22日から公開された映画「アリータ:バトル・エンジェル」を見てきました。3D・日本語吹き替え版です。吹き替え派の僕の意見ではありますが、特に違和感のある吹き替えには思いませんでした。スピーディーなアクションシーンや、くず鉄の町の凝ったディテールをよく見ることができました。
原作は日本のSF漫画「銃夢」。10年以上前から実写映画化権が取得されたとされていましたが、ついに映画が封切りされました。日本の漫画の実写映画化というと、不安な気持ちになることが多いのですが……とても良かったです!
ネタバレなし
銃夢を知らない人も、知ってる人も満足できると思います。
原作の魅力的な世界設定……ポストアポカリプス要素、SF要素、ディストピア要素を活かしつつ、不条理かつ残酷、陰鬱にして難解なアクの強さを上手に抜いてあり、エンタメとして昇華したと感じました。
最初のトレーラーで物議を醸したアリータの大きすぎる目は、最初こそ面食らって失笑してしまいましたが、ストーリーが進むにつれて、その大きな瞳の感情の豊かさに惹き込まれていきます。
僕は原作ファンですが、あんまり人に勧められる漫画ではないと思っています。好き嫌いが分かれる部分が多いです。空中都市に支配された、くず鉄の町という舞台設定は非常に魅力的ですが、設定は難解です。映画では簡素にアレンジしてあるか、巧妙にボカしてあります。またストーリー展開は奇妙奇天烈で、まさしく先の読めない展開です。しかし、それが一般的にウケる話かどうかは別です。物語としてのセオリーに準じた王道ストーリー展開の方が面白いと感じる人も多いはずです。
この映画が面白いと感じ、もっと深くこの世界が知りたいと感じたなら、原作コミックもオススメです。
原作ファン向け・ネタバレ有り
銃夢のダークサイド部分がかなりカットされていますが、重要な要素はキッチリフォローしてあり、別物ではなく、上手に映画用にアレンジしてあります。「銃夢」ではなく、「アリータ:バトル・エンジェル」なんです。
特に、ザレムの影の下にあり、陽の光がとどかないジメジメとしたゴミ溜めのような劣悪環境として描かれたくず鉄の町は、とても明るくて魅力的な町になっています(反面、そのせいでヒューゴがあれほどザレムに恋い焦がれたのか、理由が弱くなってしまった欠点も出てきましたが)。
登場人物については、イドの人々を癒やす医者としての善人としての面と、破壊衝動を発散するためにハンターになる暗い側面の両方を持つ複雑な人物造形ではなくなってしまいました。
個人的に残念だったのは、ノヴァ博士のキャラクターでした。続編を見越して、ちょい役にかかわらずエドワード・ノートンをキャスティングしているみたいですが、プリン片手に「おいちい!」と言ってほしかった。ぶっ飛んだキャラクターを見せてほしかったですね。続編に期待かな。遠隔操作できる設定は、息子のケイオスの設定を使ったのかな。
パンツァークンストについては、プラズマ技があんまりなかったのは残念。細かいところでは、くず鉄を混ぜて作ったダマスクスブレードが「単分子」なの、変でした。
モーターボールのエピソードを持ってきたのは、ファンにとっても嬉しいものでしたが、ちょっと強引な部分がありましたね。どうしてわざわざモーターボールのトライアウトでアリータを暗殺するのか。
ザパンとマードック(犬使い)が一緒にいるのは、原作を知ってるものにとってはニヤリとする展開でしたね。
原作で印象的なシーンは結構使われていました。心臓を渡すシーンとか、記憶を失い寄る辺ないアリータの純粋すぎる故の怖さが出てました。サイボーグと生身の人間のロマンスというのも、実写とCGの対比によってより明確になってよかったです。
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