先日、日本時間の8月4日より先行予約が開始されることが発表されたゲームボーイ/ゲームボーイカラー/ゲームボーイアドバンス+変換アダプタで他のモバイルゲームもプレイ可能な高品質携帯ゲーム互換機Analogue Pocket。
情報をしらべているうちに怪しげなツイートがありました。Analogue Pocketの価格は、約200ドル(21000円くらい)なのですが、三万円は高いなぁ……というつぶやきでした。リンクを確認すると、日本語のサイトで予約販売するみたいです。
具体的にどのサイトかは、ここではリンクしませんが、すごく怪しいと感じたのは、価格設定もそうですが、Analogue Pocketはまだ公式サイトが予約開始していないのに、すでに予約オーダーできるということなんですよ。件の輸入代行サイトは、在庫を確保できるようアナローグ社と契約を結んでいるんでしょうか?
追記:先行予約が終了した現在も、平然と予約を募っている輸入代行業者がいるようです。公式では、次回オーダーが約束されていますが、時期未定かつ次回も瞬殺確定状態で、輸入代行業者は受けたオーダーをどのように捌くのでしょうか????
商品ページをチェックすると、不穏な文章が……
返品特約に関する重要事項
受け取り拒否、事前の承諾なく無断で返品された場合、商品代金の100%のキャンセル料が発生します。
これ、場合によっては頼んだ商品と違う同等品などの体裁で来たものを受け取らなかったり、仕様が違う・不良品だったなどの理由で送り返しても、あちらが了承しなければ、支払った代金は返ってこないかもしれません。この一文を別リンクにしておくことも、悪意を感じます。
まず、Analogue Pocketの予約開始は日本では8月4日です。争奪戦になって買えなかった、英語が苦手で海外通販が億劫だ、クレジットカードを持っていないなどの理由で、このような輸入代行業に最後の望みとして予約オーダー入れる事が考えられます。
輸入代行業が独自ルートで在庫を確保しているのなら問題ありません。しかし、それなら仮に納期遅延やメーカー倒産した際の保証は受けれるはずです。だってビジネス契約なんだもの。保険や保証あるはず。
僕の想像では、この輸入代行業は予約を募っておいて、そのお金をAnalogue Pocket購入資金に使いません。納期を散々遅らせ、クレームや刑事告訴などのリスクが高まってきたら、たとえ高額2次市場未開封品などでも、利益度外視で購入して、それを送るって方法を使うと思います。もし手に入らなかったら、海外ベンチャー企業特有のリスクなどといって、うやむやにします。そのとき、キチンと返金されるかは不明です。
あれれ? この手口……うっ! 頭がッ……!!
それは約5年前のことです。
当時、クレジットカードを持っていなかった僕は、海外クラウドファンディングで発表された3Dプリンタを、とある輸入代行業者を介してオーダーしました。
いろいろ奇妙なのは、クラウドファンディングで投資すると必要な送料が不要で、むしろ安かったこと。
クラウドファンディングが無事成功し、クラウドファンディング特有の計画の遅れ、バッカー達に到着しても、何も連絡が来ませんでした。
痺れを切らして3Dプリンタの製造業者へ英語で直接コンタクトを取ると、「そんな業者と取引したことはない」という無情な通知が返ってきました。
端折っていますが、輸入代行業者に連絡すると、対応として、同等性能3Dプリンタに代替するか、アマゾンポイントで返金、相手都合のキャンセルなのにキャンセル料を支払わされるという三択でした。
僕のブログにも被害者の方がコメントを寄せてくださり、同等性能3Dプリンタを泣く泣く選択した人もいました。同等性能3Dプリンタといっても、すでに販売中の旧型で、自分が欲しいと思ったものを一年以上待った機会損失の保証にはなりません。
二番目のアマゾンポイントで返金というのは、前代未聞でメールを読んだ時は目を疑いました。理由としては、資本がない弱小企業だからだそうです。そんなのそっちの理屈だろ! 会社組織としておかしくないか? オンラインゲーム運営会社が情報流出させて、ゲーム内ポイントで保証とかは効いたことあるけど……。
僕が選んだ選択は、消費者センターとも相談してどれとも違う、売買契約そのものに不履行があったとして、契約解除による全額返金を求めました。
2回ほど送ったかな。結局無視されてキャンセル料取られました。
警察にも届けました。その旨を知らせると、メールで「当社は裁判で負けたことはない」と返されました。
事態が急転したのは、実際、訴訟を考える方が現れたことでした。
突然、輸入代行業者から出荷メールが届き、キャンセル料を除いて返金された金額を恐る恐る再入金すると、商品が届きました。
この輸入代行業者が3Dプリンタの製造業者と契約していないこと、少なくとも大口発注をしていないことは確定しています(実際のオーダー数は、訴訟した方や警察と協力した中で知っていますが、裁判がどうなったのかわかりませんし、双方から喧騒しないように言われているので、ここでは誠意のない、笑ってしまう発注数とだけ記しておきます)。
では、この業者はどうやって製品を手に入れたのか。別の被害者の記事では、さんざん渋って送りつけてきた製品に、今回の取引とは別の納品書が紛れていたそうです。その文面には、被害者の方が購入した金額以上の金額が……。
「当社は裁判で負けたことはない」の意味は、負ける前に損をしてでも商品を送るから、だったみたいです。
この輸入代行業者のビジネス(笑)のやり口は、こうです。納入時期がかなり先の商品Aの予約を募る。集めた金をプールする。また別の商品Bの予約を募る。集めた金をプールする。商品Aの納入時期が来ると、商品Bで集めたお金で商品Aを発注する。お金が足らないと納期を遅らせ、別の商品Cの予約を募り、金を集めて、そのお金で商品Aを発注する。
このように綱渡りの自転車操業を繰り返しているわけです。その図太い精神力に頭が上がりません。いやマジで。自分だったら落ち着かなくて発狂するわ。現行法では、この商法を詐欺として犯罪とすることができないようです。最後に行き着く先は破滅しかないと思うんですけど、どうするんだろう。とにかく厄介なのは、この輸入代行業者は屋号に悪評が立つと、すぐに社名・ブランド名を変え、代表者の名前を変えて、ゴキブリのようなしぶとさで再び現れるということです。
……この輸入代行業者は屋号に悪評が立つと、すぐに社名・ブランド名を変え、代表者の名前を変えて、ゴキブリのようなしぶとさで再び現れるということです。
つまり、そういうことです。
僕から言えることは、輸入代行業者がすべて悪ということではないです。もしかしたら、件の輸入代行業者も心をいれかえているのかもしれません。利用される際は、リスクをきちんと考えてください。
万が一、被害にあった場合は、悪いのは間違いなく輸入代行業者です。心無い人が、情報弱者等と、被害者なのにお前にも悪いところがあったと責めてくるかもしれません。そんな奴らは利口なフリしたクソです。絶対に負けないでください。とことん騒いでください。輸入代行業者も訴えられたくはないので、屈してきます。こんな詐欺まがいの手口は割に合わないと教えてあげましょう。それが愛です。
オススメなのは、これを機会に海外通販デビューすることです。今は、優秀な機械翻訳サイトがあります。
一連の被害で、腹も立ち面倒でしたが、経験にもなったし、海外通販もできるようになりました。アメリカ、イギリス、中国、ハンガリー、フランスくらいかな。違うドキドキもあるけど、楽しいですよ。ぜひ挑戦してみてください。
公式サイト:Analogue - Pocket