ソフビそのものについて、僕の浅い知識と独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。
ソフビは、パーツ同士の可動と合体のためにカンチャクという嵌合方式をしています。
ブログでも何回かカンチャクについては、テーマにしました。
表には出てきませんが、これがないとソフビは成立しません。
僕は、買った作品全部を分解してカンチャクを確認する……ほどのマニアではないですが、クリア素体から眺めたり、時々構造が気になって分解してみたりすることがあります。
その中でなんとなく思ったことをツラツラと書いていきます。
まず、最初に語りたいのは、カンチャクの渋みについて。
一番イヤなのがゆるすぎるカンチャクです。飾りにくい。でも、自分はそういう個体には出会ったことはないです。
緩いカンチャクよりは良いですが、極度にギチギチの硬いカンチャクも困りもので、ポーズを手軽に変えにくいですし、遊んでいくうちに、穴の切り口でくびれが擦り切れてこないか心配になります。
しかし、これは作家さんの好みで、硬めが好きとかあるようなので、作家さんならではの持ち味でしょう。
最近の傾向としては、やはり固め傾向が強いように思います。手で遊ぶよりディスプレイ要素が強いのなら、固い方が良いです。しかし、冬場なんかは特にガチガチに締まってしまうのですよねー。夏抜いた作品と冬抜いた作品ではカンチャクの固さが違ったりして?
個人的に所有している作家さんの中で、(あくまで僕の中で)特別な最高なカンチャクの渋みがあり、それはガーガメルさんの作品です。
ガーガメルさんのカンチャクは、本当に絶妙。
硬すぎず、ゆるすぎず、ぬるるるっと動いてくれます。
冬はともかく、夏場なんかは、ちょっと緩いんじゃないか、と心配しますが、大丈夫。ちゃんとしっかり自立してくれます。
好き嫌いは別として、低リスクに組み立てるなら、穴は小さく作ったほうが無難です。大きく切り取ってしまうと、ゆるくなって自立しなくなってしまう。長年の経験と研鑽が、この絶妙な渋みを作っているのではないでしょうか。
ガーガメルさんのカンチャクのバリ部分(バリの残りといいますか……)の長さなんかも、よく見る感じより短くなっていて、見えないところまで拘っているように感じます。
次に言いたいのは泡抜きの処理。
泡抜きとは、この部分。
カンチャクは、多くは材料を型に流し込む湯口の部分に造作されることが多いです。
この部分って、気泡が溜まりやすく、成形物の品質を左右します。
そこで、泡抜きという通り道を作って、空気を逃がしているんです。
しかし、このディテールをそのままにしておくと、完璧にパーツ同士が合体しません。
なので、こんな感じで、溝を作る必要があり、この部分の仕上げの個体差は結構あります。
たまたま、自分の個体が、しっかり泡抜きがキレイに処理されなかった場合、僕の場合は、自分でカッターでキレイにしてしまいます。完成品に対して、勝手に手を加えるわけですから、これは賛否分かれるかもしれません。
でも、僕は泡抜きの処理が不十分なせいで、ピッタリとパーツ同士が噛み合ってないのが嫌なのです。
最後は同じ太さのものを繋ぐのが難しい、チャレンジングだ、という話。
カンチャクという嵌合方法は、とても強固で、しかも柔軟です。
アバウトな誤差を許容する懐の深さがあります。
しかし、アウトラインが繋がっているような造形は、かなり難しいみたいです。
図にするとこんな感じ。
くびれのあるようなアウトラインは問題ないですが、2つのパーツがスッキリ繋がっているようなアウトラインは、結構リスキー。
原型でピッタリさせていても、実際型から抜いたときの収縮の仕方が、パーツ毎に微妙に異なるようで、微妙な段差ができやすいようです。
中に挿入したカンチャクが押し広げている可能性もあります。
ときには、その不揃いな感じが愛おしかったりするのが面白いところです。
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