来月のモデラーズクラブまで月日がないのに、ゲームばっかり遊んで! よろしくないのはわかっていてもついついあそんでしまう……。
タイトルを変え、パブリッシャーを変え四年の月日を経て発売したアクションパズルアドベンチャーゲーム「RiME(ライム)」をプレイ中です。
PS4、Xbox One、PC、そしてNintendo Switchで販売中。
このタイトルは、発表時のコンセプトデモから注目をあびました。その理由がビジュアルにあります。
まるでゼルダの伝説風のタクトを思わせる、明るいトゥーンレンダリングのアートスタイルと、セリフがなくゲーム的UIを極限まで削ぎ落としたゲームデザインは、ICO、ワンダ、トリコの上田文人作品を思わせます。でもこれは誤解で、この作品はそれらの作品からインスピレーションを得たものではないそうです。世間に注目されたのは、それら作品のスタイルに似ていたことなのですが、開発者は皮肉なことにその誤解を解くために腐心したようです。
この作品が実際に影響を受けた作品は、芸術家のアキン・ソローリャやジョルジョ・デ・キリコ、ゲームで言うなればダークソウル、風ノ旅ビトだそうです。風ノ旅ビトについては、開発者が上田文人さんの作品の影響を認めているため、影響は間接的にありそうです。しかし、僕にはダークソウルの影響がいまいちわかりませんでした。ダークソウルを未プレイというのも関係しているのかもしれませんが、高難易度でもないし、死んだら最初の場所に戻るってわけでもない。現状使い所のない前転がそうです、って言われたら、拍子抜けしますよ。
このゲームで独特なのは、声を使った謎解きだと思います。ボタン一つで主人公が叫んで、それがトリガーとなって様々なインタラクションを起こします。3D空間ならではのアクションだと思いました。VR作品にしても面白そうです。
セリフが一切なく、状況でストーリーを推測するような語り口のこのゲームにおいて、この声を出すボタンは、ひとつ話を推論するヒントになります。
オブジェクトのない部分で声をだすと普段は鼻歌を歌うんですが、とある場所では、嗚咽を漏らしていました。この島が、少年にとって偶然遭難した場所ではなく、縁のある場所であることが示唆されます。
まだ途中ですが、想像よりもボリュームがありました。
……これは個人的に嬉しいとは思いませんでした。
パズルが単純であまり面白くなく、ストーリーテリングの関係であまり感情の起伏が起こしづらく、淡々としていて、「やっとクリアだ」と思ったら第一ステージクリアで、萎えてしまいました。もっとギュッとコンパクトにして満足できる内容に出来たのでは。
また、ビジュアルはとても美しいのですが、開発者がいくら否定しても風のタクトの二番煎じに感じてしまいました。綺麗なんですが、記憶の中の風のタクトを超えていると、あっと唸るような劇的シーンは今の所ありません。
コレクション要素もあるですが、それよりも島の絵になるシュチュエーションを作ってほしかったかな。散策したいという気持ちよりも、さっさとパズルをクリアしたい気持ちの方が強かったです。
当初、この狐のような犬のような精霊とのバディアクション要素があるのかな? と予想していましたが、現状は特になく。道中現れる謎の人影と役割に違いはなく拍子抜け。
良作であることに疑いようはないのですが、インディーゲームならではのアクの強さが僕には感じられませんでした。
僕はセールで入手しましたが、インディーゲームの中でも結構高額な部類に入るので、インディーゲームならではのユニークさを求めるのでしたら、ちょっと評価できない作品でした。
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