横浜でヌード展を見て、時間がまだまだあったので、近辺の美術館を検索しました。
「ブルーノ・ムナーリ」の個展が開催していると知り、これは運命だ! と思って、電車で神奈川県の逗子駅へ。
ブルーノ・ムナーリ(1907‐1998)は、イタリア生まれの超エスプリの効いた(あ、エスプリってフランス語か)デザイナーで、活躍した分野はプロダクトデザイン、編集、絵本、芸術、教育と多岐に渡り、レオナルド・ダ・ヴィンチのことを「僕の友達」なんて言っちゃうような人です。
僕は、特に彼の思想が好きで、本や個展の開催があれば、極力行くようにしています。
ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
(同時開催)コレクション展 抽象の悦び
2018年4月7日~2018年6月10日
ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)は、後期未来派のメンバーとして活動を開始し戦後は美術の新しい在り方を模索し続けつつ、デザインや絵本、遊具さらには著述などでも活躍をしたイタリアの美術家です。
日本初公開となる約150点を含む約320点のさまざまな作品から、稀代の表現者の全貌に迫ります。
同時開催のコレクション展では 日本の抽象表現と新収蔵作品を紹介。
〔ブルーノ・ムナーリ展 巡回情報〕
北九州市立美術館 2018年6月23日~8月26日
岩手県立美術館 2018年9月8日~11月4日
世田谷美術館 2018年11月17日~1月27日
日本初公開となる約150点ということですが、自分はムナーリの本も結構持っていて、これ見たこと無い! って思ったのはなかったです。規模的には、かつて行った滋賀での個展のほうが大きかったかな?
ただ、美術館のロケーションは最高でしたね!
逗子駅からバスが出ていて、海岸線の細い道(対向車ギリギリ。運転手さんの技術凄い!)を半時間くらい進んで、美術館に到着します。
美術館の裏は海でした。
自分の思想として「子ども」表記はいただけない(イタリア語には、そんな区別ないはずだ!)。
どうして「子ども」が嫌なのかは、こちらを参照してください。
この個展の中では、ムナーリは美術家として紹介されていたと思います。
個人的にはデザイナーなんだけど、その扱いが一番良いのかもしれません。
美術品の多くは、個人で手に入れるには高価すぎます。なので、それを鑑賞し、込められた思想を感じる。知れば足るってやつです。
ムナーリも同じようなことを言っていて、「豪華さはデザインの問題ではない」と言います。
デザイナー〇〇ってやつを聞くと、やっぱり高価なものを連想してしまいかちです。
今のデザイナーってスター性というか付加価値を商品に付け加える人という感じです。もちろん否定しないぜ、マーク・ニューソン大好きだ。
けれど、デザインというのは、貧しい人も富める人もみんな等しく享受できるものであるべき、とムナーリは説くんだな。
こういう思想のデザイナーが、今でもあふれていたら、きっと100円ショップに列んでいる商品だってMOMAに永久所蔵されているはずです。
現在も、ムナーリのプロダクトは買えるけど、結構高価です。ムナーリの思想を深く理解すればするほど、それってちょっと違うよなー、と懐事情が寂しいのもあるけど、買えないんだよな……。
ミュージアムショップで「おさるのジジ」というおもちゃを発見しました。
この玩具は、ゴムの猿のフィギュアの芯に針金が入っていて、自由にポーズを変化することができるというものです。現在では、わりと見慣れたおもちゃですが、それのオリジナルがこれなんですね。この猿は8000円もしますが、似たようなおもちゃは1000円しないでしょう。ムナーリの思想は、悲しいかな後者に宿っている気がするんですよね。それでも「おさるのジジ」が欲しいのはミーハーすぎるというか、逆に貧しい気持ちになってしまうというか……。
そんなわけで、今回も図録のみ手に入れました。
しかし、何という運命のイタズラなのか!
翌日の東京中野のだいまん祭で、未開封のリセール品を2000円で手に入れてしましました。
やったね!
帰りはバスが激混みだったのと、朝から何も食べていなかったので、飯屋を探すため、少し歩きました。
しかし、逗子、飯屋がない!
さまよい歩いて見つけたザ・昭和のラーメン屋。
入口の貼り紙には「4時半から貸し切り」の文字……。
時間は3時50分。
ええい、ままよ! 10分で食べますので、どうか食べさせてください!
サンマーメン(大盛り)とごはん(冷奴と漬物付)。
ほっとするお味で、すごく美味しかった。
4時半から貸し切りらしかったのですが、その後も続々客が来て、さばけきれたのかは不明……。
この後、東京に向かい、だいまん祭、ゲームマーケットと続きます。
こちらはもう記事にしています。
次回、ゴールデンウィーク旅2018のラストとなります。