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約20時間プレイ・デスストランディング所感‐賛否両論なのに満点の理由

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ツイッターのタイムラインでも、そろそろクリアしたフォロワーさんが出てきた、デスストランディングですが、自分はゆっくり進めていて、現在20時間くらい、エピソード3のおそらく後半くらいでしょうか。

自分に非常にフィットしたゲーム性だったので、2時間ほど遊んで、興奮気味にファースト・インプレッション記事をアップしました。ゲームにも慣れてきましたし、ゲーム要素もそれなりに出揃ってきましたので、もう少し詳細なレビューが書けそうです。ネタバレなしです。

smoglog.hatenablog.com

満点のゲームってどんなゲームだろう

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デス・ストランディングは、ゲームメディアも一般ユーザーの中でも評価が極端に分かれています。

そもそも、満点のゲームってどういうゲームなんでしょうか? 自分は3つくらい満点になりうる要素があると思います。

  1. 完成された、ケチのつけようのない作品
  2. 欠点はあるものの、それを凌駕する魅力のある作品
  3. 唯一無二のため、比肩することができない作品

 デス・ストランディングは、ここに上げた項目で言うと、2と3が該当すると思います。つまり、2における魅力に惹かれない人や、これまでと違った新しい性質のゲームにフィットしなかった人には、全然おもしろくないゲームと感じるのです。

乱暴な言い方をしてしまえば、デス・ストランディングがクソゲーという判断をしてしまった人というのは、格闘ゲームをプレイしてRPGじゃないじゃないか、クソゲーだ、と言っているのと同じではないかな、と自分は感じるのです。その方のクソゲーという評価を否定しませんが、僕がめちゃくちゃ面白い! と思うのも否定しないで欲しいってことです。

 

今回の記事では、デス・ストランディングの欠点と魅力、何が新しいのかを中心にレビューしたいと思います。

 

オープンワールドゲームにおいて革命的な移動の楽しさ

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既出ですが、デス・ストランディングは、未曾有の危機により、人類は国が分断されてシェルター都市に篭もることを余儀なくされた、近未来のアメリカを舞台にしています。

プレイヤーは配達人となり、未開の自然に逆戻りした広大なフィールドを、正体不明の見えない敵や、荷物を盗もうとしてくる敵に対処しながら、届け主へと荷物を運ぶことになります。

お使いゲー……と言うと身も蓋もないのですが、実際、デス・ストランディングのメインは、よくない使われ方がされることのほうが多い、お使いゲーです。しかし、このお使いがべらぼうに面白い。

 

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デス・ストランディングのフィールドは、断崖絶壁、河川、草や岩など起伏に富んでいて、非常に美しいのですが、目につくようなオブジェクト、人や動物などはほとんど存在せず、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド以上に「過疎っている」印象すらあります。

 

ゼルダにおいては、山などの地形ブラインドや遠景に特徴的なオブジェクトを配置することによって、「そこへ行けば何かあるかも?」と好奇心を刺激することで、飽きさせない工夫をしています。しかし、何度も通った道の場合、ちょっと遠出するのは苦痛でしかありません。長いロード時間を我慢して、ファストトラベルするか? それともスタミナゲージを使い切り、スティックをベタ倒してまっすぐ向かうか? 脇道に逸れる誘惑に耐えて、目的地までは退屈な時間……。

 

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デス・ストランディングではどうでしょうか? 何度通った道でも新鮮です。ただ行きと帰りでさえ、状況が違います。背負った荷物の量の変化。他のプレイヤーとゆるやかにつながることで、フィールドは毎回状況が変化します。道ができ、落とし物があり、乗り捨てられたバイクがあり。

センサーで地形を読み、できるだけバランスを崩しにくいところを選んで進みます。漫然とスティックをベタ倒しして、ダッシュで真っ直ぐなんて移動は不可能です。全フィールドがアスレチックゲームです。これが移動の楽しさの秘密です。

 

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移動が楽しすぎで、道具が揃わないうちは、敵のBTやミュールですら邪魔に感じました。このシステムは、それだけでゲームとして成立すると感じました。もっとシステムを突き詰めて、インディーゲームで、どこかの秘境で配達する人のゲームとか、密売や密入国させるゲームとか作られると嬉しいなぁ。

 

オープンワールドゲームじゃないと思う

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オープンワールドゲームに革命をもたらした移動システムと言っておきながら、矛盾するようですが、デス・ストランディングは、オープンワールドゲームではないと思いました。

オープンワールドゲームという定義に、自分は3つほど兼ね備えるべき要素があると思います。

  1. 町やダンジョンなどがシンボル化されて階層化されていない、できるだけシームレスなマップ構造
  2. 世界に生きるNPCが、それぞれのタイムスケジュールで活動している
  3. シナリオの自由度が非常に高い

デス・ストランディングがこの項目に合っているのは1だけです。

デス・ストランディングは、むしろドラクエのような伝統的なRPGのようなシナリオ進行をしています。一つの街の問題を解き、次の街へ、付随するサブクエストはご自由に……という構造になっています。オープンワールドゲームが苦手だという方は、自由度が高すぎて、何から手を付けて良いのかわからない、どの選択が正解なのかわからないから苦手だと思うので、そう言った状況にはなりにくいと思います。

 

