smogbom

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トライアングルストラテジー(仮)体験版の所感

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突如としてプレイ可能なデモ版が配信された「プロジェクト・トライアングルストラテジー」をプレイしてみました。

Nintendo Switch向けに2022年発売予定とされる、このタイトルは、オクトパストラベラーのスタッフによる新作で、ジャンルをRPGからタクティクス・オウガやFFタクティクスを彷彿とするような、高低差が生かされたストラテジー(戦略シミュレーション)ゲームとなっています。

ビジュアルは、オクトパスで好評だったドット絵と3D技術の融合「HD-2D」を採用。オクトパストラベラーであのビジュアルを見た瞬間、これでTOかFFTがリメイクされないかな、って思っていたので、発表されたとき、テンションあがりました。

しかし……同時に、オクトパスを結局スルーした僕には、ちょっと不安に感じました。オクトパストラベラーのシナリオや世界設定のクオリティで、重厚な戦記を描けるのだろうか……? ということです。

オクトパストラベラーで、僕が感じたのは、ビジュアル以外にこのタイトルならではの核となる設定がない、ということでした。FFならクリスタルとか、ロマサガならディステニーストーン、聖剣伝説ならマナの木など、物語の軸となる特別な設定が用意されていますが、オクトパストラベラーでは、よくある中世ファンタジー世界で、8人のバラバラの主人公の個別の物語をロール・プレイするというもの(ちゃんと遊んでないので、違ったらすみません)でした。

個人的には、ルドラの秘宝みたく、キャラたちが、同じ時間軸の中ですれ違ったり、相対したり、クロスオーバーする物語を期待していましたが、おそらく、製作者側としては、システムの方を構築するのが好きで、世界設定に凝らなかったのかなぁと思いました。

 

さて、トライアルストラテジーですが、あくまで体験版での感想であり、フェアではない部分も多いにありますが、体験版として遊んで、どう思ったかというレビューであることをご了承ください。

 

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体験版では、いきなり6話からはじまり、その点、話そのものは、かなり急で飲み込めない部分もあります。

 

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バトルは、素早さの早い者順に行動できるという敵味方が入り乱れる方式で、細やかな調整は必要かと思いますが、安定した面白さを感じます。

 

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スキルや魔法は、貯める必要がありますが、ターンを重ねると回復しますので、かなり派手な戦闘ができます。

 

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補助系統のスキルが豊富で、このあたりも面白そうです。

氷の盾を作って、進路妨害できる魔法などは、使い勝手が良さそうでした。

 

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肝いりの投票システムは、主人公(プレイヤー)の選択でルートが決定するのではなく、仲間キャラクターの投票によってルートが決定するというもの。これは大きな可能性を感じました。

たとえば、タクティクス・オウガで、超有名な、「僕にこの手を汚せというのか」の選択肢あるじゃないですか。僕は、いっつもカオスルート選んじゃうんです。この偽善者が! と言われても……。

 

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このシステムでは、自分の選びたい選択にするため、キャラを説得することもできますが、あえて自分が選べない選択を多数決で選ばせることで、自分はいやいやだけど、多数決できまったので、そっちに進まざるをえなかった、というロールプレイが可能となります。まどろっこしいけど、僕みたいな人間にとって、可能性の広がるシステムと感じました。

ただまどろっこしいだけになってしまう危険性がありますね。多数決で選んだルートと、主人公が投票した選択とで、乖離した場合などでも物語に変化が生まれると面白いかもしれません。

 

一方で、このシステム、王政バリバリの中世ファンタジーと相性が悪いですね。そのあたりの設定考証はばっちりなんでしょうか。なんとなく、登場人物の心情が、現代的というか……ちょっと前に戦乱があった辛い時代を生きたっていう切羽詰まった感がないんですよ。このあたりはオクトパストラベラーのぬるい感じを踏襲している気がします。

 

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大きな違和感を感じたのは、王の処刑シーン。

いきなり6話からなんで、深い事情があるのかもしれませんけど、賢王と讃えられるほどの善政を敷いた王様が、侵略者の言葉だけで悪とされ、そして侵略された側の国民が、処刑に声援を送る状況が飲み込めませんでした。そんな薄情な国民を、主人公たちは守らなきゃいけないのか?

 

そして、この場所。普通はこんな場所では処刑しないでしょ、って思うのは僕だけでしょうか。こういうところって、新しい王様とか、勇者が凱旋してお披露目に立つところです。つまり、この場所って、聖と俗を分ける場所なんですね。生贄の儀式ならまだしも、罪人は、地面に近いところにいて、上から王様が「殺れ!」って命令するのが正しい。そもそも、この位置からじゃ国民にはよく見えないでしょ。パンとサーカスって言葉がありますけど、食べ物と娯楽を与えれば、国民は従順するという。処刑という娯楽を見せない、この王は愚王ですね。

 

こんな感じで、シナリオ、設定、ディテールには、不安を感じました。タクティクス・オウガやFFタクティクスには、松野泰己さんという偉大なワールドクリエイターがいましたが、トライアングルストラテジーには不在に感じました。こういう部分って、アンケートに書いて、なんとかなるんでしょうかね……悪い意味で、体験版がしっかりプレイ可能だったので、今からでは難しいような気がします。

ロードの長さ改善してくれー、とかだったらいけそうですけど……。どうせうすっぺらくなるなら、ファンタジーに固執しなくてもいいんじゃないかなって、思えてしまいました。

 

オクトパストラベラーのアマゾンレビューも、星1~2の評価の内容の方が、しっくり来るので、僕の好みの問題なのかなぁ。

ビジュアル、ジャンル、システムはかなり好みなので、惜しいなぁ。

 

オクトパストラベラー - Switch

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  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: Video Game
 
OCTOPATH TRAVELER|オンラインコード版

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