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Analogue Pocketレビュー-人生のマスターピースが思い出以上の輝きで蘇る(追記あり)

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去年の夏に、幸運にもプレオーダーできたAnalogue Pocketが、延期に次ぐ延期を経て、とうとう届きました。

Analogue Pocketは、初代ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスの互換機で、各種アダプタを装着することで、ゆくゆくは全ての携帯ゲーム機が遊べるようになる、という野心的な製品です。

 

この手の互換機との違いは、Pocketはソフトウェアエミュレーション機ではなく、現代の高品質な部品にアップデートされた機械的に当時のハードと同じように動くマシンなんです。ゲームプレイには、実物のカートリッジを必要とし、ROMの吸い出しは不可という仕様です。

追記:オープンFPGAという機能が追加され、有志が開発した対応するシステムのコアと手持ちのROMから吸い出ししたデータを使うことで、携帯ゲーム機以外のゲーム(ファミコンやSFC、メガドライブ等)も遊べるようになりました。

 

Analogue Pocketは現在予約中。発送は2023年となり、価格は現在少し値上がりして、219ドルで送料をあわせると、日本円で27,000円程度になってしまいます。はたして、その価値はあるのでしょうか? このレビューで参考になれば幸いです。

(OSはまだアップデートできておらず、Ver.0.9時点のレビューとなります。)

参照-Analogue

 

まず、結論。

史上最高の携帯ゲーム機のディスプレイ。

あなたが、レトロゲームの資産をもっていて、思い出補正以上の感動をもう一度味わいたいのなら、Analogue Pocketは安すぎる買い物です。

 

良い点

上質なパッケージ

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本体ばかりか、周辺機器にいたるまで、パッケージは一貫したカッコいいものが使われています。

 

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初代ゲームボーイを世襲するアイコニックなスタイル

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Pocketの大きさは、ほぼ初代ゲームボーイ、厚みはほぼゲームボーイポケットと同じです。

重さは278グラムあり、比較するとゲームボーイが約310グラム、ゲームボーイポケットが約150グラムです(両方電池込み)。ちなみにSwitch Liteが275gなので、ほぼ同じ重さです。

小さなお子さんにとっては、サイズのわりに重いと感じるかもしれませんが、個人的に問題ない重さでした。

 

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オリジナルよりもソリッドな形状をしているため、人間工学的に持ちやすい形状ではありませんが、気分をもり立ててくれるアイコニックなスタイルです。

 

超超超超超解像ディスプレイ!!!

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3.5インチの液晶ディスプレイの解像度は驚異の1600×1440、615ppi.です!

最新のiPhoneを凌駕する密度! 

初代GBの160×144の十倍です。

ディスプレイを覆っているのは、スマホに使われている数倍の厚みがあるゴリラガラスです。

 

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アスペクト比的に、アドバンスのゲームは、上下に黒帯が出ます。

この驚天動地のスペシャルなディスプレイの性能を余すこと無く使い切る、という意味では、ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトをプレイするのが一番オススメかもしれません。

 

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こんなに奇麗だったのか! と新鮮さと驚きの連続です。

 

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このように、バックライトによって鮮明に描画され、動きの激しいアクションゲームでも、ゲームボーイ特有のチラツキがなく、非常に快適で美しいグラフィックでゲームが遊べます。この体験は感動的です。

 

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さらに、オリジナルの十倍という解像度を生かして、当時の実機風な描画フィルターを搭載しています。これは、ゲームボーイポケットフィルター。

フィルターは、本体下部中央のAnalogueボタン+十字キー右左で簡単に変更できます。

 

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再現度はいかが?

 

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これは初代ゲームボーイ風フィルター。

ドット間の隙間まで表現されています。

 

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ゲームによってフィルターあう、あわないがあるので、それを組み合わせるのも楽しいです。

僕の一番お気に入りマザー2は、どんなフィルターでもマッチします。

 

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オリジナルアドバンスのフィルターはちょっと彩度低め。

 

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バックライトが搭載されたゲームボーイアドバンスSPは彩度高めで、このモードで遊ぶと、SFC版をブラウン管テレビで遊んでいた時の感じを彷彿として、一人震えました。

 

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タクティクス・オウガ外伝は、アドバンスフィルターの彩度低めな感じがバッチリ。

 

大容量バッテリー

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Pocketがちょっと重たいのは、内蔵バッテリーが4300mAhと大容量だからです。

バッテリーライフは、6時間から10時間と公式では謳っており、これはSwitchの2倍から5倍となります。携帯ゲーム機はこうでなくっちゃね!