欠点:UX、UIにはクセがある

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自分は気にはならなかったのですが、特に序盤はカットシーンが長めで、ゲームたるものゲームプレイで語るべし、という方には厳しいものがあると思います。

個人的にはビデオゲームは、これまで人類が作ってきた全ての娯楽、芸術を内包できるメディアと思っていますので、映画のようなゲームがあってもよいと思います。少し前に、ネットフリックスでゲームのように選択肢があるドラマがありましたが、動画配信サービスから出たからドラマなのであって、あれがPSストアから配信されたらゲームとして受け取られたのではないかと思うのです。

現実のスター俳優を採用したのも、「ゲームたるものかくあるべき」という固定概念を壊して、映画と既存のゲームを繋ごうとしたのでは無いかとおもいました。

 

このゲームには、他にも納品時やプレイベートルームの行動などに数秒の細かなカットシーンが入ります。まったく同じ動きなので、俳優のファンならともかく、僕はもうお腹いっぱいなので、スキップするのですが、3回スキップしないとゲームプレイに戻れないという時もあり、流石にこれはちょっとめんどう……と思ってしまいます。

 

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メニュー画面は全体的に文字が小さく、ぱっと見はサイバーチックでカッコいいのですが、わかりにくいです。

ボタン長押しを多用するUI設計なのですが、単押し長押しのアイコンが小さく、同じような色なので判別しにくい。

理解できていないことが多く、天気予報の見方は今もわかっていません。

UIのビジュアル、見難さは、多分製作者の美学を感じる部分で、カッコ良さを優先したのだと思います。ユーザー側で慣れろって感じかな。

 

一番修正してもらいたいのは、荷物の積載オーバーがわかりにくいことです。荷物を一括チェックで背負う時、背負える荷物の量が動的に表示されないので、背負ってみて積載超過なので、アバウトにチェックボックスを外し、微調整、という回りくどい操作が必要になってきます。

また荷物の最適化操作は、メニューを開かずに、フィールド上でワンボタンでやりたいです。よく使う操作なのに、メニューの深い階層にあるのが地味にめんどくさいです。敵がいる時はできないという縛りくらいが良いですね。

荷物運びは、このゲームのコアの部分なので、もっと快適だと嬉しいです。

 

ロード時間については、ゲーム開始時こそ長いですが、ゲーム中はほぼロード待ちがなく、ゲームオーバー時の再開時もノータイムなので、快適でした。

 

肝心のストランドゲームの面白さについて

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デス・ストランディングは、今までにない全く新しいゲームジャンル、ストランドゲームと題しています。

個人的評価としては、全体的には上手く行っているけど、ちょっと懐疑的な部分もあるという感じでしょうか。

まだまだ伸びしろを感じるというか。

 

ストランドゲームはどういうゲームかというと、基本はシングルプレイですが、ゆるくネットに繋がって、フィールド上に他のプレイヤーの落としたアイテムや、共同で作っていく施設などがあり、これを活用してゲームを有利に進めていくことになります。この際に、SNSによくある「イイね!」を交換することになるのですが、最初は、すごく短絡的で、軽いなって思ったんです。ボタン一個で「俺たち繋がった」なんて、すごく気持ち悪いなって。

ゲームを進めるうちに、この「イイね!」が、何万と集まってきて、印象が変わってきました。このまま、「イイね!」が何十万、何百万と集まったら、それはそれで凄いパワーだぞ、って思えてきました。SNSで最もフォロワー数の多いゲームデザイナーにギネス登録されたコジマ監督は知ってたのかもしれませんね。

 

フィールド上に、オンラインプレイヤーの落とし物や、使ったはしごやロープなどが残るのは、結構面白いです。

落とし物については、BTの座礁地帯によく転がっていて、「ああ、ここでみんなやられたのか……」って推測できますし、回収するには危険なBTのそばを通らなければならず、ゲームプレイとしても葛藤がうまれて面白い。プログラムとして仕掛けられた落とし物ではなく、他のプレイヤーが落としたものってだけで、感覚がこうも違うとは驚きでした。

適当な準備をしてしまったがために、今の荷物ではミュール(荷物を奪ってくる敵)からは逃れられない……そんなとき、誰かが架けてくれたハシゴを見つけた時の嬉しさ。横着して深さも調べずに三輪バイクで河を横断、流されてしまう荷物……その荷物は僕と繋がった誰かが運んでくれる……。

 

ストランドゲーム要素で、一番はっきりと良くないと断言して言えるが「看板」です。

先に示したとおり、この先の危険は、地面に異様に散らばった誰かの荷物で示せます。しかし、看板でこの先「危険」「おばけ」「頑張れ」なんて示されたら、情緒もなにもあったもんじゃない。マジでセンスがない使われ方です。人がよく通るところには自然とあぜ道ができ、休んだところやおしっこをしたところは、気配として残ります。それだけで良いのに……。自分はミッションでしか看板立てませんでした。これからも使うことはないでしょう。

デザインも、下品な電光掲示板のようで、せっかくの雄大な自然が台無し。自分の世界が汚された気分になります。

この要素は個別でオフにしたいくらい嫌いです。

 

デス・ストランディングの記事は、クリア後にもう一つ書きたいと思います。

5,000字近い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

クリア後の感想

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