Mirock Toy / GOHOSIN[Summer Soul Color]
*記事の訂正(2015/09/14):サマソーカラーとはSummersaltではなく、サマーソウルの事でした。歌の曲名だそうです。申し訳ありませんでした!
ワンフェス戦利品その11。
前回、前々回とは作風がガラリと変わって荒々しい質感の木彫風の作品です。
モチーフは、おそらく荒子観音寺の円空作、護法神像かと思われます。
円空は、江戸時代の僧・仏師・歌人で、円空仏と呼ばれる独特の作風の仏像を生涯で1万体以上作成したと言われています。簡素化され、野性味に溢れた仏像は鉈による一刀彫と伝えられていますが、実際は多数の彫刻刀により、丁寧に彫られているそうです。そこには、民衆が気軽に拝む事ができる、量産可能な仏像をという想いがあったそうです。皮肉なことに、出来栄えが評価されたことで大寺院で秘仏扱いになる事もあったようです。
「量産可能な仏像」というキーワードが、型から同じカタチを量産できるソフビと重なっているように感じました。
大きさは約14センチ。もちろん1パーツ構成です。
護法神は、仏法と仏教徒を守る神々のことで、前回紹介した大黒天や弁財天、毘沙門天なども、これに含まれます。名前に「天」が付く神様は、ここに含まれるのかな?
元々は他の宗教から吸収された神々が多いように思います。
仏教の神様の区分は、宗派によって違いがあり、調べるのもなかなか面白いです。
▼このポッドキャストの14回、15回で説明されています。
荒々しい彫刻なのに、お顔は柔和な感じがします。
背面の梵字はミロクトイさんがアレンジで付け加えたのでしょうか?
コチラのサイト(梵字字典1)を参考にすると「ウン」という字で、降三世明王、伎芸天、荒神、阿閃如来を意味するようです。護法神は天なので、この場合は伎芸天なのかな?
良いお顔。
ミロクトイさんが原型に木を使っているのは、ソフビファンの間では有名な話だと思いますが、その木は自然の木ではなく、MDFという木の繊維をほぐして接着剤で固めた合成木材であることを雑誌・森本書店のインタビューで知りました。自然の木にある節や繊維の不均質さがないので、素直に彫ることができそうですが、今回の木彫り風を再現するのには、その人工的な感じを消す作業があったのではないか、と思いします。
木材が乾いて割れた感じ、経年劣化でささくれた感じが見事に表現されているように感じました。
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