ゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス(+α)を機械的に完全動作するプレミアム互換機「Analogue Pocket」で、ゲームボーイの名作「カエルの為に鐘は鳴る(1992年/任天堂)」をプレイしてクリアしました。
コアなファンが多く、リメイクの要望も根強い作品ですが、アラフォーのおっさんになって初めて遊びました。夢も希望も失った枯れたジジイによるレビューですので、思い出が壊される可能性ありますのでご注意ください。
……と言っても、大筋はとてもおもしろかったです。でもリメイクするよりも、このまま当時の思い出のままに留めておいたほうが良いのではないか、そんなふうに感じた作品でした。
この作品の開発は、ファイアーエムブレムで有名なインテリジェントシステムズ。ファイアーエムブレムしか作ってないと思ってウィキを調べたら、ペーパーマリオやメイドインワリオなども制作されていたんですね。動物番長なんて懐かしい……。
カエルの為に鐘は鳴るの概要を説明すると、アドベンチャーゲームやRPG、横スクロールプラットフォームアクションゲームなどの他ジャンルを横断するゲームで、近代のゲームを遊んでいると、個人的にニーアシリーズの源流的なもの(ゲームの作り的にですよ、内容は関係ない)を感じました。
悪の軍団に占領される王国、消えた王女、二人の王子と王道ファンタジーの世界かとおもいきや、近代的な研究所が登場し、ひみつ道具が活用されて意表をつく展開など面白かったです。
当時の世相なのでしょうか、任天堂らしからぬやや過激なセリフ回しが見受けられ、このあたりもリメイクの障壁になりそうです。
お話は最後にちょっとした捻りが加えられていて、とても良かったです。姫の正体はどっちなんでしょうね。個人的に、花を手向けたリチャードの逃げ勝ちのほうが面白いですけど(笑)。
ゲームシステムは、人間からカエルなどに変身して、カエルの姿では話が通じないので、元の姿に戻るために王国中を巡ります。人間とカエルの姿では、特性が異なり、戦闘では無力(虫系の敵に対しては無敵だったり、人間の兵士からは見逃される場合がある)ですが、横スクロール画面では大ジャンプができるます。最初はデメリットしかないカエル化だったのですが、変身を上手く活用して活路を見出していきます。
リメイク化の壁になりそうなのが、バトルシステムの部分です。
シンボルエンカウントすると、時間が切り離されてバトルスタート。一対一でオートバトルです。自分の体力と攻撃力によって、勝敗が最初から決まっています。マシンハードの制約もあったかと思いますが、ゲーム性の介在しようのない正直タンパクで面白みのないバトルです。裸のゲームソフトだけで購入したため、途中まで逃げるとアイテムを使うコマンドを知りませんでした。わさびをどうやって使うんだ……??? ってなってました。
このシステムをこのままリメイク版でも採用するとなるとは、個人的にちょっと思えませんね。
道中を通せんぼする要素を打開するアイテムの使用シーンがたった一回だったりして、ギミックとしてもったいないなーと感じる部分もありました。
岩を移動するパズル要素や、ツルハシなど。
容量の関係か、BGMが簡易的なシーンが多かったように感じました。
サブキャラまで尖ったキャラクター達、意表を突く展開がとても良かったです。
個人的に、ヘビになってしゃがみ状態だと人間に戻る果実が食べられず、マナー違反であると王子という出自ならではの理由を口にするのが良かったです。ゲーム的には、ヘビ穴の中で人間に戻れないようにするためなんですけど、トンチが効いてるじゃないですか。
火山で詰まってしまった以外は、つるっとクリアすることができました。
大人になってしまうと、システム面の出来とか小難しいことを考えてしまって、純粋な気持ちで楽しめなかった部分もありますが、とても良い作品だと思いました。
このお話の叩き台は、スサノオのヤマタノオロチ退治なのかな。姥皮の要素は確実にありますよね。蛇婿入譚ってやつ。