オンライン開催の世界最大のデジタル技術見本市「CES」では、今年もVRやウェアブルモニター関連の発表がたくさんありました。市場規模としてはまだまだな感じですが、将来性は感じているようですね。
OculusQuest2を購入して、すごく良い製品だったのですが、OculusLinkの安定性に問題がまだあるので、もっと性能の良い製品が欲しいという気持ちもあり、新製品の発表は嬉しいです。
見本市ということで、製品化はずっと先だと思いますけど、未来の新しい技術を目にするのは単純に楽しいです。
「CES2021」で発表された製品で、気になったものを紹介します。
パナソニックVRグラス
5KHDR、眼鏡のような見た目と軽さ(ゴムバンドで装着しない)、スマホとPC接続も可能なVRグラスです。まさしく新世代! な見た目。
コントローラがないので、映像だけかと思ったんですけど、本体カメラによるインサイドアウト式ポジショントラッキングに対応し、SteamVRも対応するようです。
価格が熟れていたら、大本命かもしれません。
レノボ、最大5画面表示のARスマートグラス「ThinkReality A3」
PCに拡張ディスプレイを表示できる、サイバーパンクなARスマートグラス。
ノートPCのモニターの大きさに限定されず、作業ができそうです。
仕事をしているふりしてゲームとかできそう(笑)。
カメラが本体についていて、モニター表示位置は本物のモニターのように固定されるようです。
ビジネス向けの製品、かつQuest2にも搭載されているQualcomm Snapdragon XR1が採用されているので、値段はけっこうしそうです。
モトローラのスマホと接続できるみたいなので、スマホをPCライクに使う、という未来が来るかもしれませんね。
<CES>レノボ、最大5画面表示のARスマートグラス「ThinkReality A3」 - PHILE WEB
コンシューマでは、Oculusのインフィニットオフィスで、先に(お手軽に)体験できそうですが……。
TCLのウェアラブルディスプレイ
1080pミニOLEDスクリーンを備え140インチの大画面として表示されるウェアブルディスプレイです。
センサー類は皆無で、画面を表示するだけ、かつ解像度も低い(ちょっと心配になるくらい)ので、価格は手頃そうです。
デザイン的に眼鏡族は非対応そうっぽいのと、このデザイン的に、モベリオと同じ匂いを感じる……140インチの大画面がドーン! とするのは想像力が必要そう(どう見ても目の前に小さな画面に感じるかも)なのが懸念点です。
参照:TCLのウェアラブルディスプレイ、目の前に140インチどーん! #CES2021 | ギズモード・ジャパン
CESとは関係ないけど、スクリーンドア効果が解消されるかも?
VRヘッドセットは、スクリーンとの距離が近いのと、レンズによる効果で、ディスプレイピクセルのドットが見えて、映像が嘘っぽく見えてしまうスクリーンドア現象という課題がありました。
これは、スクリーンの高解像度化により、ピクセルがハイDPIになることで、力技で解消しようとしてきました。
OculusQuest2では、僕なんかは全然気にならないレベルだったんですが、Facebook Reality Labsとアリゾナ大学の研究者が共同研究で、新しい解決方法を発表しました。
方式としては、スクリーンを人間には知覚できない超高速で微振動させて(正確には円運動)、ピクセル間の隙間を埋めるというものです。すごい原始的。
この方式、なんか聞き覚えあるなぁと思ったんですけど、プロジェクターの疑似4Kにも使われている方法ですね。正確に言うと違うかもしれませんが、あれも4回にわけて高速で映像を照射しているんで、同じような解決方法だと思います。
この方式のメリットは、スクリーンを高解像度化しなくて済むので、コストダウンできますし、グラフィックデータ量も少なくできるので、CPU・GPUの負荷も低減できます。気になる点は、物理的に振動するので、耐久性や消費電力面が懸念されます。
今、目の前に見ている映像が、現実なのか仮想現実なのか、見分けができなくなる未来は、かなり近いかもしれませんね。ちょっと怖くもあるけど、楽しみでもあります。
参照:VRで網目が見えてしまう「スクリーンドア現象」、その意外な解決策 フェイスブックらが発表 | Mogura VR