※公式ブログより画像引用
昨日に続き、スマートフォン関連の話題ですが、本日は悲報です。
アンドロイドOSの生みの親でもあるアンディ・ルーピンさん率いるEssential社が事業閉鎖を発表しました。開発中だったスマートフォン「ProjectGEM」も開発中止となってしまいました。ここ数年面白みに欠けていたスマートフォンのデザインに一石を投じた新しいコンセプトでした。ガチの購入候補だったので、本当に残念。
近年はGalaxyFoldやSurface Duoなど、ガラパゴス携帯時代末期のような、キワモノ揃いが百花絢爛の楽しい世界がまた広がりそうという発芽を感じていたので、ProjectGEMも続いてほしかった。面白いコンセプトだと思うので、他社も触発されたのではないでしょうか。是非、この思想を受け継いで欲しいです。
ブログには、発売できなかったProjectGEMのせめてもの弔いとしてでしょうか、ビデオが数点アップされています。このビデオを見る限り、製品としてはほぼ完成の域に達しているように思えます。
外装はなんとガラス製の一体成型ボディ。耐久性は不安ですが、宝石というコードネームにふさわしい美しさです。
第一報を記事にした時に指摘したんですが、このUIは正直ないなぁ。
片手で操作できる小さな端末なのに、メニューが上部にあります。
ビデオにように机に置く場合は問題ないけど、手に持つ場合は両手で操作しなくてはならないので、個人的には良くないと思いました。
細長いディスプレイに合わせたqwertyキーボードもナナメになっています。多分英単語入力に特化されていると思いますが、ちょっと触ってみたい。
カメラはアウトカメラに超広角が一つと、インカメラはパンチホールになっていてスッキリしています。最近の狭額縁ディスプレイはホールドしにくいので、この形は結構持ちやすそうです。
音声操作を重要視した端末だったみたいで、英語でよくわかりませんが、どんな風に操作するのか試してみたかったです。
Essential Project GEM smartphone productivity demo
予想では、大きくなったスマートウオッチという感じで、通知に特化した端末であり、これでコンテンツ消化や生産性の高いことをするデバイスではないと予想していました。小説はともかく漫画は読めないでしょう……。ビデオを見る限り、そうはいってもインスタグラムは普通に楽しめそうでした。
Hardware demo of the Project GEM smartphone from Essential.
ProjectGEM開発中止の理由は、詳しくは書かれていないので推測ですが、量産して販売する販路が用意できなかったのが原因のように思えます。前作のEssentialPhoneも自社流通のみのせいで、売れ行きは微妙だったんですよね。プロダクトとしては良かったと思うんですけど……。こうなった原因は、たぶんアンディ・ルーピンさん自身にあって、グーグルをセクハラ問題で退社したにも関わらず高額の退職金を得ていたことが、通信会社のイメージダウンに繋がるということで、うまく連携できなかったのではないかと思っています。ニッチな製品であることは変わりないですが、アンディ・ルーピンさんがクリーンな印象のままだったら、この製品も日の目を見ることができたのではないか……なんて思うと、悲しい気持ちになってしまいますね。そもそもグーグルも退社していないかもしれませんけど。アンディ・ルーピンさんの再起はもう無いかもなぁ……。