 

ちなみに、画像フィルターなしがもっともバッテリーライフが長く持つらしいです。

 

ボタンの押し心地

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適度なストロークと確かなポチポチ感があり、押し心地良好です。

任天堂の携帯機でも、DSライト以降は見た目重視で、ボタンのサイズや仕様など、結構微妙だったので、ようやくまともに遊べるという感じです。

 

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LRボタンも、押し心地に関しては問題なし。

(ちなみに、写真の僕らの太陽は、光センサーが隠れてしまっているため、Analogue公式で非対応となってます。バックパネルを透明にするとか、やろうと思えば対応できそうですが……)

 

クリアなサウンド

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Pocketは両サイドにスピーカーを搭載しており、ステレオで高音質なサウンドが楽しめます。

特にアドバンスはくぐもった音で、SFC版マザー2を知ってると、アドバンス版は残念に思っていました。

やはり、僕は現代ゲームの生楽器をサンプリングしたリッチな音源よりもメロディーがキャッチーで記憶にいつまでこのる16ビット機あたりのゲーム音楽が好きです。

 

内蔵のナノループとGBスタジオ

ナノループは、音楽作成ソフトで、ソフトが無くても手軽に音楽を作成することができます。

β版からちょっと見た目が変わりました。スマホ版でちょっとだけ触ったことがあったため、結構簡単につくれました。適当ですが。

www.youtube.com

 

GBスタジオは、ゲームボーイ風のゲームを作成可能なゲームエンジンで、無料公開されています。これによって、PCからダウンロードした新作ゲームをプレイできるばかりか、自分でゲームを作ることも可能です。夢がふくらみますね。


www.youtube.com

 

問題なかった点

LRボタンの配置

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僕の手のサイズには、十字キーとXYBAボタンに置いたとき、最初少し窮屈でした。

十字キーとXYBAボタンがもう少し下にレイアウトされているか、LRボタンがもうすこし高い位置にあったら、バッチリなのにな、と思ってました。

持ち方を工夫して、親指の付け根が本体下部側面に当たるように持つと、しっくり来て快適になりました。脇を締めて。

あと、実はXYボタンにLRが割当てられているので、そっちで操作するのもありでした。

 

電源と音量ボタン

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海外レビュー等で、電源ボタンと音量ボタンが押し間違いしやすく、スイッチが本体とほぼツライチなので押しにくいという評価を目にしていました。

追記:初期出荷モデルのみの仕様で、現在のロットでは電源ボタンが少し出ている仕様のようです。

 

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事前に知っていたせいか、個人的にここは問題をかんじませんでした。手探りだと押し間違えるかもしれませんが、目視すれば色が違いますし、押し間違えることはなかったです。

 

機能の一部が使えないこと

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自分はSDカードリーダーを紛失してしまったため、Ver0.9で運用していますが、ファームウェアアップデートが来ていて、1.0にアップデート可能です。

このアップデートでは、現在プレイ中の進行データをPocket本体にセーブできる機能がβ版として使用可能です。

ゆくゆくは、SDカードの中に、セーブデータを自由に残せるようになるそうです。

この機能はまさに神機能で、カートリッジのバックアップバッテリー切れやフラッシュメモリの書き込み限界を気にせず、レトロゲームをコレクションして遊ぶことができます。

AnalogOSは、他にも新しい機能が増えるようで、今使えないのは残念ですが、今後に期待ということで。

 

残念な点

本体の外装プラスチックシェルがチープ

サイトの画像ではすごく上質そうに見えるのですが、実際は悪い意味でオモチャっぽいです。

 

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特にサイドの処理は醜悪な面があります。

もっとモノリスな、ブロックの塊かよ、って感じのコンセプチュアルでシンプルな見た目が良かったな、と思いました。

パッケージがすごく高級感あるため、中身のチープさにかなり落差を感じました。

機能そのものには大満足しているんですけどね。

 

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ハードケースも購入しましたが、飾って悦に浸れるほどのものは残念ながら感じませんでした。

カードリッジの読み込みエラー時、リブートがオリジナルより面倒

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これはPocketというより古いカードリッジの問題の気もしますが。

ゲームボーイ実機でも、カードリッジ端子の接触が悪いと、Nintendo®の文字が■■■■■■®に文字化けして、ゲームがプレイできないことよくありますよね。

 

Pocketでも同様にエラーが発生します。

ゲームボーイ実機の場合、スライドスイッチで電源を切り、ソフトを抜いて、フーフーして(端子が錆びるので駄目らしいです)、カードリッジを入れ直してスイッチオン。

Pocketの場合は、AnalogueボタンでOSメニューを呼び出し、ゲーム終了画面からゲーム終了を選択。電源を切らない状態でカードリッジを抜くことが可能です。そしてカードリッジを挿入、メニューからゲームを起動を選ぶ。ボタン操作が多いんですよ。

すんなり一回で起動すればいいけど、何度やってもエラーの場合、心折れます。特に古いゲームボーイカセットではエラーが多いです。接点復活スプレーとかで治るかな。

 

カートリッジが抜けやすい(追記)

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Pocketのカートリッジソケットは、オリジナルに比べると浅く設計されています。

非常になめらかにカートリッジが挿入・脱着できるのですが、LRボタンを押そうとして、カセットに引っかかり、抜けるトラブルが出てしまいました。

これをやってると、ゲームがエラーになってストップしてしまいますし、本体セーブステート機能も現時点では機能しません。

カートリッジソケットが浅くなっているのは、カートリッジのジャケットを完全に見せるためだと思われます。

 

まとめ

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ちょっととりとめない感じかもしれませんが、僕は購入してよかったです!!!

 

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古いゲームが、この最高のディスプレイで新鮮な驚きで復活!!!

 

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今後の旅のお供に最適。旅先ではレトロゲーム発掘が楽しいイベントになりそうです。

 

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あつらえたかのようにピッタリなケースもあります!

smoglog.hatenablog.com

 

使い方やファームウェアアップデートについては、こちらの翻訳記事が非常に役立ちました。ありがとうございます!

retro-gamer.jp

 

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