塊魂の高橋慶太さんによる新作ワッタンを一時間ほど遊びました。
高橋慶太さんの作品を遊ぶのは初めて。ナムコ退社後に発売した塊魂のiOS版の体験版を触ったくらいでしょうか。
今年発売予定のプレイデート用タイトル・クランキータイムアドベンチャーを開発されているので、気になって購入しました。
タイトルは、日本の輪と同じ意味をもつタミル語のヴァッタンを掛けたもの。コンセプトがデス・ストランディングと似ているのも注目ポイントです。ポストアポカリプス後の世界、爆発、人と人を繋ぐゲームとなっていて、しかし内容がよくわからないのも共通しています。発売を楽しみにしていましたが……自分にはちょっと合いませんでしたね。ソロプレイのゲームなんですけど、家族や友人と一緒に遊ぶと楽しいゲームだと思いました。
ゲームの趣旨
文明崩壊後の世界。提示されるお題をクリアして、仲間たちを集めて、世界を復興していきます。
良い点
高橋慶太さんのユーモアあふれる独特の世界観。
グラフィックはきれいで、ボケ味が良い感じです。
UIもリッチで、きれいです。
キャラクター達が個性的で、意表をついた展開をして、面白い。
ボーカル入り音楽もなかなか素敵です。
悪い点
ユーモアは認めるが、突拍子がなさすぎで繋がりが感じられません……お題をただやらされている感がつきまといます。
操作性・カメラワークが良くないです。
キーアサインが独特で、キャラクター切り替えがやりにくい。
手を繋ぐ、登るという基本・大事なアクションがやりにくい。
舞台のデザインがあっさりしすぎている。
たとえゲームが面白くなくても、手元にもっておきたい美しい舞台というものがありますが、味気ない四角の島に、愛着はわきませんでした。
総評
塊魂の高橋慶太から、ワッタンの高橋慶太となるような作品ではないと感じました。
テーマそのものは深いものがありますが、30分もすればなんとなく理解でき、一度ゲームを辞めると、次回起動するモチベーションがなかなか出てきませんでした。
2回目の起動に、ユーモアはあるものの荒唐無稽で脈絡ない展開に、与えられたミッションをただこなしているだけの無気力感に苛まれました。
カメラワークと操作感の悪さから、ただ触って楽しいというゲームでもありません。
3回目の起動は……なかなか難しいです。
「このゲームはこんなゲーム」と明瞭に語れない、今回の作品のようなゲームは、コンセプトが定まっていない、迷走しているようにも感じられました。デス・ストランディングは、隠していただけで、どういうゲームかわかります。 Wattam は、人にどういうゲームで、どういう面白みがあるのか伝えにくいです。
そもそも、人がいっぱいつながって一緒にいることが楽しい・最上の幸福だ、という感覚が、自分にはあまり共感できません。
そういう価値観の人がいることを否定しなませんが、孤独でいるほうがずっと楽しく豊かに生きていけるという人がいることを否定しないでほしいです。