R15指定の下品でおバカで風刺の効いたヒーローが帰って来ました。
前作は低予算ながら、R15指定映画でもっとも稼いだタイトルとなり、今作は予算も潤沢でさらなる飛躍を予感させましたが……?!
結構設定を忘れていたところがあり(ウェイドは特殊部隊出身、超能力のなかの再生能力は癌細胞由来など)映画を見ていて「ああ、そうだった」と思い出しながら……やっぱりデットプールというキャラクターは面白いですね。キャラがすごくすごく強い。
キャラが最高、アクションも最高、シニカルなジョークも最高、脚本も良かった……ただしストーリープロットはもうちょっと、かな。
冒頭からいきなりローガンをこき下ろし、謎の爆死、パロディ全開のオープニング(ここまで大笑い)、ヒロインの死(ウェイド、もうちょっとしっかりやれよ)、唐突にはじまるチーム募集、あっけなく死んでいく仲間たち……この展開はすごく笑えたし、実は最強なんじゃ……? と思ったドミノも良かった。ケーブルはもっとサノスと絡めてくるのかな、と思いましたが、割とあっさりでしたね(字幕版なので、セリフ端折られている部分が多いのかもしれませんが……)。
ケーブルは時間旅行者ですが、タイムパラドックスは必至な展開でした……うーん、これってヴァネッサが死ななかった世界線からやって来たということなのかな? デッドプールはラッセル・コリンズ(ファイア・フィスト)と絡むことがなく、そのままラッセルはヴィラン化してしまう……ということなんでしょうか。そう考えると結構よくできたシナリオ構成に思うんだけど……。
ケーブルの時間跳躍には2種類(エンディングの現実世界の過去へ飛ぶのは3種類? それともデッドプールの能力との合わせ技でしょうか)ありますね。本人をそのまま飛ばす(ケーブルが現代に飛んだ時)と、記憶だけ飛ばす(デッドプールの死を回避した時)方法。この辺りも、突っ込むと藪蛇な曖昧なところです。
お馬鹿なヒーローと心温まる感動のストーリーというのは案外相性がいいのですが、悲劇はちょっと頂けない。マジになっていいのか最後まで疑いながら見ていました。
展開はかなりアクロバティックかつ意表に飛んでいます。すごく面白い……だから悲劇が異物なんです。それが引っかかって本気で笑えない。
頭空っぽにしてゲラゲラ笑えて、最後はほろりとくるような展開の物語を期待していました。
ユキオは、女装した男役と思っていたら、Wikiに女性って書いてました。なーんだ。
エンドロール後に何もなかったのは、ちょっと寂しい。
低予算でも良いので、日本の「男はつらいよ」のように長く続いてくれるタイトルになってほしいですね。正直、派手なアクションにお金使うより、他のヒーローや時事ネタを揶揄しているだけで十分なコンテンツになりそうです。
手ぬぐい買いました。
前作の感想:読み直してみたら、前作の自己評価も良くなかった……あれ?