゆるキャラブームといえば、ふなっしーもいましたね。個人的に、あいつだけ、なんか別枠感あります。喋るから? ソフビの立ち位置でいうと、アート系? そんな感じでしょうか。
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