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マイティ・ソー最新作・ソー ラブ&サンダーの感想

ギリギリで前三作を見て、予習バッチリの状態で鑑賞。

世間の評価は結構分かれているようですが、自分はとても楽しめました!

邦題は、前作ラグナロクをバトルロイヤルに改題しておそらく大ブッシングを受けたせいか、マイティも消えて、原題のソーに……そこまでは要求していないんですが……配給会社の作品への思いの無さが透けてみえますね・笑。

作風としては、前作バトルロイヤルのノリに加えて、アクションシーンとドラマシーンを半々にふった感じ。今回は字幕版で視聴したせいか、セリフがやや重たい感じで、コメディタッチの作風とセリフの重厚感のミスマッチ感が良い意味で新鮮でした。

以下ネタバレ有り。

ソーと別れたジェーンが、癌に侵されてしまいます。2020年に亡くなったブラックパンサーのチャドウィック・ボーズマンを思い出しました。

 

今作では数々の神々が出てきます。最初、なんで地球の神々ばかりなんだろう、と思っていたんですが、地球の宗教でも、〇〇という神が他の地域へ伝播して別の名前で呼ばれるということがあります。なので、例えばゼウスというふうに言われているけど、別の惑星でも同じような神格の雷の神が信仰されていて、信仰の重複がみられる神は、そのぶん影響力が強いということなんだと思います。逆に、溶岩の上で同性同士で生殖を行うみたいな、特殊な生態を持つ生物の神は、そのぶん信仰者がすくなく、ローカルな神ということになるんでしょうね。スターロードの父も神だったと思うのですが、そのつながりはどんな風になるんでしょう?

 

ラッセル・クロウ演じるゼウスの俗物感が半端なかったですね。面白かった。

これまでの映画で、神というのは宇宙人の一種と考えていましたが、どうやら今作ではドラゴンボールの界王神みたいな感じの設定なのかな、と感じました。最後のヴァルハラも同じ感じかなーと。おそらく、オーディンもヴァルハラにいそうだし、あっさり死んでしまったソーの仲間たちの再登場も期待したい。死んだときの振り返りナレーションのノリが軽すぎる笑。シフも再登場しましたね。

 

これまでの映画で、ソーとジェーンの関係が、それほど深いものに感じられない、と自分は感じていましたが、今作は恋人の期間とすれ違い、破局などがプレイバックされていて、過去作の不足部分を保管していました。なにより、「二人はなぜか気があった」 という一言が語られるだけで、自然と解消されました。最後、ストームブレイカーをラブに託し、ジェーンが残したムジョルニアを手にしているソーを見て、ホロッとしました。ネクロソードの破片が混じっているとしたら、パワーアップしているかも?

 

今回のヴィランは、神殺し(ゴッドブッチャー)ゴア。自身の貧困、最愛の娘を亡くす苦難を神々の試練と捉え、来世の幸福を神に祈るものの、神に裏切られて、全ての神を殺すことを誓った復讐者です。単体殲滅能力は前作のヘラに劣るものの、元は普通の人間であること、ネクロソードに蝕まれて死にかけでありながら、神への復讐心に燃える不気味さなど、ソーの過去作とくらべて、かなり重い設定を持つキャラクターでした。

ゴアはネクロソードに蝕まれていますが、その鏡面としてジェーンはムジョルニアのパワーで無理やり生かされて、癌の進行を早めさせられています。うまい相対を作っていますね。

 

今作のバトルの結末は、スーパーヒーロー映画の中でも際立っています。

これまでのヒーローは自己犠牲精神で、個人的な感情を抑えて、平和のために戦ってきました。大いなる力には責任が伴うばかりで、ちっとも報われて来なかった。

ヒーローが敗北を認めて、ヴィランに結末をゆだねてしまう。残された時間を愛する人のためだけに使う。もしゴアが永遠に向かって神殺しの完了を願うなら、神であるソーも消えてしまっていました。蘇った娘は、妙な力が備わっていたことから推測するに、完全に娘ではないような気がしますね。同じ姿と記憶をもっている別の存在という感じ。

 

ヴァルキリーとコーグのLGBT要素を強調する必要があんまり感じませんでした。コーグなんてギャグ要素で、逆にかわいそうに感じましたよ。ここ最近のお約束ではあるんですが、匂わせ程度でいいような。語りたいテーマであるなら、そういう映画を作ればいい。もちろん、性指向で差別はよくないですが、映画を面白くするものでないなら、無理して描写を加える必要ないと思うんだよな。

 

また、ソーが子供たちを先導して、戦闘行為に参加させるという展開は、もちろんコメディとしてなんでしょうけど、非常にギリギリの危ない描写で、かなりヒヤッとしました。ヒロインは囚われのお姫様という、一方的な性別による役割の押し付けは批判され、バトルに参加する女性は多くなっています(今作ではジェーンにヴァルキリーに)が、子供たちだって無力なままじゃない、守られるばかりではない、という批判は起きないと思うのですが……、戦争にかりだされる少年兵みたいで、ちょっと……ね。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々との交流が冒頭だけというのが少し残念でした。

バトルロイヤルぐらい、クロスオーバーをがっつりやってほしかったような。

ソーは次回作も予定されている模様。

ソーが死んで、ヴァルハラでいろんな人と再会して……みたいな展開かなー……なんて。

 

 

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