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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3の感想

今週のお題「何して遊ぶ?」

マーベル映画のカーディアンズ・オブ・ギャラクシー・ボリューム3を見てきました。

そういえば、前作は邦題はなぜかリミックスだったんですよね。今回は変えなかったのか(笑)。

端的に言って、近年のマーベル映画で一番良かったです! 小難しいところなく、本当に純粋なエンターテイメント作品で、キャスト、シナリオ、演出、音楽、どれをとっても最高の一作。MCUの絡み(特にディズニープラス)なく、単一作品としてしっかりまとまっているのも素晴らしいです。

2時間半という長尺な作品ですが、エンドロールまで一瞬たりとも退屈なシーンが存在せず、あっと言う間でした!

映画前にちょっと良い天丼食べました。

ご飯おおもりにしたら、本当に丼いっぱいの大盛りで最高でした。

 

ここから若干のネタバレ有り。

 

さて、今回の映画なんですけど、友人に是非字幕版でと強くオススメされたんです。前回シルベスター・スタローンの吹き替えが、とてもセリフが不明瞭で聞き取りずらく、字幕版も考慮していたので、演出上吹き替えだと楽しめないのかな? と思って、字幕で見ることにしました。ところが、上映時間の関係で、吹き替え版となってしまいました。

見終わってみると、個人的に吹替版でも良かったです。

物語の冒頭、ロケットがレディオヘッドのCreapを口ずさむのですが、これは本来の音声っぽいんですけど、ちゃんと吹き替えの声優も、その声に似た声音で選んでるように感じました。スタローンの出番がそもそも少なかったし、声も前回よりは聞きやすかったです。

 

今回はディズニーお得意のええカッコしいの物語に全然関係ないポリコレ要素が皆無で、本当に良かったです。ちゃんとした映画作れるじゃん! って。宇宙のいろんな民族が登場する物語なんですから、最初から多様性は確保できている訳です。

 

ただ、医療実験などの実験動物に対する批判めいたものを感じましたが、それは一方的じゃないかな、って感じましたね。たしかに、ロケット達の境遇は可哀想ですけど、我々の医療の発展、その恩恵をちゃんと授かってる上で、実際の動物実験が非道だとするのは、ちょっと乱暴に思いました。

あと、重箱の隅を突っつくような指摘ですけど、わりと人間っぽい姿をした子供達は全員助かる展開で、動物人間みたいなカウンターアースの人間は、世話になった心清い人も、展開的に用済みみたくジェノサイドしちゃうのは、ちょっと酷いな、って思いました。ハイ・エボリューショナリーの悪辣さを強調したい意図があったのかもしれませんが、人間の子供を虐殺する展開にはせず、人間ぽくないクリーチャーを虐殺することはGOできる神経はちょっと怖いなって思いました。中世とかの価値観だとさ、貴族の子供の場合は、ちょっとした傷でも大騒ぎするのに、市民の子供とかだと死にそうなのに、汚いから捨てておいて、とか言うそういう価値観を連想してしまいました。

 

ガーディアンズの面々ってこんなにヒーローしてたっけ?

スターロードが、神としての能力を失っても尚、強く機転が効いていて、情にも篤く、かっこよかったです。マスクを全然かぶらなくなってしまいましたね。

 

ガモーラの俳優さんが引退するということで、それってネタバレ……と覚悟していましたが、想像していたものとは違い、これはこれで良かったと思ってます。スターロードが恋い焦がれるガモーラは、私ではないのよ的な葛藤はあったのかなぁ? ロマンス要素はかなり薄かったですね。

 

ロケットの過去が明らかになる物語なんですけど、ベッタベタの展開も、ちょっと不気味なカワイイ動物たちとなると胸にくるものがあり、涙しました。ロケットの慟哭にはちょっと鳥肌立ってしまいました。現代と過去が入り乱れる、結構複雑なシナリオ展開なんですけど、ダレることなく、緊迫感のある展開が続いて目が釘付けでした。

 

ところで、今回のヴィランのハイ・エボリューショナリーは、近年では珍しく純度100%な悪役で新鮮でした。バックボーンが語られるわけでもなく、ただ苛烈に盲目的に完璧な世界を目指す。彼の過去には何があったのでしょう?

一つ、疑問に思うのが彼の顔の傷です。一瞬で骨折を治すことができる医療がある世界で、どうして彼はその傷をそのままにしておいたのか?

一番ロマンがないのは、見た目がキャッチーだから、という映画製作側の都合ということです。

ひとつ考えられるのは、ハイ・エボリューショナリーが映画で語られるキャラクターそのものの場合、実験動物に傷をつけられたという恥を忘れないため、という考えもあるかもしれません。尺の都合でカットされたけど、ロケットと再会する時にそういう会話があったのかも。

個人的に推したいのは、ハイ・エボリューショナリーには悲しい過去があり、それで完璧な世界を望むようになった。理想の実現のため、どんな悪いこともやったし、生命を踏みにじってきた。彼はもう狂っていたのかもしれません。顔の傷は、ある意味自分の犯してきたことへの罰のようなものとして無意識に受け入れたんじゃなかろうか。こんなのは自分の妄想ですが。

 

毎回、チームで長回しのバトルシーンが挿入されるのですが、今回は特にかっこよかったです。カメラがアクロバティックに動き、複雑な立ち回りをメンバーそれぞれが際立った能力で相手を打ちのめす。めちゃくちゃかっこよい。

 

今回も、往年のヒットナンバーが劇中を彩ります。

もともとスターロードと地球(母)への繋がりを示すものでしたが、いつしかチーム全体が地球の楽曲に親しみを覚えています。エンドロールでは、第一作のオープニングに使用された曲が流れ、美しいラストを迎えます。

おお、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーよ、永遠なれ。

 

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