Oculus、SteamVR、プレイステーションVRで配信中のVRパズルアドベンチャーゲームMOSSをプレイしてクリアしました。
シアトルのスタートアップPolyarc Gamesが開発した、このゲームは、プレイヤーは、古い図書館で魔法の書籍「MOSS」の中に引き込まれ、勇者に選ばれたネズミの少女「クイル」と共に、彼女の叔父を助ける旅に出ます。小さなネズミの世界を覗き込むようにプレイする感覚は、ジオラマ、シルバニアファミリー、借りぐらしのアリエッティなんかが好きな人には、たまらないものになるでしょう。
最初に断っておくと、今回、記事に使用したスクショは、OculusQuest2のスクリーンショット機能を使いましたが、実際の画像の三段階くらい低いクオリティになっています。実際のゲームプレイ画像は、もっと鮮明ですし、なにより立体世界の細やかさ、質感は素晴らしいです。この画像で、ビジュアル品質を判断せず、実際プレイしてみてください。
プレイヤーは、雰囲気のある図書館で、本を読んでいます。
本の内容は、日本語に吹き替えられたナレーションが流れます。
実際、モーショントラッキングで本をめくることでストーリーは進みます。
イベントシーンが終わると、プレイヤーは本の世界に引き込まれ……。
パートナーとなるネズミの少女クイルが登場。
クイルはめちゃくちゃかわいいですよ。モーションがかなり凝っていて、段差を登るときのプリプリのお尻とか……。
ゲームプレイは、ゼルダライクな、パズルアクション・アドベンチャーです。
特徴として、スティック+ボタンで、クイル自体を操作、さらに障害やオブジェクトをプレイヤー自身のハンドトラッキングで動かし、クイルが先に進めるようにしていきます。
バトルで急かされる状態で、オブジェクトを動かす、というシーンがあったのですが、あまりに没入しすぎて(クイルを助けなきゃ!)、コントローラを投げ捨て、実際の手でゲーム空間のハンドルを掴もうとしてしまいました(笑)。
クイルとプレイヤー、どちらも自分で操作するのですが、ときどきクイルがプレイヤーを見て、行き先やヒントを身振り手振りで示したり、パズルを解いたときに、ハイタッチを要求してきたりして、すごく愛らしいです。
世界設定は、いかにもありがちなファンタジー世界なんですけど、ネズミの世界なので、リアルスケールの人間の朽ちた鎧などが、転がっていて、その上をクイルが歩く……イッツ・ア・スモールワールドみたいな状況が楽しいです。
写真では写りがいまいちに見えるかもしれませんが、舞台の作り込みがすばらしく、ついつい顔を近づけて、微細をまじまじと観察したくなります。実際、ジオラマ作りを趣味にしている人は、参考になるんじゃないでしょうか。
さてさて、ここまで良い点を言いましたが、悪い点を言いましょうか。
まず、バトルはあんまりおもしろくないです。パズル要素ともう少しマッチングしていればよかったのかもしれませんが、単なる連戦みたいなシーンが多く、頻度の多さに退屈さを覚えました。また、操作性も良いとは言えず、見当違いの方向を攻撃してしまったり、思っている方向へと移動できずに落ちてしまったりして、爽快というよりストレスが溜まることが多かったです。
個人的には、見た目に合わせて、もう少しゆったりとしたテンポのバトルにするか、パズル要素を増やして欲しかったです。あるいは、終盤のような、ストーリーと融合しているようなバトルを増やして欲しかったです。
もう一つはシナリオ。
まあ、典型的かつ、ひねりのない話です。そして未完。ゲームのボリューム不足とは思いませんでしたので、オーソドックスな話でもきっちり完結して欲しかったな、という気持ちはあります。それほど広がりのある話に思えませんでしたし……。
全体として、もっと話題になっても良い作品に思いました。
僕のアンテナ感度が低すぎなのか、あまり認知されていない作品のような……もしかすると、日本語化されたのが発売からちょっと後ってのもあるのかもしれません。無料のDLCの手応えのあるエキストラダンジョンも追加されています。オススメです。